「宇田川源流」【日本報道検証】 中道改革連合の新代表に小川淳也氏で野党政治は変わるのか

「宇田川源流」【日本報道検証】 中道改革連合の新代表に小川淳也氏で野党政治は変わるのか


 毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたます。

 さて今回は、2月13日、先週の金曜日に野党の中道改革連合が代表選挙を行ったことに関して見てみたいと思います。

中道改革連合は2月8日の選挙前1月19日に旧立憲民主党と、旧公明党が合併して新政党を作りました。しかし、組織は「急増感」が否めず、代表も幹事長も旧政党の組織がそのままに二人ずつ「共同代表」「共同幹事長」が残されてしまい、なおかつ、その二人の間でインタビューなどを総合すると意見や政策、場合によっては政党名にある「中道」ということの定義も異なるという形になっていたのです。安全保障政策や原子力発電をもとにしたエネルギー政策は、中道はもともと与党であった旧公明党の政策を取り入れていましたので、その政策とは正反対の旧立憲民主党支持者は戸惑いを隠せず、「辺野古移設工事を止めることは現実的ではない」という安住共同幹事長(当時)に対して、沖縄県連がクレームをつけるために上京し、結局野田代表は、選挙期間中の各党首の討論会で「安全保障に関しては選挙後に検討する」というように政策を保留するということが起きてしまったのです。

何をするのかわからない、政策も決まっていない政党に投票する人はほとんどいません。その様に政策を決めないで支持を集めようとしながら、選挙後に高市自民党が3分の2を集めると、「白紙委任ではない」などと矛盾することを言っています。政策を決めないで投票をさせて、その後他の政党には公約を守れとか、あとから決めるのは許さないなどと言っていること自体二重基準でしかないのです。

当然にそのような政党は敗北し、野田・斎藤共同代表態勢の執行部が辞任し、そのことから代表戦が行われました。代表選挙は階猛氏と、小川淳也氏が立候補し、議員投票によって22対27で小川淳也氏が新代表に選ばれることになったのです。

<参考記事>

中道、小川淳也氏が新代表に選出 27票対22票で階猛氏を破る

2/13(金) 13:41配信 朝日新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/6a3435b962b118b3bd203cada9dee374933519ea

中道新代表に小川氏 9条改憲「あり得る」

2/13(金) 13:42配信 時事通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/11175c1ed2859ad8d218f2c03ec032da76d543ea

<以上参考記事>

 まず押さえておきたいのは、中道改革連合は立憲民主党と公明党の合流によって成立した政党であり、両者の政策的立場の差異を調整する必要があるということです。綱領では「持続的な経済成長」や「現実的な外交・防衛政策と憲法改正論議の深化」を掲げ、従来の野党の立場から一歩踏み出した政策論議を目指しています。

さて、まだどのようになるのかよくわからないのですが、取り合え得ず今までの言動や中道改革連合の綱領などからどの様になるか推測してみましょう。

憲法9条についての理解表明は、中道改革連合の従来の立場と比べて明確な変化を示しています。これまで立憲民主党は憲法9条について慎重かつ戦争放棄を堅持する立場を強く打ち出してきました。一方、公明党は自衛隊の合憲性を重視し、限定的な憲法論議にも一定の理解を示してきました。両者の合流で成立した綱領では、「憲法改正論議の深化」が政策の柱に掲げられ、安全保障政策についても、集団的自衛権については現行法の範囲で合憲とする立場に整理されていました。

そのため小川新代表が 憲法9条の改正議論を理解する姿勢を示したことは、次のような意味合いを持ちます。まずは、立憲勢力だけでは議論が進みにくかった憲法論を、党として受け入れる柔軟さを示すことで、公明党出身議員や中道層の議論の幅を広げる意図がある。そして安全保障政策を巡る社会的対話を深めることで、日米安保体制や地域の安全保障環境(例えば中国や北朝鮮の動向)に対応する政治的責任を明示しようとしている。つまり、戦後日本の平和主義を否定するというよりは、現実の安全保障環境や国際協調を踏まえつつ、憲法論議を建設的に進める方向へ政策を調整する姿勢です。これは単に理想論だけではない、現実主義的な外交・防衛姿勢を強調する流れといえます。

