「宇田川源流」【日本報道検証】 ロシアの弱体化を示すアサド政権の斜陽
「宇田川源流」【日本報道検証】 ロシアの弱体化を示すアサド政権の斜陽
毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたします。
さて今回は、シリアのニュースについてである。シリア内戦に関しては、かなり前にアサド政権が反政府軍を一掃したというように思われ、それ以降アサド政権の独裁が成立していたのではないかというような気がしていた。私自身も聞かなくなったと思っていたが、しかし、その後もシリアからのヨーロッパに向けた難民は全く減る様子がなかったので、シリアには何かがまだあったというような気がしていた。しかし、そのことが報道されることはないということになる。
実際に日本の報道機関は、「危険なところにはいかない」「危機の真っただ中で取材する能力がない」というようなことを言われている。日本の戦争報道などは、基本的には「戦場カメラマン」が活躍している。そのフリーの戦場カメラマンの写真などを日本の報道局は買って、専門家と名乗る人々が其れらしい解説をして報道をしている。しかし、その解説が的を得ていない場合が少なくないために、日本の報道は全く何を報道しているのかわからないというような感じになってしまっているのである。
これは「社員の保護が手厚すぎる」ということから、危険地帯に行けば、それほど危険ではなくても保険が必要でありなおかつ危険手当が出てくる。そのうえ、日本は軍隊がないのでそのような場合に事故があっても日本人が助けに行くことができず、そのことから報道も最も最前線に行くことができないのである。フリーの人々が頑張る以外に日本の人々は戦場の真実を知ることができないということになるのである。
そのようなことから、日本では、ちょうど重なってコロナウイルス禍の時に、シリアがどのようになっていたのかそして、ロシアのウクライナ侵攻が始まって、シリアはどのように変わったのか。まったく知ることができないのである。
そのような状態だから、突然子のような、「シリアの反政府軍が」という主語でニュースが出てきても全くわからない人が多いのではないか。
<参考記事>
“アサド政権陥落も現実味” 反体制派勢力がシリア中部の要衝ハマ制圧 死者は727人に
2024年12月6日 7時49分 テレ朝news
https://news.livedoor.com/article/detail/27705063/
<以上参考記事>
さて、アサド政権の軍隊はそのほとんどがロシアからの支援を受けていた。ロシアの将軍の多くは、このシリアで「実戦経験」を積んでいたということになる。同時に、そのロシア軍の補給などはその多くがワグネルが行っていた。日本人の多くは報道の中で、なぜワグネルがロシアの軍隊の中で様々な便宜を図ってもらえるのか全く見えていなかったのではないか。最前線に、ワグネルの旗を持った人が来れば、本来ならば敵か味方かわからないで、そのまま味方同士での戦いになってしまう可能性があるはずである。実際に皆さんが会社の最前線で、契約交渉をしているときに、どこに所属している人かわからない人がくれば、少なくとも警戒はするのではないか。ましてやワグネルが昨年の6月に反乱を起こした時に、将軍たちや軍人たちがワグネルに同調する動きを見せたが、その様になることも違和感がなかったのであろうか。
日本人の多くは軍隊に関しての知識がないので、「そんなものか」と思ってしまうかもしれないが敵が来れば自分が殺されてしまうかもしれない状態であるにもかかわらず、ワグネルは別格に扱われていた。これは、シリアの戦線において、ワグネルは補給などを行い場合によってh亜共同で戦っていたことなど、「戦友」としてしっかりと記憶に残っていたということになるのではないか。
実際に、アフガニスタンの村などで話を聞く。アフガニスタンの人々は何故タリバンに同調するのかということがある。「自分たちが困っているとき、子供が病気になって薬がないと死んでしまうとか、村全体が飢餓に瀕しているというようなときに、タリバンの人々が、苦労して薬や服や食料を持ってきてくれる。そのような状態を見れば『神の使い』と思うし、彼らは命の恩人なのだから何とか味方になろうと思う」というようなことを言っている人が少なくない。まさにロシア軍とワグネルはそのような関係で、究極の時にワグネルが補給をしてくれることで生き残った軍人が多いということン位なるのである。
さて、そのワグネルはすでになく、プリゴジンがシリアを支援することはない。プリゴジンのようなカリスマがいなければ、シリアでの活躍はないし、当然にウクライナ戦線で困っているロシアは、シリアを支援する余裕などはない。シリアは、ロシアからの支援も援軍も、そしてワグネルもなくなった状態になったということになる。
このような状態で有れば、反政府軍という化「反アサド軍」は力を吹き返す。というよりは、アサド軍が弱体化したことは肌で感じるであろう。そのうえ、ヒズボラなども弱体化していることを、ニュースなどで見ることになれbあ「自分も戦える」というように思うことは普通なのであろう。
そのような意味で、反アサド軍という反政府軍がシリア国に出息を吹き返し、戦っている。このワグネルやロシアの同盟軍のことがわかっていなければ、唐突にシリアの話などをされても困るであろう。当然にこのニュースに関して、ワグネルなどを含めてしっかりと解説ができていたマスコミは一社もない。ワグネルの観点からすれば、ロシアの場合プーチンが自ら、自分たちの軍隊の「補給や汚れ仕事をする集団を切り捨ててしまった」ということであり、エリート軍人ではできない様々な仕事はたくさんあるのだ。例えば、駐屯地の排せつ物などは、全て重油で燃やした後で穴を掘って埋める。排泄物の量で軍隊の規模がわかってしまうし、その状態で相手の健康状態もわかってしまう。それを避けるためにというか敵に情報を与えないために痕跡を消す仕事があるが、エリー語の軍はそのようなことはしない。
ヨーロッパの社会で、ジプシーは嫌われているものの、ジプシーがいなければ生活が成立しない。まさに、そのような汚れ仕事をできる集団がいなければ、政情の活動も成立しない。アサド軍はそのような集団も手配できなくなってしまったので、戦いが成立しないのである。まさに、そのような軍隊のことが見えていなければ、解説ができないことが少なくないのではないか。
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