「宇田川源流」 詐欺とまで言われた子育て支援策は何が良くないのか

「宇田川源流」 詐欺とまで言われた子育て支援策は何が良くないのか

 政治において「人気が無くなる」つまり「支持率が低くなる」ということは、こういうことであろう。つまり「何をやっても悪いようにしかとられない」ということになる。岸田内閣は、今そのような状況にあるのではないか。しかし、何の原因もなく、支持率が低くなるなどというはずはないので、当然にその原因はあるのだ。その原因に全く自覚がない場合は「他人に責任転嫁してしまい、そのまま自分の態度を治すことができずに、より一層支持率の悪化につながることをしてしまう」だけではなく「責任転嫁をした相手との間に確執が生まれ、味方であったはずの支持層がすべて敵に回ってしまう」という現象が起きるのである。

この現象は、今から約10年前に、菅直人首相において行われた。菅直人首相は、そもそも民主党内閣が当時「自民党はだめだ」と思っていた国民の批判法を受けてできたが、鳩山由紀夫内閣が期待外れであり、そこに菅直人首相が出てきたかっこうだ。しかし、そもそも外国人からの献金疑惑があり、そのことが予算委員会に出る日に3・11が発生する。そして、3・11では迅速な対応が求められて、1か月間は国会の審議なしに全権委任をするということが決められたのにもかかわらず、21もの委員会を作り、「会議は踊る」という感じで一稿に何も決まらない状態の中、福島原発が事故を起こすという結果になった。そのうえ、その復興が終わってもいないのソーラー発電に舵を切り替えて、原子力発電をすべて泊めて日本の現在の物価高の原因と、津波のついたおt頃には住まわせないというkとから、広大な自然を破壊し、高台を作り、復興を大幅に遅らせたのである。国民の期待とは反対側の方向に行われ、それをマスコミや自民党の今までの政治が悪いとうそぶいていた。そのことから、結局その時に必要な対策が全くとられることなく、民主党そのものの支持率も下がり、野田内閣の時代には小沢一郎他の議員54人が民主党を抜ける結果になったのである。

さて、岸田内閣も菅直人内閣と同様の状況がみえる。ではその典型例となった「異次元の少子化対策」について、国民が「裏切られた」と感じるのはなぜか。それを見てゆくことにしたい。

「まるで詐欺」子育て支援金、年収600万円なら月1000円負担増「言い回し変えた」増税に「どこが支援だ」批判殺到

 4月9日、こども家庭庁は、少子化対策拡充の財源として公的医療保険に上乗せして徴収する「子ども・子育て支援金」について、衆院の特別委員会の理事会で、会社員らが加入する被用者保険の年収別の負担額を示した。2028年度時点で年収600万円の場合、月額1000円となる。

 対象となるのは、大企業の健康保険組合、中小企業の協会けんぽ、公務員の共済組合。2028年度時点での徴収額は、年収200万円だと月350円、年収400万円だと月650円、年収800万円だと月1350円、年収1000万円だと月1650円となる。

 加藤鮎子こども政策・少子化担当相は同日の記者会見で「数年後の賃金水準によることから、政府として正確に試算することは難しいものの、参考になるものとして、2021年度の実績の総報酬で機械的に計算した数字を示した。議論の役に立ててもらいたい」と述べた。

 岸田文雄首相は2月に国会で、加入者1人当たりの平均月負担額は2028年度に500円弱と答弁。3月に公表した試算では、自営業者らの国民健康保険や75歳以上の後期高齢者医療制度も含め、450円になるとしていた。

 日本維新の会の音喜多駿政調会長は同日、自身のXにこう書きこんだ。

《あまりにもふざけた話。保険料の増額は一人平均500円などとごまかしておいて、年収400万円でもすでにそのラインを超える。年収一千万なら月々1650円まで負担増。事実上の増税以外の何物でもなく、現役世代に対する懲罰的な愚策だ。支援金の導入には断固として反対する。》

 立憲民主党の蓮舫参院議員も4月10日、自身のXにこう書きこんだ。

《「平均で500円」「(給与が上がるから)実質負担は生じない」岸田総理、加藤少子化担当大臣の説明がもはや欺瞞としか思えません。本気で取り組むなら負担を正面から話し国民の理解を得るべき、そこを誤魔化すから不信が高まる。政策推進の障害が岸田内閣でしょう。》

