小説 No Exist Man 2 (影の存在) 第三章 動乱 27

小説 No Exist Man 2 (影の存在)

第三章 動乱 27

「実は、この辺は、昔日本軍が石炭を掘っていたんです。そのトンネルの跡を、私たちの同志が手で掘って広げたんですよ」

 葛城も藤田も、まさかここをすべて手で掘ったとは思っていなかったが、日本が石炭を掘っていたということで、納得できた。

「さて、では共産党を滅ぼしに行きましょう」

 愛新覚羅は、異んっこりと笑って、タブレットをオンにした。手掘りのトンネルで、最新再起のタブレットということは、なかなかギャップがあって面白い。しかし、そのタブレットはいくつかに分割していて、様々な人々の顔が出てきた。

「今こそ、共産党を滅ぼすときが来た。同志諸君・・・・・」

 愛新覚羅傅青は、演説を始めたのである。。

「核ミサイルの準備を」

 瀋陽に着いた周毅頼は、一緒に来た徐平に命じた。

「核ミサイルですか」

「たくさんあるんだ。少しくらい使ってもよいだろう」

 周は、すぐに北部戦区の谷一波将軍を呼んだ。

「周同志、お呼びでしょうか。」

「周同志は核ミサイルの使用を命じておられます」

 徐平常務委員は、やはり官僚らしい言葉で、無感情、無表情で話をした。

「核を使うのですか」

「そのように命じておられます」

 徐平は、意外そうな谷将軍に対して、やはり無表情で繰り返した。

「常務委員会と軍事委員会の手続きはよろしいのでしょうか。」

「現在北京も混乱している状態において、常務委員はここに二人しかいない。」

「まだ南部戦区では王瑞環同志と胡英華同志が戦っていらっしゃいますが」

「構わん。私の命令だ」」

 周は大声を出した。

「かしこまりました。それで標的は」

「日本」

「厦門や西部戦区ではなく」

「もちろん厦門と成都、北京、大原等も核で攻撃する。そのうえで日本だ。今回の混乱はすべて日本人どもが中国に来てから来ている。」

 周毅頼は、机をたたいて大声を出した。さすがに迫力がある。谷一波は、その場で頭を下げるしかなかった。

「日本の標的は」

「東京・大阪・横須賀・熊本・沖縄・佐世保。ミサイルは3発ずつ。

「かしこまりました。後ほど発射コードと発射ボタンをよろしくお願いいたします。」

「どれくらいでできる。」

「本数がおいいので1時間くらい」

「わかった。その間にここにも反乱軍が来る可能性があるから、防御を固めるように。」

 谷一波は、頭を下げると、すぐに部屋を退去した。ミサイルの標的の設定が必要であるGPSで標的を確認しそこにミサイルを撃ち込まならないのであるから、当然に多少でもずれては意味がない。当然に、東京大阪は別にして、残りは自衛隊の軍の基地を狙わなければならないのである。

 それだけではなく、厦門など国内にも核ミサイルを撃たなければならない。谷一波からすれば、自国民に核ミサイルを撃ち込むなど正気の沙汰ではないのであるが、それが命令である。自分の中で命令であると納得するしかない。

「寿春のミサイル基地に緊急。ミサイルの発射準備を。」

「殿下」

 東京、東銀座の事務所である。今田陽子が嵯峨朝彦のところに緊急と言ってやってきた。

「なんだ。」

「中国が核ミサイルの使用兆候が見られます。」

「東京にも来るか」

「東京の中国人どもが急に逃げております。奉天苑の陳文敏も」

「逃げたか。本物だな」

「陛下に避難をおすすめください。」

 横にいる青田はすぐにハッキングを始めた。このような時は中国の軍のハッキングなどをしても意味がない。多分ネットワークから外されているのであろう。しかし、GPSの衛星電波はすぐに見ることができる。これだけは衛星の回線を使わなければならない。そこで、その衛星の海戦をハッキング下のである。

 すでに中国の内容は見えていた。上海からの連絡もあるが、ニュースなどでかなり大きく報道されており、日本にいながら中国の内部の大混乱は手に取るように見えていた。その中で核ミサイルが使われることなどは、予想の範囲である。阿川首相はすでにイージス艦のすべてを日本海に移し、ミサイル防衛を行っていた。

「殿下、標的は東京・大阪・横須賀・熊本・沖縄・佐世保のようです。」

「わかった。すぐに陛下にお伝えして非難をお願いしよう。」

 嵯峨はすぐに皇居に向かった。

「飯島大臣、中国と連絡はとれたのですか」

 今川秘書官は日本が核ミサイルの標的になっている状態で、外務省が何のてえも打っていないことにいら立ちを示した。

「そんなことを言っても北京が混乱しているんだ。北京の一部は病原菌に侵されており、また他の一部は反乱軍が占領しているわけだから、大使かもどこと・・・」

「言い訳はいいんですよ大臣。あれだけ中国はしっかりと居s多パイプがあるから大丈夫と言っていたのですから、このような金kにゅず事態にパイプが使え位名うようでは意味がないではないですか。」

「それは中国にいる日本人が・・・」

「そんな話ですか。あの自慢げに言っていたパイプとやらはどうなっているんですか。」

「いい加減にしろ」

 飯島が逆に怒鳴り声をあげた。

「しょせん中国人だろう。」

「飯島大臣、今のやり取りはすべて公開させていただきますよ」

「おまえ・・・・・・。」

 飯島が、今川胸ぐらをつかんだとき、阿川首相と北野滋国家安全保障会議議長が入ってきた。

「飯島さん、先輩として尊敬してきましたが、残念ですね。」

 阿川首相は、笑いながら言った。阿川派表情を柔らかくしているように見せたが、飯島には嘲笑っているようにしか見えなかった。

「さて、まずは防衛をしっかりとしましょう。とくに東京には絶対に落とさないようにしないといけません。今田君には、とりあえず皇居に避難をお願いしに行ってもらいました。」

「しかし、東京に避難警報を出すのは、パニックが起きてかなり問題が出てきます。街中が混乱しますし、それだけのシェルターもありません。」

 北野は、冷静に言葉を選んだ。

「まず、ミサイルはいつ飛んでくるかということです。」」

 阿川は冷静であった。

宇田川源流

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