「宇田川源流」【現代陰謀説】 アメリカで「借金踏み倒し」という「愛国無罪」を主張する中国人
「宇田川源流」【現代陰謀説】 アメリカで「借金踏み倒し」という「愛国無罪」を主張する中国人
毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。
現在生きている「様々な陰謀」を、日本で報道されているニュースから読み解き、その内容を分析してみながら、自分たちの手で陰謀を読み解くできるようにしようという試みである。実際に、ニュースから陰謀を読み解くなどと言うことができるはずがないのであるが、しかし、一方で、どの国の情報機関も「オシント」という情報分析機関がある。「オシント」OSINT(Open Source Intelligence)とは、一般に公開されている情報源からアクセス可能なデータを収集、分析、決定する諜報活動の一種である。米国国防総省(DoD)によって、「特定の情報要件に対処する目的で、一般に入手可能な情報を収集し、利用し、適切な対象者に適時に普及させた情報」と定義されている。OSINTは「合法的に入手できる資料」を「調べて突き合わせる」手法であり、具体的には、対象国の方針を割り出すために、対象国の新聞社交欄、ニュースの断片、人事の異動発令、発表報道などを丹念に集積し、分析するなどの手法である。攻撃面では組織のプレスリリース、組織トップのインタビュー記事、組織のWebサイト、従業員のSNSなどがある。一方の防御面では、セキュリティベンダの公開レポート、IoC情報公開サイト、セキュリティアナリストの発表資料、SNSなどの情報収集、分析が挙げられる。攻撃面、防御面の双方の観点で、これらの情報から組織のセキュリティホールの特定、対処をおこなうことが可能であり、また意図していない情報漏えいの特定などに活用できる。
さて、そのような分析手法から、全体を導き出そうという企画の一つである。
今回は、「中国から外に出た中国人がどのような感覚でいるのか」ということ、そしてそれは中国の教育や中国の現在の「外国に行く時の指導」が大きな問題になっているということになるのである。中国は、北京オリンピックの時は国を挙げて「マナー向上」を行うというようにして中身を変えていった。あれは胡錦涛政権の時であり、諸外国と協調的なことを考えていた時代であった。では胡錦涛政権が終わり10年以上たった習近平政権の中国はどうなったのであろうか。
中国海外留学生がアメリカで「借金踏み倒し=愛国活動」のありえない開き直り
今年の6月4日は天安門事件35周年記念日。その前月の5月、ある中国人留学生が中国のSNSで、アメリカの大学を卒業して帰国する直前、チェース、シティ、アメリカン・エキスプレスなど複数のクレジットカードを、意図的に全て限界まで使い切って返済せず帰国したと報告。請求額は計14万ドルに達したと明かし、「美帝(米帝国主義)への痛烈なパンチ!」「米資本家に与えた最後の教訓」と自慢した。【ラージャオ(中国人風刺漫画家)/トウガラシ(コラムニスト)】
明らかな借金の踏み倒しなのに、中国のSNS上では責任追及どころか、帝国主義や資本家に対する復讐なら許される、という愛国的な意見がかなり存在した。
投稿の真偽は分からないが、中国人のアメリカへのイメージが毛沢東時代に戻っているのは確かだ。35年前、天安門広場の学生たちにとってアメリカは民主主義の灯台で、憧れの存在だった。しかしそのイメージは中国人、特に若者の中で崩壊し始めている。民主主義は大した主義ではなく、今のアメリカは人種差別、経済格差、さらに社会の両極分化など、いろいろな問題にぶつかっている。これら全ては民主主義だけでは解決できない。民主主義は万能ではないと、彼らは軽蔑している。
子供の頃から「大団結万歳」という教育を受けた彼らは、人民大会堂の整然かつ熱烈な拍手に慣れる一方、先日のコロンビア大学の学生デモのような抗議活動に対して、民主主義はやはり良いものではない、過剰な自由は社会に混乱と分裂、不安しか招かず、中国は決してそのようにはならないと考える。それは国外に留学した学生も例外でない。彼らは西側に留学しても決して考えを変えない。
アメリカなどの西側諸国にもまだ社会主義者が存在するが、社会主義を称する中国には当然、本物が存在する。彼らは中国における激しい貧富の差や不公平は、全て西側諸国の経済侵略や、アメリカの陰謀によると考え、「資本の悪」「米帝の罪」と声高に非難する。こういう愛国的な社会主義者は、北京大学や清華大学などエリート層にも存在する。
