「宇田川源流」【大河ドラマ 豊臣兄弟】 浅井長政と市の夫婦の絆が浅井長政を裏切らせた

「宇田川源流」【大河ドラマ 豊臣兄弟】 浅井長政と市の夫婦の絆が浅井長政を裏切らせた


 毎週水曜日は、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」について、なんとなく私の感じたことを書いてみたいと思っております。その内容に関しては、基本的にはドラマの流れた、そのストーリーの内容に従ってみてゆきたいと思っております。ただ、私も歴史小説家の末席にいる状態なので、一応主人公の羽柴藤吉郎と羽柴小一郎の歴史的なことを、ドラマの進行に合わせて史実も見てゆこうと思っております。

 今回は、「金ケ崎の退き口」についてです。

永禄13年、織田信長による朝倉義景への侵攻は順調に進んでいるかに見えましたが、突如として同盟相手であった浅井長政が離反したことで、織田軍は絶体絶命の危機に陥りました。背後の近江国から浅井軍が、前方からは朝倉軍が迫る「挟み撃ち」の状況となり、信長は即座に撤退を決断します。この歴史的な退却劇こそが、世に言う「金ヶ崎の退き口」です。

 この絶体絶命の局面で、軍の最後尾に残り、敵の追撃を食い止めるという最も危険な役割である「しんがり」を志願したのが木下藤吉郎、のちの豊臣秀吉でした。当時の秀吉はまだ織田家の中で確固たる地位を築いていたわけではなく、この命がけの任務を完遂することで、信長に対する絶対的な忠誠心と自らの実力を証明しようとしたのです。

 秀吉と共にこの死地を支えたのが、弟の小一郎、のちの豊臣秀長でした。秀吉が前線で指揮を執り、味方を鼓舞する一方で、秀長は冷静に戦況を見極め、混乱する兵たちを統率し、撤退の足並みを揃えることに尽力しました。兄の情熱的な突破力と、弟の緻密な調整能力という、のちに天下を揺り動かすことになる二人の阿吽の呼吸が、この極限状態において初めて真価を発揮したと言えます。

 戦いは凄惨を極めましたが、秀吉と秀長は、竹中半兵衛や蜂須賀小六といった家臣団、さらには徳川家康や明智光秀らの協力も得ながら、奇跡的に戦線を維持し続けました。多くの犠牲を払いながらも、彼らは敵の追撃を振り切り、信長が待つ京都へと無事に帰還を果たします。この撤退戦を生き延びたことは、秀吉にとって出世の決定的な足がかりとなっただけでなく、陰で兄を支え抜いた秀長という存在の重要性を、織田家中に知らしめる大きな契機となりました。

<参考記事>

【大河ドラマ 豊臣兄弟!】第13回「疑惑の花嫁」回想 「また弟と…」が「また弟に…」 信長最悪のトラウマを再現した長政の裏切り 「誰もが幸せに」小一郎のモットー、慶に届くか

2026.04.05

https://artexhibition.jp/topics/news/20260405-AEJ2873900/

<以上参考記事>

 今回は、「夫婦の絆」ということがテーマではないかという気がする。当然に比較されるのは、今回信長(小栗旬さん)の妻濃姫(帰蝶)が出ていないので、小一郎(仲野太賀さん)と慶(吉岡里帆さん)の夫婦、そして藤吉郎(池松壮亮さん)と寧々(浜辺美波さん)、そして浅井長政(中嶋歩さん)と市(宮崎あおいさん)の三つの夫婦が比較されていたような気がするのです。

小一郎と慶の夫婦は、慶がもともと結婚していたが、その元の旦那が織田信長の稲葉山城の攻略の戦争の時に戦死しており、織田家を恨んでいるという設定。ましてや、斎藤家滅亡の原因となった、慶の父安藤守就(田中哲司さん)が裏切ったことが原因であり、そしてその安藤を裏切らせたのは小一郎であるということになります。つまり、慶は、自分の元旦那の仇の所に嫁いだことになるのです。それも織田信長命令で嫁がざるを得なくなったということになります。「この身はあなたに捧げます。しかし、心までは」という言葉は、このような場合によく使うセリフではありますが、ある意味でこの状態をどのように「仲の良い夫婦」に変えてゆくのかということは、なかなか興味深いところがあります。

この慶に対して、小一郎は「信用する」ということでしかないということになります。この小一郎のやさしさが、慶の心を開いてゆくのでしょう。

次が、藤吉郎と寧々ですが、これは、仲が良いけれども、藤吉郎の京都での浮気が相変わらず寧々には許せなかったというような感じになります。この夫婦に関しては、なかなか面白いのですが「仲が良い」のですが、一方でお互いが全くわかっていないということになるのです。お互いが全くわかっていないのに、お互いが仲が良い、ということがこの夫婦の特徴になりますが、その「わかっていない」ということが、そのまま将来の淀君などの側室につながってゆくことになるのであろうと推測されます。なお、この淀君に関しては、前回に出てきているので、とくにネタバレには当たらないでしょう。

一方浅井長政と市の夫婦に関して言えば、お互いがよくわかり合い、なおかつお互いが愛し合っているということになります。しかし、以前もこのブログで言ったように浅井長政と市はまさに「ロミオとジュリエット」であり、そのことから、今回は浅井長政が織田信長を裏切る決断をしなければならないということになります。子供の命や浅井家と朝倉家の関係よりも、間違いなく、父久政(榎本孝明さん)の「あの女に腑抜けにさせられたか」というような言葉が、浅井長政を裏切らせたということになるのでしょう。よく言われていることですが、浅井長政は市が美しいということから、心が動かされたのではないかというようなことが言われており、そのことで武士として問題があるのではないかというようなことが言われていたといわれています。そのことから市を引き合いに出されて、武士としての誇りを傷つけられたことによって、裏切らざるを得なくなったということになるのです。

この夫婦の絆が、歴史を大きく動かすということになります。相変わらず、ドラマの中には史実とは異なる描写が多くありますが、その辺に関してはこれらのテーマを失火地と伝えるためのモノではないかと言いうことになるのではないでしょうか。

さて来週はまさに、金ケ崎の退きぐちになります。家康なども出てきて、歴史が大きく動くことになります。

宇田川源流

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