「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 三条天皇と道長の対立をうまく書いた面白さ
「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 三条天皇と道長の対立をうまく書いた面白さ
毎週水曜日は大河ドラマ「光る君へ」に関して、様々な内容を、私個人の感想として書いている。ある意味で、歴史をこのように現代風にアレンジして、見やすくまた面白くしてくれているの、私の文章そのものも書きやすい。特に今回の大河ドラマは、「紫式部と藤原道長」という二人の生涯の「実話」と、その紫式部が書いた「源氏物語」というフィクションの物語をなぞりながら、現代を風刺しているということが非常に面白いのである。
さて、今回は物語を見る前に、一つ記事を紹介しよう。先日の記事であるが、藤原兼家、忘れた人のために書いておくと道長の父であるが、その役を演じた段田安則さん。この度紫綬褒章を受章した。さて、藤原兼家といえば、花山天皇を無理矢理出家させて、自分の血縁につながる一条天皇を即位させ、権勢をほしいままにしたという人物であり、そののちの藤原道長頼道の摂関政治の基礎を作った人物だ。しかし、そのことは、進化である藤原氏が、天皇家を無理矢理出家させたり、天皇家に介入して好き放題していたという印象が強い。特に、兼家の場合は陰陽師に様々なことを祈祷させたり、暗殺したりと、特に悪く描かれ、物語の中では道長が後に善政をするきっかけとなっている。
ところで紫綬褒章の受賞は天皇陛下から行われる。段田さんは陛下が『光る君へ』をご覧になっていると聞き、思わず『ご先祖様に悪いことをしてしまいすみません』と謝罪したそうです。陛下はにこやかに微笑まれていたといいます。
なんとも面白い話である。もちろん、このようなことという化、テレビドラマの演出で天皇陛下が怒るはずもなく、その演技を含めての紫綬褒章であろう。しかし、このようなことが伝わること自体、非常に面白いことではないか。今回のドラマは、戦国大名や庶民ではなく、天皇家を中心にした人間模様を描いている。一つで政治権力ということであり、もう一つで治世、つまり庶民を相手にするということにつながる。その内容をうまくバランスをとることになり、その為に様々なことをおこなう。現在であれば選挙などで決まるのであろうが、当時は血筋で決まってゆく。そのことがこのような現代の会話につながり、「ドラマが現代に影響する」ということになるのではないか。
<参考記事>
段田安則『光る君へ』打ち上げで明かした「天皇陛下への渾身ギャグ」
20241106 女性自身
https://news.yahoo.co.jp/articles/ac4e26d22325828b335bb585ba6709a3760dd825
<以上参考記事>
<参考記事>
『光る君へ』“倫子”黒木華、寂しいつぶやきから不敵な笑い ネット騒然「バレて、ない…?」「怖いよぉ」
11/11(月)クランクイン!
https://news.yahoo.co.jp/articles/71b383ba212a5e2d726c11881e6eea2a31ad52d3
<以上参考記事>
さて、今回の物語は三条天皇(木村達也さん)と藤原道長(柄本佑さん)の対立で、三条天皇が病を発する所である。この中で、道長は、以前父藤原兼家を忌み嫌い権謀術数で政治を動かす姿を嫌悪をしていた。その嫌い方はまひろ(吉高由里子さん)と駆け落ちしようかといっていたほどの嫌い方であったのだが、しかし、自分が左大臣になってみれば、周囲から、特に中宮彰子(見上愛さん)などは道長自身が父兼家と全く変わらない、権力の亡者になっているように見えるというようなっ状況になっているのである。ある意味で親子ということは変わらないし、また政治の世界は、廻りから批判されても、その立場に立って、その立場から見える風景を見たら、同じような行動をとってしまうということになるという、痛烈な皮肉である。現在の石破首相が見たら、どの様に思うのであろうか。そのようなことに気づいてもらいたいし、現在政治を批判している人も、まさにこのドラマをよく見るべきではないか。
そのことを最も身近で見ているのは、妻の源倫子(黒木華さん)であり、その妻は、息子頼道が子供がないことに関して、苦慮している道長もまた好きな女性と二人でいたいという頼道の言葉も両方をわかるということになっている。
まさに、この源倫子のようなできた妻がいることが、男性が社会で自由に活動し、活躍する条件なのではないかと、男性である私は勝手に考えてしまう。この妻の言葉の中にある「私でも明子様でもない本当に好きな女性」がまひろであり、そのまひろの書いた源氏物語によって、道長の現在の地位が作られている。そのことまで含めて源倫子はすべてわかっているという感覚が、なかなか面白い。そしてわかった上で一時の嫉妬で物事を判断しないということが、道長を成長させたということではないか。特にそのセリフを言った後の「フフフ」という倫子の笑いは、ある意味でお釈迦様の手の中で遊ばれている孫悟空のような感覚を持ってしまうのである。その「女性の方が社会的に活躍している男性よりも、はるかに上を言っている」というような感覚も、現在の社会の風刺になっていることに、我々はドラマを見て気づかなければならないのではないか。
さて、今回は、藤原隆家(竜星涼さん)が、目の病から大宰府に行くということを決めた。ここにも実資(秋山竜二さん)との関係などがあり、その人事で様々にもめているということになる。そしてその藤原実資との関係が、そのまま、三条天皇との正装につながってくるということになる。
一方で、この後に刀伊の入寇があるということになるのだが、そのことはまた別であろう。その内容も、多分現代の風刺や教訓が込められるのではないか。ある意味で、今回の様に「様々な風刺」や「現代への教訓」が書かれているのは、非常に面白い。
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