彼らはアメリカの社会主義者と同じように、米政府を大声で批判する。だから冒頭のような「愛国活動」も正当化する。しかし、決して中国政府を批判する勇気は持たない。
<ポイント>
天安門事件 1989年6月3日夜から4日早朝にかけて、民主化を求めて北京・天安門広場に集まった学生や市民を軍が強制排除した事件。当局発表で死者は319人だが、実際はもっと多いとされる。
美帝 毛沢東時代に国共内戦と朝鮮戦争、ベトナム戦争で対立した美国(アメリカ)の資本主義体制や軍事大国ぶりを帝国主義だと批判する呼称。同じく対立したソ連は「蘇修(ソ連修正主義)」と罵倒した。
ラージャオ(中国人風刺漫画家)/トウガラシ(コラムニスト)
6/1(土) 18:39配信ニューズウィーク日本版
https://news.yahoo.co.jp/articles/c79173f27c1d1f1996be616eb09ca9a5ed331a40
習近平の政治というのは、「中華民族の復興」ということを挙げている。これは習近平の第一期の初めに、習近平の政治をどのようにするのかということを協議した結果が、このようになって出てきたのである。今から10年前の話だ。その時に「中華民族の復興とは何か」ということを様々なところで議論していた。この「様々なところ」というのは、日本だけではなく、アメリカやヨーロッパの人々も全てその内容を見てきたのである。
しかし、そのことは徐々に見えてきていた。私は「習近平の肖像」という本の中でその内容を書いたが、まさに「共産党回帰」「共産主義回帰」「毛沢東越え」「スターリンを目指す」ということがその答えである。しかし、日本の人々は「中国はすでに資本主義になった」などと馬鹿なことを言い、そのまま中国に投資をし続けていた。現在でも、これから中国に投資をしようなどという大手企業があるが、一体何を考えているのか。日本国の上場企業の人々は「政治的なことは全く考えず、また国際政治的なことも全く考えない、エコノミックアニマルとバカにされる身勝手」であり、本当に亡国の使徒としか思えないところがあるのは非常に残念である。そのうえ、失敗すると日本国政府に助けを求め、そのうえで、ダメになったら「カントリーリスク」と説明をする。結局、中国にこのような状態で投資をした人は全く責任を負わない「無責任体質」なのである。
さて日本企業の事は別にして、中国は「共産主義教育」を行っている。明治時代の日本が「和魂洋才」と言っていたように、現在の中国は西側の技術を使いながら精神的な者や教育の根本は「共産主義」「毛沢東型教育」である。まさに「中華民族の復興」とはこのようなことなのであろう。
さて、共産主義教育とは何か。様々あるが、今回問題になるのは、「世界共産主義革命」「アメリカ資本主義への敵対的な行動」「愛国無罪」であろう。まさに共産主義というよりは、「毛沢東の時の文化大革命の教育」というような感じである。そもそも「アメリカや日本から技術をもらう」「市場経済を使う」ということをしながらアメリカやヨーロッパと敵対的な行動をとるということ自体が矛盾している。この事でアメリカが敵対視して対立するということになれば、新規の技術が入らなくなってしまうし、また、市場経済そのものもなくなってしまい中国に対する投資もなくなるのである。
そこで中国はアメリカに対しては「共産党教育をした個人が行く」ということで行うのである。
「美帝(米帝国主義)への痛烈なパンチ!」「米資本家に与えた最後の教訓」<上記より抜粋>
そもそも中国がアメリカには皇帝がいないのに帝国主義と呼んでいるのは、基本的に資本主義と対立しているということになる。また、「アメリカ資本化に・・・」というのは、間さん資本主義を敵対している問うことになる。そしてそのようにして敵対してくれているのは、故人の「愛国無罪」である。まさに今回の内容で、「中国が共産党に回帰した人間を海外に送り込んでいる」ということが見えてくる。そのことによってアメリカや中国がその様に中国を見ているのか、まだ資本主義と誤解している人が多いのかということが見えるようになっているのである。
日本の「靖国神社への落書き」も同じである。まさにそのようなことがたくさんあるのではないか。それ自体が陰謀なのである。
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