「宇田川源流」【日本報道検証】 少しコンセプトがずれてきた「紅白歌合戦」
「宇田川源流」【日本報道検証】 少しコンセプトがずれてきた「紅白歌合戦」
毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたします。
さて、今回は「マスコミ」とか「報道」というよりは毎年恒例の「紅白歌合戦」についてちょっと感じたことを書いてみましょう。
<参考記事>
【紅白歌合戦】「紅、白とかじゃなくB’z優勝」「最高過ぎ」X大反省会モードも絶賛の声やまず
2024年12月31日 23時54分 日刊スポーツ
https://news.livedoor.com/article/detail/27870392/
<以上参考記事>
さて、そもそも紅白歌合戦とは、もともとはNHKのラジオ放送の正月の特番で行っていた「男女太閤型の歌合戦」であり、1951年に始まった番組である。1953年からテレビ(ラジオも同時放送)となり12月31日の夜の番組で「一年を締めくくる」という形に変わっている。
基本的には「その年に流行した歌、またはその年を象徴する歌をうたうことによって一年を振り返り、その時代を感じる」ということが基本的なコンセプトであったが、いつの日からか、そのコンセプトがなくなってきてしまっているのが非常に残念である。「歌は世につれ、世は歌につれ」ということが言われるが、残念ながらそのような「世相」と「その時代を象徴する歌」がリンクしない世の中になってしまっており、同時にその内容がこの紅白歌合戦の中にも反映されているというような形になってしまっているのではないか。最近その様に感じているのである。
私の個人的な感想なのかもしれないが、「歌が消耗品化」してしまっているような気がしてならない。これは一つにはコンピューターでサンプリングすることによって、歌が簡単に作れてしまっているということがある。これは「多くの人が専門の知識(楽典など)を学ぶこともなくまた楽器などを練習することなく、音楽を作る側として触れることができる」ということであり、そのことは多くの人が「自分の思いを歌にする喜び」ができるようになることが良い。しかし、一方で、これは老人になる人の感覚と似ているのかもしれないが、昔ながらの「しっかりと組み立てられた歌」や「後の世に残る歌」が少なくなったような気がしてならない。一つの歌を大事にするということではなくなってしまったような気がしてならないのであるが、いかがであろうか。もちろん「そのような時代」といわれてしまえばそのとおりであるが、なんとなく残念な感じがしないでもない。
2024年を代表する歌といわれれば、レコード大賞を取ったMrs.Greenappleのライラックなのか、世界でも流行し、最も売れた一曲であるCreepy NutsのBling-Bang-Bang-Bornなのか、といわれてしまうとなんとなくわからなくなってきてしまうし、また、韓国のグループの曲という人もいる。こんなところが「多様性」になってしまっているという皮肉があるような気がする。そしてその韓国のグループの曲に関しては、歌手の星野源さんが「あの曲の何が良いのかよくわからない」とラジオで語っていたように、私からするとその区別もつかないし、「歌」ではなく「踊り」を見ているような感じになっている。NHKも「歌唱」という言葉ではなく「パフォーマンス」という言葉を使っている所がある。
そもそも「日本の公共放送の年末の歌合戦で韓国のグループが多数出てきて裸に近い感覚で踊っている」というのはいかがなものであろうか。今回その韓国の歌唱を「よくわからない」と評した星野源さんが、クレームが多くて歌唱曲を数日前に変更するということがあり、その歌唱姿を見て多くの視聴者が「星野源さんに同情する」ということがあった。NHKの配慮不足があったと思うが、多分星野源さんの歌に対するクレームよりも韓国のグループが多いということのクレームの方が多かったと思うのであるが、いかがなものであろうか。NHKは正直にどの様なクレームがどれくらい来ているのかということをしっかりと公表してみてはいかがだろうか。星野源さんが歌唱曲を変更しなければならない状態なのか、または、韓国グループが多いということの方が多いのか、その辺もしっかりとNHKとしては見てゆくべきであろう。
さて、本題に戻れば、「2024年の曲」は何であったのか。もちろん2024年に発売されたということでなくてもよい。しかし、2024年の世相を反映している曲は何であったのか、紅白歌合戦では全くわからないというのは困ったものではないか。南こうせつさんやイルカさん、高橋真梨子さんの曲は、2024年にやるべき曲であったのか。それならば、昼間に長期間紅白歌合戦の特別番組を行っているのであるから、その時間に「懐メロ」をやったほうが良いのではないか。思い出の曲、日本の曲は、早めに行うということを検討してもよいのではないか。
そのような中でB'zのパフォーマンスが非常に話題を呼んだ。本当に素晴らしいものである。NHKの朝のドラマの主題歌をうたっているので2024年の曲(流行したかどうかは別にして、NHKとして今年の曲なのでしょう)があり、米津玄師さんの曲と双璧をなしていると思う。そしてそのついでに過去の曲ではあるが「LOVE PHANTOM」「ultra soul」で盛り上がったのは、会場としてよかった。ここが一番盛り上がったのではないか。
藤井風さんのニューヨークからの映像も非常に美しかった。多分あの一角をすべて借り切って、そのうえエキストラを入れての演奏であったと思うが、その中での素晴らしい歌唱は非常に素晴らしかったのではないか。少なくとも「映像」として、非常に素晴らしいところではなかったか。
はっきり言ってしまって、このように素晴らしいと思う「白組」に対して、韓国グループばかりの「紅組」は、見劣りした。「赤組・白組の男女対抗」という事よりも、韓国グループの下着のような肌を見せる衣装で踊っているということを年末に魅せられる方が、ジェンダーやセクハラ的な問題があるのではないか。NHKはそのようなことも配慮すべきであろう。
実際には、「紅白歌合戦は年末の風物詩」であり、また民放放送局も見るものがない。昔は正月はかくし芸大会と箱根駅伝がありと、「風物詩的なテレビ番組」があり、季節感があったが、なんだかわからない番組ばかりになってしまい、「テレビメディアの衰退」を感じる。実際に若者は動画配信を見て年を越す人が少なくなくなっているのではないか。このようなところにも「オールドメディアの敗北」があったのではないか。もう一度「一部の批判があっても面白い番組を作る」ということが無ければ、オールドメディアはいらないものになってしまうのかもしれない。
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