「宇田川源流」【日本万歳!】 世相を笑い飛ばす日本の文化サラリーマン川柳

「宇田川源流」【日本万歳!】 世相を笑い飛ばす日本の文化サラリーマン川柳

 毎週月曜日は「日本万歳!」をお届けしている。普段は日本人が世界で称賛されている内容や世界で注目されている報道を皆さんに紹介し、その内容を分析しして、その内容に関して、「何が世界の称賛を得ているのか」ということを研究することにしている。中には、アメリカ大リーグの大谷翔平選手のように、同じ日本人でもあのようには中な中うまくゆかないというような人も多くいる。将棋の藤井翔太八冠も、また、サッカーの久保建英選手なども、またノーベル賞を受賞した数々の日本の英知も、みなそのような人々であろうと思う。

しかし、そのような「特別な人」ばかりが、日本を牽引し、また日本の称賛として見られているわけではない。日本の場合は、日本人全体の持つ文化や、日本人の国民性などが蟻、日本の中でも「無名な」と言っては大変失礼であるが、大谷翔平選手のような世界的に名前がとお手散る人ばかりではない。一つの業界や日本の地域では有名であっても、世界的に名前が通っているという人ではない人が取り上げられることもある。

そのような場合は、日本人の勤勉さや、日本人の集団に尽くす奉仕の姿勢などが高く評価されることも少なくないのである。そのような場合は、日本人の全ての文化や異本人のすべての人が持っている国民性などが、高く評価される場合もあるのだ。

さて、その日本人の現代の世相や日本人の文化をうまく表現したのが、川柳である。

まず何よりも「世界で一番少ない文字数の詩」といわれる俳句。たった17文字でその内容を相手に伝えるということである。その伝えるものは、「その場の映像」「その場の音」などの場面に、「句を詠んだ人の心情」などまでをすべてその17文字で表すということになる。その言葉そのものから連想できる内容を想定し、なるべく説明する個チャ不要な言葉をそぎ落とした俳句という形式は、世界で最も洗練された内容である。

その「形式」を使い、季節を表す季語などを無視して、世相を表現し、そのまま笑いに持ってゆくのが「川柳」である。ある意味で「漫画」と「風刺漫画」の関係に似ている。その「サラリーマン川柳」が今年も発表された。

2023年『サラ川』ベスト10発表 グランプリは“ぜい”をテーマに詠んだ作品に輝く

 第一生命保険は30日、2023年『サラっと一句!わたしの川柳コンクール』の全国ベスト10を発表。グランプリには、増えても、減っても世知辛い“ぜい”をテーマに詠んだ作品「増えるのは 税と贅肉 減る贅沢」が輝いた。

 同社は、2023年9月から10月にかけて、2023年『サラっと一句!わたしの川柳コンクール』を実施。全国から約6万6000もの作品が寄せられた。

 いつの時代も家計や健康の悩みはつきもの。贅沢をできる機会は減っているにも関わらず、なぜか、体重は増えている。減ってほしいものは増え、増えてほしいものは減っていく、世知辛い日常のあるあるをユーモラスに表現した作品「増えるのは 税と贅肉 減る贅沢」がグランプリとなった。

 一方で、コロナ禍の終わりを感じられる心温まる作品や覚えたてのキャッシュレス決済での笑える失敗、日本語ならではのやり取りを流行語で表現した川柳がベスト10にランクインし、2023年のサラ川を大いに盛り上げた。

■ベスト10

順位:作品・雅号・得票数

第1位:「増えるのは 税と贅肉 減る贅沢」 ミファ(30代) 1803票

第2位:「物価高 見ざる買わざる 店行かず」 ねこママ(60代) 1425票

第3位:「マスクなし 2年目社員の 笑顔知る」かりーらいす(40代) 1275票

第4位:「50代 給与も肩も 上がらない」 怪傑もぐり33世(50代) 1148票

第5位:「PayPayを 覚えた父の 無駄遣い」 祐字(40代) 1145票

第6位:「ダイエット 動画だけ見て 痩せた気に」ミシカ(20代) 1098票

第7位:「パスワード チャンス3回 震える手」 ポイ活初段(40代) 1071票

第8位:「盗み食い ペットカメラに 映る父」 言い訳できないね(40代) 1059票

第9位:「アレとソレ 用事済むのが 日本流」 メタボリック父(60代) 890票

第10位:「2度聞くな! 言った上司が 3度聞く」 光源氏(50代) 889票

2024-05-30ORICON NEWS

https://www.oricon.co.jp/special/67830/#google_vignette

 このサラリーマン川柳に関しては、毎年このブログで扱っている・実際にどの内容を見ても「自分に当てはまる」と思ってしまうような内容である。特に一位の内容は、なかなか皮肉が出てきている。

実際に現在の岸田首相に関して「増税メガネ」というような不名誉なあだ名が出てきているが、そのまま「税」ということが出てくる。本来「贅肉」というのは、贅沢をしていて、なおかつ動かないからついてくるものなのであるが、残念ながら、この場合は「税と贅肉」が増加して「贅沢」が減っているという「ぜい」という言葉をうまく組み合わせた俳句になっている。贅肉途贅沢を切り離しているというか、十分に食べることのできる現実は、そのまま贅沢ではないということになってしまっているというのがなかなか今の日本を表しているのではないか。

3位の川柳は、やはりコロナの残像が残っている句であるといえる。そういえば、昨年は「卒業式で顔を始めてみた」などというようなことが話題になったが、正ンい、二年目の社員の顔を知らないなどということも出て消えている。

今年でなくてもと思うのは、第6位であろう。依然「ビリー・ザ・ブートキャンプ」という国人がアメリカ軍式のトレーンイングを行うビデオがあったが、それも見ているだけで十分ということで、初めの一階も間も共にできないのである。人間というのは「見ただけ」「買っただけ」で満足してしまうということが少なくともたくさんあるのではないか。

今回の内容は「無駄遣い」ではなく「その無駄も必要なものも変えない」「給与が上がらない」というような句が多く、また、その内容も「ジェネレーションギャップ的な内容」が多く出てきているのではないか。まあ、逆にこの「サラリーマン川柳」が一つの話題に絞られていないというのは、流行などが決まっていないということではないか。同時に、「サステナブル」とか「多様性」ということがあまり大きく言われなくなっていて、また様々な内容になってきているのかもしれない。ある意味で「管理職」になりたくない人が、家庭の内容などもすべてなくなり、金とサラリーマンということに特化させてしまっているのかもしれない。

この「川柳」は、「日本人がどんな状況でもそれを笑い飛ばして、未来に向けて頑張る」というような希望を見ることができる。もちろん単に皮肉を書いているだけかもしれないが、しかし、それは決定的なものではなく、その内容をなんとなく「傍観者的に見て、自分のやることをやる」というような感じになっているのが、特徴であろう。そのように「笑い飛ばすこと」ができるのが日本の素晴らしいところなのかもしれない。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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