「宇田川源流」【現代陰謀説】 モスクワの中心部でロシア軍中将の暗殺はロシア内戦の序章になるのか

「宇田川源流」【現代陰謀説】 モスクワの中心部でロシア軍中将の暗殺はロシア内戦の序章になるのか


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。実際に現在起きている陰謀をここで見てゆくという話であり、それも日本の中における記事を中心にして、基本的には特殊な情報源をなるべく少なくして、その陰謀の内容を見てゆこうという企画である。もちろん、マスコミはそのようなことをわかっていてっもそれを隠して書くわけであるし、また、わかって家も書かないことも少なくない。日本のマスコミの一部には基本的に情報をしっかりとすべて出しているのではなく、ある意味で野党や中国や韓国に寄せた「ポジショントーク」や「機関紙的な報道」しかしていないというような部分もあるので、そのようなものからしっかりとファクトを抽出して、書かれた日本語に惑わされることなく、しっかりとした意味を見ながらちゃんと行うべきであろう。

 そのうえで、先週と紺種は「暗殺」ということになってしまった。さて、「暗殺」というのは、ある意味で最終の手段である。というのは「一人を殺してもあまり意味がない」ということが最大の理由である。実は組織というのは、一人を殺してもそのカリスマ性で方向性が決まっていない限り、その方向性は全く変わらないわけであり、例えば、ISにおいてバグダディを殺しても。ISのテロがなくなるわけではないということになる。そのうえ、その一人を殺して、より強力な指導者が生まれてしまうと、外部の人間はより一層不利になる。このように考えると、今回のワグネルの場合「ワグネルという組織の幹部をすべて殺さなければならない」ということになる。

 日本での歴史上の暗殺で参考になるのは本能寺の変であろう。明智光秀は織田信長を本能寺で殺したが、その幹部をすべて殺すには至らなかった。そのことから、15日後に秀吉に山崎の合戦で敗れてしまう。うまく信長とその後継者の信忠を殺したまではよいのであるが、それ以外の幹部に逆にやられてしまうばかりか、「かたき討ちをした」ということで秀吉がカリスマ性を持つことになるのである。もちろんその展開から、「秀吉黒幕説」が出てくることになる。

<参考記事>

ロシア軍中将の暗殺、モスクワの平穏を破る 特派員現地報告

12/18(水)BBC News

https://news.yahoo.co.jp/articles/731168c4b9ff4d483618d355b7a76d3b65bf2a33

<以上参考記事>

 今回の暗殺は、ロシアが他の国や裏切り者を暗殺したのではなく、ウクライナがモスクワにスパイ(特殊攻撃といっているようである)を放ち、ロシアの中将とその従者を暗殺した。

イーゴリ・キリロフ中将と、その補佐官のイリヤ・ポリカルポフ氏は、自宅を出るところで電動キックボードに仕掛けられた爆弾で殺害された。

クレムリンは、ドローン以外はモスクワは安全であると考えていたようだ。その「安全神話」が崩れたことでクレムリンは慌てている。

 このような時にクレムリンが行うことは、まずはプーチンの命を守る行動に出る。モスクワはそのようにクレムリン・いやプーチンを守るように動く。逆に言えば、軍の設備などは警備が弱くなり、最も警備が多い場所がプーチンのいる場所になる。我々テロをしたことがある人んは心得があるが、宇田川はそのようなことは知らないだろうから教えてやるが、人間は、危機が発生した時、そしてその危機がまだ避けて自分が生き残ることができる場合は、まずは自分の命を、そして身近な人の命を守る。その次は大事なものを守る。つまり、人は無意識に大事なもの、そして隠しているところに行く。何かを隠していて、その隠したものを探す場合は、「火事だ」とか「ミサイルが飛んでくる」というように情報を流した後「逃げろ」と大きな言葉を大きな声で叫べば、大概の人は自分が大事にしているものを持って逃げる。大概の場合、それが機密情報であったり、宝であったりする。その宝を持って逃げるところを襲えば、宝や情報は簡単に手に入る。

 今、モスクワというかクレムリンはそのような状態にある。つまり、今まで安全であるという神話を信じていただけに、モスクワの市内でキリロフ中将が暗殺されたということは、自分で作り自分で勝手に作った「安全神話」が壊れたことによって、「火事だ」といわれたのと同じような状況になっている。そのうえで自分で勝手に「逃げなければならない」という強迫観念にとらわれている。しばらくの間、それが数日間かもしれないし、数か月に及ぶかもしれないが、その間は、ロシアにとって最も大事なものを守り 逃げるということになる。ウクライナからしても間は反プーチンのロシア内の勢力にしても、標的がどこにいてどのように移動しているのかということが可視化されるということになる。

 プーチンとクレムリンは最も危険な状態に入り込んだということになる。危険であるということがわかれば、また元に戻して消えるようになる。しかし、逃げればまたテロが起きる。ウクライナは、モスクワ市内でテロを続けることによって、モスクワの市内が恐慌状態になる。逃げれば恐慌状態が作り出されて徐々にモスクワの市民の心理が悪化する。一定以上の悪化がある場合は、今度はロシア国内で反乱やクーデターが起きることになる。要するに、片方ではロシア国内のプーチンや軍の首脳ということが狙われるということになるが、一方で、狙割れないように逃げるということになれば、テロが起きるということになり、そして、ロシア国内の人々の政府への信用が失われ、反乱の芽が出るということになる。プーチンを守るか、反乱になるかということになる。

 その両方を避けるために、秘密警察的なことを行うであろう。ある意味でナチスドイツの支配と同じようになってくる。もちろん名目はウクライナのテロリストいや「ネオナチのスパイ」を捕まえるためというようにすることになるが、多分反プーチン派や中央アジアからくるイスラム組織なども弾圧することになる。

今回の暗殺が、このような事情からロシア国内の反乱や内戦を誘発する可能性がある。それを見極めなければならない事態になったようだ。

宇田川源流

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