 4月8日に厚生労働省が発表した実質賃金は1.3%減で、23カ月連続の減少となった。物価が、賃金の上昇を上回る状況が続いている。さらに支援金という名で負担が増すことに、SNSでは、批判的な声が殺到している。

《子育て増税、500円が1000円に! まるで詐欺じゃねぇかよ!》

《これって支援じゃなくて子育て増税だよね。今後も「〇〇支援」とか言いながら増税されていくのかな。「増税」という言葉に敏感な国民を刺激しない為に言い回しを変えただけだよね》

《子育て支援金とか言いながらの実際は子育て増税 金取ることしか考えてないよなこいつ 高収入はみんな日本から出ていきそう》

《負担を増やすことのどこが「支援」なのか》

 一方で、自営業者が毎月支払う国民年金の保険料は、2024年度は月460円負担増。2025年度は、さらに月530円負担増。2年連続の値上げで、月負担額がほぼ1000円増となる。

 岸田政権で続く負担増。これで少子化対策になるとは、とても思えない。

2024年4月10日 15時13分 Smart FLASH

https://news.livedoor.com/article/detail/26203903/

 少子高齢化が問題であるということは、日本国民はよくわかっており、また、そのことが問題であるとは思うが、しかし、自分の生活やキャリアには変化を持ちたくない、つまり、多くの国民は、「自分以外の人が早く結婚して(結婚をしないでも)はやく子供を産んで解決してもらい、自分は権利を謳歌し、キャリア生活を送って社会で名を残したい」というような感覚を持っている。このような希望を持つことは、別段悪いことではない。またそうでなくても子供に活躍してもらいたい、子供を苦労させたくない、というようなことから、子供に多くの習い事をさせて「一流」を目指すようになるのであるが、そのことから習い事の月謝や通信費(スマホ代)がかさみ、夫の収入だけでは生活が維持できなくなってしまっており、そのことから、経済的な面で安心できないので子供を産めないという人も少なくないのである。

さて、そのようなところに「異次元の」という形容詞を付けた対策を行うと宣言したのは岸田首相本人である。当然に「異次元でもよいが、同時にしっかりと効果がなければならない」ということになる。そのうえで「負担ゼロ」などということを言っていたのであるから、どこにその財源があるのかという子とは全く見えていなかった。その答えが、「国民健康保険の負担金の増加」ということになる。そしてそれが年収600万円の過程で一人当たり月額1000円ということである。

少子化の原因は、間違いなく「国民の意識」の変化であり、経済的な問題だけではない。上記のように「権利を謳歌する」ということと、「生活ができない」という二つの理由があり、その理由に関して、月額1000円で双方の理由を充足させることができるのかということが甚だ疑問である。そもそも、1000円、つまり。1億人と計算して1000億の資金で何ができるのか。それを子育て世代に配布したところで、全く意味がないということになるし、また、「金をもらえるから子供を産む」ということよりも、そもそも「結婚する」ということを考えなければ、今の未婚率や晩婚化を考えれば、金だけの問題ではないことはよくわかるはずでないか。

それが「異次元」などという形容して言えば「期待する」が、当然に、上記の菅直人首相と同じで「機体に全く答えられないどころか、完全に裏切る結果」になったということになるのではないか。

そしてその「裏切られた」という声が、まさに支持率の低下に繋がるものである。そのうえ「実質ゼロ」ということは「景気が良くなり、賃上げが行われるので」ということを言うが、当然に「賃上げになる」ということは、「会社にしてみれば販管費(人件費)が上がり、その内容が商品に転化される」ということになるのであり、当然に、また商品の値段が上がる。もちろん為替差益などがあるので単純に値上げラッシュになるとは思えないが、しかし、そのように物価が上がれば、1000円で間に合わなくなることは見えている。そもそも「値上げ」は「率」で計算されるのに、少子化対策費用は「円」で発表されていることに違和感が出るはずだ。単位の違う話をして、国民が納得するはずがない。そのうえ、賃上げは、各企業の話であり、また、景気は約束できないのである。「空手形で保険料の値上げを決めた」ということになる。

もちろん「なんだかの財源」が必要なのは理解するが、このように官僚の答弁のような「だまし口上」で国民をだませば、信頼は失われることになるであろう。そのことに岸田首相が気づくのはいつなのか、そして、これからでも信頼を取り戻すことは可能なのであろうか。自民党の先生方、そのような首相に任せておいてよいのか、考えるべきであろう。

宇田川源流

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