「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 まひろ出仕で着かず離れずの二人の関係

「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 まひろ出仕で着かず離れずの二人の関係


 毎週水曜日は、大河ドラマ「光る君へ」について、もしも自分が書くとすればというような感覚で見ている私が、なんとなく好き勝手に書いている。当然に今回の制作陣とは何の関係もないので、その点は本当に私の身勝手な意見でしかない。しっかりとしてみていれば、今回の内容は伏線も非常に面白いし、人間関係がうまく書かれていてわかりやすい。同時に「表面だけ見ている人」と「深く伏線を意識してみている人」その、双方が楽しめるように作られていることが、なかなか興味深い。「ああ、このように書けば、歴史を知らない人も楽しめるし、知っている人も陳腐な思いをしないで見ることができるのか」というような感心する場面も少なくないところが素晴らしい。

何しろ「幼馴染」でなおかつ「お互いに好きである」という藤原道長(柄本佑さん)とまひろ(吉高由里子さん)の二人の関係が、「二人の思い」とともに変化しているということが、非常に面白い。当時、平均寿命から考えれば、すでに「立派な大人」どころか、すでに「人口構成の上の方の年齢」であり、会社でいえば管理職に近い人々が、個人的な関係でいえば、幼いころの関係をうまくつなぎながら、人間関係をしている。

変な言い方をすれば、二人は、もともと幼馴染で、身体の関係もあり、そのうえ一度は二人で駆け落ちをしようとしていたような関係なのである。その関係が、お互いに別な人と結婚し、そして子供をもうけている。設定によれば、まひろの子供は藤原道長との間にできた子供であるが、それをまひろの元の家では、許してきていたということになる。

一方の藤原道長は、ずっとまひろのことを思い続けていながら、社会的な立場もあり、なおかつ、源倫子(黒木華さん)や源明子(瀧内公美さん)との関係を維持しながら、内裏の中の関係で様々な悩みを抱えているということになる。特にその悩みの最も大きなものは、一条天皇(塩野瑛久さん)に輿入れさせた藤原彰子(見上愛さん)の事である。家族が手を出せないことから、それを「面白い小説を書くまひろに依頼する」ということになっている。ちょっと省略したので、この文章だけではわからないかもしれないが、先週のところに詳しく書いているので、そちらを参照してほしい。

「光る君へ」吉高由里子「凄く近いのに凄く遠い関係に」まひろの出仕で新章「気持ちが爆発しないように…」

 俳優の吉高由里子(36)が、NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8:00)で主人公・まひろ(紫式部)を演じている。藤原道長(柄本佑)との切ないラブストーリーは多くの視聴者の心を揺さぶっている。吉高は惹かれ合いながらもすれ違う2人の関係について、「恋愛を超えている次元」と語った。

<※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演となる。

 まひろと道長は幼い頃に出会って以来、時に惹かれ合い、時に深い悲しみを共有し、2人だけの絆を育んできた。吉高は、本音を胸にとどめる性格のまひろの思いを視線や息遣いで表現した。第10話「月夜の陰謀」(3月10日放送)の月光の下で肌を重ね合う官能的なシーンは大きな話題となった。第27話「宿縁の命」(7月14日放送)で2人は再会。まひろは夫がいるにも関わらず、吸い寄せられるかのように道長と抱き合った。

 まひろが道長の子供を出産する衝撃の展開について吉高は、「人間ですからね。そういうこともあるんじゃないかな」とあっけらかんと笑った。「ルールは平和であるためだけど、自分の感性の豊かさを削っていくものなのかなと思ったりもする。感性がむき出しに先行していた時代でそれはそれで美しいんじゃないかなと思います」。理屈抜きにあふれ出る思いを丁寧に演じている。

 第32話「誰がために書く」(8月25日放送)でまひろは「源氏物語」を書くために宮中に出仕。2人の関係は新たなフェーズに突入した。

 吉高は「一緒にいたい2人が一緒にいられる空間になった。凄く近いのに凄く遠い関係にもなってしまった」と明かした。目の前に最愛の人がいるにも関わらず、感情を表に出すわけにはいかない。「ひかれ合っているのはずっと変わらない。道長を思っている気持ちが爆発しないように一生懸命自分で蓋をして、箱から距離を取っている気持ちがある」と語った。

 「恋愛を超えている次元。拠り所なんですかね。お互い光と影の存在みたいな感じ。まひろが影の部分の時は道長が光っていて、まひろが光る時は道長が影で支えてくれている」。

 まひろにとっての「光る君」は道長で、道長にとっての「光る君」はまひろ。決して結ばれることはないが、ソウルメイトとしてお互いを照らしている。「まひろは道長の存在が生きがいなんじゃないかなと思っています。どうなりたいとかじゃなくて、道長が生きていることが自分の生きる生きがい。この世にいる理由という感じがしました」と思いを込めた。

8/25(日)スポニチアネックス

https://news.yahoo.co.jp/articles/1c3658321e4d1a828c64ddbfcff42764b7548cab

 道長とまひろの話をする前に、その二人の関係を知る人が一人いる。いや「知る」のではなく「見えている」という法が正しいのかもしれない。それが安倍晴明(ユースケ・サンタマリアさん)である。安倍晴明は、藤原彰子の力になるためには「まひろ」が重要であるということを進言しており、そのまひろが今回内裏に入ったことを聞いて「これで万全である。藤原道長の家からは天皇も皇后も関白も出るであろう」と予言するのである。もちろん物語の中の話であり、また、歴史を知っている現代の人が物語を作っているので、当然にそのことを「陰陽師」が占ったかのように話をしているということになるのであるので、、物語としては不思議はないが、そこにも様々な紆余曲折が出てくることになるのである。

しかし、「幼馴染」から「愛し合う関係」になり、家の都合で一緒にはなれなかったけれども、陰になり日向になり、お互いが助け合うことによって、信頼関係ができ、その中には様々な紆余曲折がありながらも、お互いが遠くにいながらも相手の役に立つこと、相手にとって良いことを閑雅てえいるという関係ができている。その関係から、藤原道長と源倫子の子供の手助けをまひろが行うということになる。まさに、道長にしてみれば「最も信頼できる女性に、内裏の中に自分と自分の娘の事を依頼する」ということになるのである。

それも「和歌」「物語」という文学に関してであり、そしてそれを書くことが、まひろにとって最も得意分野であるということになる。当然に、まひろの娘である賢子の割るようにはしないという事でありまた、道長からすれば、源倫子との関係もうまくゆくようにするということが、最も重要な内容になっていたということではないか。

そのような「信頼し合っている」ということが、そのまま「顔の表情の演技」でお互いにできていると言ことが、最もわかりやすい。多分、「妻(家族)以上に安心できる相手」であるということなのであろう。それは、「家族は自分が責任をもって守らなければならない存在」であり、また、「出世のことなど、様々な意味で、妻は、最も身近にいる自分の仕事や出世争いの監視役」でもある。道長にとってそのようなこととは関係ない、ある意味で現在の「仮想世界にある、実社会にはない自分」のような関係のまひろが、最も自分がおちっつく場所であったに違いない。それは藤原伊周(三浦翔平さん)の「陰からの攻撃」があってなおさら感じるのではないか。

この「まひろと道長」の、信頼関係を軸に、その信頼関係を書く「源氏物語」がこれから執筆される。同時に、その物語の世界が、現実のまひろに起きるということなのであろう。

宇田川源流

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