「宇田川源流」【日本報道検証】 「支持率を下げてやる」マスコミに感化されたヤジへの拒否感

「宇田川源流」【日本報道検証】 「支持率を下げてやる」マスコミに感化されたヤジへの拒否感


 毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたます。

 さて今回は、10月24日の臨時国会開会時における高市内閣総理大臣の所信表明演説の最中に、民主党の議員がヤジを行っ他ということの事実関係から見てみましょう。

 高市内閣総理大臣の所信表明演説は、令和7年10月24日に開かれた第219回臨時国会で行われ、開始直後から野党席や与党支持者席から「よーし」「頑張れ」などの声援や「裏金」「説明しろ」などのヤジが断続的に出て議場が騒然となったことが報じられていえう。

 国会の議事運営は国会法や議院規則によって秩序維持が求められており、議事を妨げる不規則発言は原則として許されないという制度的前提があります。議長や会期運営側には発言の制止や議場整理の権限があり、本来は演説や討論が適切に進行するよう管理されるべきであり、国会法の中においても秩序維持は議員の義務となっていますし、不規則発言が多い場合は、議長又は委員長(予算委員会などの委員長)は、その不規則発言を発した議員に対して退出を求めたり、場合によっては懲罰委員会における懲罰を行うことができるとされている。従って議員や出席者による度重なるヤジは議会秩序の観点から問題視されやすく、議会手続き上の是正措置の対象となり得ることになる。

 では今回のヤジに関するSNSの投稿を見てみよう。

まず批判的投稿(「聞くべき」「議会の品位を損なう」など)はどのようになっているであろうか。SNSの中には、多数の利用者がヤジを強く非難し、議会で演説中のヤジは国民の政治参加や傍聴権を損なう行為だと指摘している投稿が相当数見られている。一方擁護/容認的投稿(「抗議の表現だ」「政府を糾弾すべき」など)は、ヤジを「即時の抗議表現」「不満の可視化」として擁護する声も一定数あり、政治的立場によって受け止め方が大きく分かれている。

 また個別批判と呼称化(「ヤジ議員」「ヤジ動画」など)は、特定の議員やヤジの場面を切り取った短い動画や静止画が拡散され、「ヤジ議員」と名付けて批判する投稿が目立ち、感情的反応や躊躇のない攻撃的表現が広がっている。

 そして特徴的なのがこのヤジの問題を、論点化(議会のあり方・教育や子どもに見せてよいか等)する動きや投稿が多かったことではないか。ヤジそのものの是非に加え、国会での振る舞いが「教育上どうか」「議会制民主主義の担い手として適切か」といった中長期的な制度議論に結び付ける投稿が一定量見られたのである。

 短期的には内閣の演説の受け止め方や支持率、野党・与党間の対立がSNS上で可視化され、議会内外の議論を一層喚起したと整理することもできる。ヤジをめぐるSNS反応は単なる非難や擁護を超えて、議会運営ルールの厳格化や公開・説明責任の在り方に関する議論を促す契機となっている投稿が多く見られるのではないか。

 まずはヤジを行った議員、あえて名前は出さないが、その議員たちはそのような議会政治そのものの議論になっていることを考えるべきであるのと同時に、その議員たちの選挙区の人々は、そのような「議会の品性を落としたとか、議会の在り方をSNSの上で言われなければならないような契機を作った議員」に投票をしたということを重く受け止めるべきではないか。

<参考記事>

立憲・小西洋之議員の〝ヤジ肯定論〟に音喜多駿氏が私見「1つも納得できない」

2025年10月25日 20時2分 東スポWEB

https://news.livedoor.com/article/detail/29854062/

<以上参考記事>

 さて、まずは私のヤジのスタンスを表明しておこう。私自身はヤジは禁止すべきではないというような感覚を持っている。実際に自民党が野党にいた時も「ヤジ将軍」ある存在がいて、しっかりとしたヤジを出していた気がするし、また立憲民主党でも、気の利いたヤジはある。実際に、昔の国会議員早霜練習していたし、ヤジがあることで進展した内容なども少なくないことは否めない事実である。法律上は議事の進行を妨げてはならないというように規定されているが、其れだけであれば、議事は予定されてしまった「儀式」になってしまい、中国や北朝鮮の議会と同じで、存在自体が必要なくなってしまう。そのような意味ではヤジは重要な役割を示しているということになるのである。

しかし、「良いヤジ」と「悪いヤジ」があることを忘れてはならない。

そして、今回のヤジは「悪いヤジの中でも最悪の部類に分類されるヤジ」でしかない。私からすれば、「立憲民主党という政党は、この程度のヤジしか言えないあまり優秀ではない議員しかいない政党に落ちた」というような感想になってしまうのである。

そもそも「所信表明演説」は「事前い台本がありその台本を配られている演説」であり、そのために、何を言うかはよくわかっている。なおかつその内容はテレビで中継され、その中継において国民は多くのことを知る内容になる。同時に、その所信表明演説は当然にそのことに関する代表質問があり、その代表質問でしかヤジに反応することはできない。その様に考えれば、「ヤジを飛ばしても演説者(今回は高市総理)は、反応できない」状態である。そのような時にヤジを飛ばしても「ただの雑音」でしかなく、不規則発言というだけになる。なおかつ所信表明は、国民の多くが「どの様なことをするのか」ということに興味を持って聞いているのであるから、その内容を効かせることが重要であり、その反論は代表質問で行うべきであろう。

それでもヤジは存在する。そのヤジは、基本的には所信表明演説に詰まったり、最低でも、演説の内容に関連のあることをヤジるくらいのモノでなければならないのであるが、今回の内容は全く関係のないものである。その様に全く関係のない内容であれば、本来は代表質問で行うべきものである。逆に言えば、立憲民主党は代表質問でしっかりとした内容を作ることができないということを意味しているということになる。

またタイミングも、息継ぎの間を狙ったりして、内容を話しているものにかぶせないようにするというのは、当然のマナーであろう。それくらいのマナーもわからないのが立憲民主党のこれらの議員なのだ。

一方委員会などは、それなりの質問をする。当然に質問の間には答えられないものもある。そのような質問の回答に対しては、容赦なくヤジを飛ばすことになろう。逆にそれは質疑応答であるのだから、焦らせて、用意していた内容を話させないというようなことが戦略になるということになる。

そのようなことを全く無視したヤジは、本当に雑音でしかない。そしてそのようなマナーも何もわからない議員を選んだ選挙区の有権者の責任であろう。その地域のモラルが悪いということになるのである。

宇田川源流

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