「宇田川源流」【日本報道検証】 ルーブル美術館の強盗はナポレオンの宝を盗んだ
「宇田川源流」【日本報道検証】 ルーブル美術館の強盗はナポレオンの宝を盗んだ
毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたます。
さて今回は先週10月19日(現地時間)に不ダンスパリのっルーブル美術館に4人組の強盗が入り、その展示品の宝飾品などの8点が奪われたことが明らかになった。強盗の当日はルーブル美術館が閉館して観光客なども一切入ることができずに、その展示を見ることができなかったということである。
さて、この事件に関しては、一昨日26日に30代の2人の男性がアルジェリアに渡航しようとして逮捕されたということが報じられている。今回はその事件に関して少し考えてみたい。ある意味で、「事件」が発生して、その内容を考えることそのものが、そのまま彼らの思考をたどることにつながるということになるのである。
まずはその犯行を、報道されている限りで見てみることにしよう。
2025年10月19日、パリのルーブル美術館内にある歴史的展示室「ガレリー・アポロン」で複数の宝飾品が強奪される事件が発生した。美術館側と捜査当局は組織的な窃盗事件として取り扱っており、短時間で展示ケースを破壊して多数の品を持ち去られたと発表している。
犯行は美術館が開館して間もない午前中に起き、犯行グループは外部からの侵入を装って窓から侵入したとみられている。展示ケースは電動工具で破壊され、犯行はわずか数分から十数分で終わったと報じられている。警察は組織的窃盗(Vol en bande organisee)として捜査を進め、現場に残された痕跡や監視映像の解析を行っているところである。
被害にあったのは王室や名高いコレクションに属する宝飾類の複数点で、報道ではおよそ8点が盗まれたとされたと報道されている。フランス当局の発表では被害額は約8800万ユーロ、報道換算で約155億円と見積もられている。
事件後、複数の容疑者が追跡され、空港での逮捕や国外での拘束が行われたと報じられている。現場にDNA痕跡などが残されており、それらを基に捜査が継続中である。当局は逃走経路や押収品の売却ルートの追跡も行っており、組織的犯行の背後関係を解明しようとしているようだ。
事件は文化財保護や美術館の警備体制に対する議論を呼び、現場の警備配備や監視システム、閉館後の安全管理の脆弱性を指摘する声が出ている。美術館側と文化当局は被害品回収と再発防止策を最優先事項として対応すると表明している。一方、美術館に監視カメラなどが少なかったことなども明らかになっており、その監視体制や防犯体制の脆弱さが狙われたのではないかといわれている。
<参考記事>
ルーブル美術館に強盗4人組 犯行7分、宝飾品8点奪い逃走 仏
10/19(日) 時事通信
https://news.yahoo.co.jp/articles/4731486795f043f580f32a5377e485d48ef8a169
<以上参考記事>
このような国際的な美術品のコレクターなどのシンジケートなどが噂された事件としては以下のようなものがある。
・ 1911年モナ・リザ盗難事件は美術品窃盗の象徴的事件となり、文化的関心と保全体制の見直しを促した歴史的事例である。
・ 1990年のイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館盗難は未解決のまま世界最大級の美術品捜索事件となり、数多くの名画が現在も行方不明であることが問題になった。
・ 近年は大規模宝飾や美術品の窃盗が増加し、空港や国際港を経由した国外移送、闇市場での部分売却・再加工による現金化が複数報告されている。
盗品は複数の段階を経て国境を越える商品となる。まず現場から持ち出された直後に中間業者や密売人に渡され、その後、個別に分解や再加工を施されることが多い。宝飾品であれば宝石を裸石化して別々に売却し、細工品は解体して素材として移動させることで識別を困難にする手口が報告されている。こうした分断・再加工は、真正性や来歴(プロヴェナンス)を消す目的で常習的に用いられる。
盗品は公式なオークションや正規ディーラーを通さず、地下市場、ダークネット、仲介業者のネットワーク、閑散とした二次市場を経由して販売される。売却の過程では偽の来歴書類や保険書類を偽造し、正規市場での「洗浄(ロンダリング)」を試みる。宝石類は量やサイズを調整して多数に分散販売されることで同額換算に至らない場合があるが、こうした分散販売と再加工で最終的な収益化を図る事例が指摘されている。
高額で希少な美術品や宝飾を好む買い手は、伝統的にはジュネーブ、ロンドン、ドバイ、香港といった国際的なアートマーケットのハブ、あるいは個別の高級オークションハウスやプライベートセールの場に存在する。だが非公開の取引や招待制のサロン、プライベートコレクション間のネットワーク、時には仲介者を介した秘密の取引場が盗品の最終需要先として役割を果たしてきたという指摘がある。
近年の大規模美術品窃盗は計画性と専門性を帯びた組織的犯行と評価されることが多い。犯行チームには侵入・搬出担当、解体・加工担当、文書偽造や仲介担当、逃走手配を担う複数の役割が存在する。迅速な侵入・退去、監視映像や痕跡の撹乱、逃走ルートの分散化、国外移送の段取りまでが一連の計画に組み込まれる事例が報告されている。
逆にこのようなこんな案があってもコレクターというものは取りたいという事であろう。そしてそれらが犯罪に結びついたり、場合によっては第二次ダイセンにヒトラーの様に戦争に結びついたりする。ある意味で文化財ではなく「独占したい」という人間の欲望は非常に大きなものということになるのではないだろうか。
事件は文化財保護、国際協力、マーケットの透明性、オークションやディーラーのデューデリジェンス強化の必要性を再燃させる。対策としては国際的な通報・追跡体制の強化、盗品のデータベース共有、鑑定と来歴確認の徹底、正規市場における買い手側の慎重な検証、そして現場の物理的・電子的セキュリティ強化が繰り返し提言されている。
さて、日本はある程度文化財の保護は一般にはできているとされているが、しかし、対馬の仏像が韓国人に盗まれてしまったり、または最近のオーバーツーリズムで盗まれはしないものの、落書きなどが行われることがある。文化財を大事にするというような最低限のモラルも守れない人々にどのようにするのか。そのことはしっかりと考えてい対策を取らなければならないのではないか。
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