 次に話題になっている社会保障制度、特に健康保険制度について見てみましょう。綱領に掲げられた「現役世代も安心できる新たな社会保障モデルの構築」が大きな柱です。従来、野党側は高齢化による社会保障の財政負担を理由に「現役世代への負担が重くならない制度改革」を強調してきましたが、小川新代表は以下のような方向性で政策を再検討する可能性があります。

まずは、制度の持続可能性を重視する改革があげられます。健康保険制度については、単純な給付拡大や支出増ではなく、医療費の適正化や保険料・負担の公平性を見直す議論を進める可能性があります。これは社会保障の財源問題や現役世代の負担感を軽減する観点からも重要です。次に現役世代と高齢者双方への安心感強化ということがあります。社会保障は単なる給付の拡充ではなく、「誰もが将来安心できる制度」にすることを掲げています。こうしたスタンスは、健保や年金、介護保険といった分野全体を見直す中で、持続可能な制度改革を進める意志を示唆しています。

 経済政策については、綱領の柱に「持続的な経済成長への政策転換」が位置付けられていることから、単なる景気対策ではなく、構造改革と成長戦略を同時に勧める方向性も想定されます。この点で小川代表の政策的な特徴としては、内需主導の成長や中小企業支援など、経済全体の底上げを重視する政策を志向する可能性が高いこと、労働市場政策やデジタル・グリーン投資など、未来の産業構造を見据えた成長戦略と結び付ける姿勢といった傾向が想定されます。

 外交政策では、憲法9条の議論を深める姿勢がある一方で、中道改革連合が掲げた「現実的な外交・防衛政策」という表現から、次のような変化が予想されます。日米同盟の重要性を認識しつつ、アジア諸国との関係強化を進めるという事でしょう。既存の野党外交観ではアメリカとの協調が弱いという批判がありましたが、中道の立場では日米関係を基軸としながらも、アジア・太平洋地域の安定に向けた協力を重視する姿勢が強まる可能性がある。そのうえで、国際舞台での役割を重視するということがあるでしょう。経済外交や環境外交など、外交の領域を安全保障だけでなく、社会保障や経済政策と結び付けるアプローチが想定されます。これは経済成長戦略と外交戦略を同時に進める現実主義的なアプローチと言えます。

 総じて言えることは、小川新代表の下で中道改革連合の政策スタンスは、これまでの野党的な理想論から一段階踏み込み、現実の国際環境や財政・社会構造の制約を考慮した「中道現実主義」へと調整される可能性が高いということです。憲法9条については「議論の深化」を受け入れつつ、安全保障環境への対応力を重視する発想にシフトする方向。社会保障と健保制度については、持続可能性と公平性のバランスを考えた制度改革を追求する方向。経済政策については、単なる景気対策を超えて、成長戦略と社会保障改革を融合させた包括的なアプローチが示唆される方向。外交政策は日米関係を軸にしつつ、地域協調と国際社会への実務的貢献を重視する方向。

 このように、小川新代表は「単なる野党政党の立場」ではなく、現実的な諸課題に対応しつつ国民の安心感を高める政策体系を構築しようとしていると見られます。

ただし、旧立憲民主党の支持層がこのようなことでは離れてしまうということがありますので、その調整がしっかりとできるのか、とくに左翼的思想の言論人などの抵抗にどれくらい対応できるのか、国会の中の政局よりも、多分、旧立憲民主党やその支持層に対して、今まで現実路はかけ離れた理想論を出して騙してきたツケを解消し、現実路線にすることへの抵抗に対して、しっかりと対応できるのかが大きな課題になります。そしてその課題を解消できれば、大きく脱皮ができるのではないでしょうか。「批判のための批判政党」「非現実的な理想論だけの老人政党」といわれた元の野党に戻ってしまうのか、二大政党制に対応できる政党に脱皮できるのか、小川代表の運営がこれからどのようになるのかの分水嶺であると言えます。

宇田川源流

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