「宇田川源流」【大河ドラマ 2027年逆族の幕臣】 2027年の大河ドラマが決まる
「宇田川源流」【大河ドラマ 2027年逆族の幕臣】 2027年の大河ドラマが決まる
毎週水曜日は、大河ドラマ「べらぼう」について書いているのであるが、今回はちょっと趣向を変えて2027年の大河ドラマが決まったのでそちらを見てみたい。
ということで、普段は「べらぼうの時代」の人や文化を前半に検証しているのだが、今回は前半に今回のべらぼうに関してみてみよう。
今回の「べらぼう」は、吉原に人を呼ぶために浄瑠璃の太夫と役者を呼ぶという話である。そもそも「役者は吉原に入ってはいけない」という話がある。ドラマの中では役者は「みんなが憧れてしまいっ働かなくなるから役者は吉原に入ってはいけない」というように言っていたが、歴史的には、役者は当初は出雲阿国の様に住所不定・所属不明の人々であり、まだ戦国時代の雰囲気が残っている中では「スパイ」である可能性もあったので、刀などを持ち込むこともできず、無防備で情報が漏れてしまう吉原にスパイを入れることを許さないということが言われていたのである。また「吉原」が女性を買う場所というようにしたので、芝居役者などは女性が売春目的にならないように、芝居に女性を絶たせることができなくなった。当時は「野郎歌舞伎」などといわれていたが、実際に、「女性は吉原・芝居は男性」というような色分けができてきていたのである。
そのような状況で、吉原と芝居がうまくいかなかったのであるが、その芝居の元締めが当道座という検校(当時の目の不自由な人)の集団であった。
そのことから蔦屋重三郎(横浜流星さん)は鳥山検校(市原隼人さん)のもとを訪れ瀬川(小芝風花さん)と再開し、そして最終的には、役者を呼ぶことに成功するというような形である。
今回見ていて面白かったのは、日光社参を見て「祭り(俄)」を思いつき、またかをり(稲垣来泉さん:後に誰袖という花魁になり吉原立て直しの主軸となる)が芝居に連れて行ってということで、女郎を外に連れ出して役者に合わせるところであろう。現在の人々に「一つの壁があっても何とか工夫して乗り越える」という強いメッセージを感じた。いや、昔の人もそのようにしていくつもの壁を乗り越えて物事を成功させてきているのであり、何もかもうまくゆくようなことはない。そのことをドラマの中でうまく表現してくれているのは、ある意味でありがたいのではないか。
またそれにこたえる形で、快く吉原入りを、過去の因縁を超えて承諾した人気太夫・富本豊志太夫(午之助:寛一郎さん)と歌舞伎役者の市川門之助(濱尾ノリタカさん)のコンビも非常に良い味を出している。鱗形屋(片岡愛之助さん)が直伝本を出す交渉をしているときに「あの男を助ける。それが男ってもんでしょう」という言葉は、やはり何かスカッとする善さを感じるものである。現代では無いのでこのようなセリフがあっても「ジェンダーがどうこう」というような話ではないが、やはり私のような男性からすると「これが男ってもんでしょう」という台詞は、何か心を打つものがあったのは間違いがない。
<参考記事>
27年大河ドラマ『逆賊の幕臣』主演は松坂桃李【過去10年のタイトル&主演掲載】
3/3(月) 13:02配信オリコン
https://news.yahoo.co.jp/articles/e13e694f9eb4ec2181a11c89bc197c7788453337
<以上参考記事>
さて、昨年の大河ドラマは「光る君へ」で平安時代、そして今年は「べらぼう」で江戸時代も寛政改革の前の田沼時代が舞台になっている。ある意味で「あまり戦いを書かない大河ドラマ」というよりは「大規模な合戦のない時代」の大河ドラマが続いてきた。昔はとにかく、最近では「いだてん」(2019年)くらいであろうか。そのような中でこれらの合戦のない大河ドラマは、非常によくできているという気がする。歴史的な内容をあまり変えることなくまた、様々な記録をしっかりと検証し、様々な学説なども見ながら、それらを組み合わせてしっかりとしたストーリーが組みあがっている。
あくまでも大河ドラマは、「ドラマ」出会って「歴史の具現化」ではない。その様に考えれば、学説などを様々に組み合わせながら、その主人公のキャラクターや周辺の人々のキャラクター環境などを合わせて最も「現代の人々が納得しやすい行動をとらせること」ということがドラマを構成することになる。そしてそのドラマ構成が、「様々な伏線」をうんだり、またはドラマのあらたな展開を生んでゆくということに、見ている側は面白さを感じるのではないか。
ある意味で「歴史を使った現代の人々へのメッセージ」というような部分が大河ドラマにはある。その人の生き方や生き様、考え方などから、今の世の中に最も必要なことを見せてくれている。それがドラマなのではないか。それだけに同じ内容や同じ時代を扱っても、または合戦などがなくても、十分に楽しめる大河ドラマができるのではないか。
さて、そのような意味で2027年は幕末である。
小栗上野介忠順、ある意味で幕末の天災であり、また、幕府初の遣米使節であり、西欧の文化をいち早く体感して西欧式の軍隊をフランスに基づいて策定し、薩長に負けない軍隊を作った人物である。徳川慶喜が新政府に対して恭順の意思を示しているにもかかわらず、小栗は徹底交戦を主張し、勝海舟とライバル関係になる。、慶応4年(1868年)に罷免されて領地である上野国群馬郡権田村(群馬県高崎市倉渕町権田)に隠遁。同年閏4月、薩長軍の追討令に対して武装解除に応じ、自身の養子をその証人として差し出したが逮捕され、翌日、斬首。逮捕の理由としては、大砲2門・小銃20挺の所持と農兵の訓練が理由であるとする説や、勘定奉行時代に徳川家の大金を隠蔽したという説(徳川埋蔵金説)などが挙げられるが、これらの説を裏付ける根拠は現在まで出てきていない。のちに、明治政府中心の歴史観が薄まると小栗の評価は見直され、大隈重信や東郷平八郎からは幕府側から近代化政策を行った人として評価されている。
この人物を連続テレビ小説「おかえりモネ」やフジテレビ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命」などの脚本を制作している安達奈緒子氏が担当し、主演を松阪桃李さんがつとめる。来年2026年が「豊臣兄弟」で戦国時代なり、そして、今回は幕末の物語になる。また大河ドラマに戦いが戻ってくるということになるのである。
幕末というのは、「二つの正義」が戦う物語である。その内容を人間の考え方や時代の変化について様々な人が様々な考え方を行うということになる。その内容をうまく表現してくれるのではないか。
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