「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 道長一人を取り囲む女性三人の思惑

「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 道長一人を取り囲む女性三人の思惑


 毎週水曜日は、大河ドラマ「光る君へ」について、一視聴者として勝手なことを話している。一応私も歴史小説などを書いているので、歴史的な資料やその扱いから、想像を膨らまして一つのドラマを仕立てるということをしたことがあるので、資料の残る実在の人物に関して、その実在に人物のキャラクターを作りそして、現実の社会やそののちの記録、そして子孫などの関係で問題がないように、また齟齬が起きないように調整しながらの物語づくりという経験があるので、その湯女内容から見てみたい。

さて、今回はまずは人物紹介である。

途中、皇太后の詮子(吉田羊さん)と面会し、道長(柄本佑さん)との交際を勧められる源明子(瀧内公美さん)についてである。

醍醐天皇の第十皇子であり左大臣になった源高明の娘で、ちょうど、このドラマの中で右大臣を務める源雅信(益岡徹さん)と同じような感じの立場であった。しかし、969年(安和2年)3月25日、左馬助源満仲と前武蔵介藤原善時が中務少輔橘繁延と左兵衛大尉源連の謀反を密告する事件が発生します。世にいう「安和の変」です。右大臣師尹以下の公卿は直ちに参内して諸門を閉じて会議に入り、密告文を関白藤原実頼に送るとともに、検非違使に命じて橘繁延と僧・蓮茂を捕らえて訊問させる。左大臣源高明が謀反に加担していたと結論され、大宰員外権帥に左遷することが決定した。高明は長男・忠賢とともに出家して京に留まれるよう願うが許されず、26日、邸を検非違使に包囲されて捕らえられ、九州へ流された。密告の功績により、源満仲と藤原善時はそれぞれ位を進められた。また左大臣には師尹が替わり、右大臣には大納言藤原在衡が昇任した。一方、橘繁延は土佐国、蓮茂は佐渡国、藤原千晴は隠岐国にそれぞれ流され、さらに源連と平貞節の追討が諸国へ命じられた。また、京で源満仲と武士の勢力を競っていた藤原千晴もこの事件で流罪となり、結果として藤原秀郷の系統は中央政治から姿を消した。

この源高明の娘が源明子である。ちなみにこの時の関白の子供がドラマで大乗大臣の役になっている、藤原兼家(段田康則さん)のライバル藤原頼忠(橋爪淳さん)で、その子供が藤原道長のライバル藤原公任(町田啓太さん)ということになる。

この女性が様々な波乱を起こすことになるのは言うまでもないだろう。

【光る君へ】「道長」にぞっこんの「倫子」黒木華の一直線の愛にネットも興奮「初めて会ってすぐに?」

 女優・吉高由里子主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜・後8時)の第12話「思いの果て」が24日、放送された。

 (以下、ネタバレがあります。ご注意下さい)

 今回、道長(柄本佑)の妾になることを断ったまひろ(吉高由里子)。為時(岸谷五朗)が官職に復帰する目途もなく、生計を立てるためにまひろの婿を探すことを宣孝(佐々木蔵之介)が提案する。

 その頃、まひろと決別した道長(柄本佑)はかねてから持ち上がっていた倫子(黒木華)との縁談を進めるよう兼家(段田安則)に話す。一方、姉の詮子(吉田羊)は、藤原家との因縁が深い明子(瀧内公美)と道長の縁談を進めようと図るが…というストーリーだった。

 今回、「北の方(正妻)でなく、妾(しょう)になるなんて耐えられない」と叫んだまひろの叫びの意味を理解した道長は、まひろを諦め、倫子との縁談を受け入れる。

 もともと「私は道長様を夫にと決めておりました。かなわぬならば、私は生涯、猫しか愛でませぬ」と泣きながら父に訴えるほど、道長にぞっこんの倫子。

 廃屋での逢瀬で「左大臣家に婿入りすることになった」と告げる道長に「妾でもいい」という本心を隠し、「倫子様はおおらかな素晴らしい姫です。お幸せに。私は私らしく、自分が生まれてきた意味を探して参ります」と告げたまひろ。

 最終盤では、まひろとの涙の別れを終え、自身の居室に御簾(みす)を開けて入ってきた道長に抱きつき、覆いかぶさる倫子。「道長様、お会いしとうございました」と情熱的に迫る姿にネットも興奮。

 結ばれた2人に「倫子、積極的やぞ!」、「いきなり押し倒した。倫子さま~!」などの声の一方、「道長、まひろと別れて直行か?」や「初めて会ってすぐにするのか!?」など、あまりの急展開に戸惑う声もあった。

 放送中にはX(旧ツイッター)のトレンドワードで「#光る君へ」が2位まで急浮上した。

 大河ドラマ63作目となる同作。吉高は2014年に連続テレビ小説「花子とアン」のヒロインを演じており、朝ドラと大河の両作品の主演は4人目になる。

 脚本は2006年の大河ドラマ「功名が辻」やドラマ「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」「星降る夜に」などを手掛けた大石静氏が担当。大河の中でも数少ない平安時代を舞台に、世界最古の女流作家とも呼ばれる紫式部/まひろ(吉高)の生涯を描く。音楽は冬野ユミ氏、語りはNHKの伊東敏恵アナウンサーが務める。

2024年03月24日 20時56分スポーツ報知

https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12265-2902629/

 要するに、藤原兼家の時代までは、「天皇の血筋」である「源氏」と、「摂関系の血筋」である「藤原北家」が、主導権争いをしていた時代ということになる。これが摂関家の中心にあり、天皇の血筋が駆逐された事件が寛和の変、つまり先週やった花山天皇の半強制的な引退であり、それに伴う一条天皇の即位ということになる。そしてそのことが、藤原道長、頼道父子で摂関政治の絶頂期を迎えることは、多くの人が歴史の教科書で習っているということになる。一方、その藤原頼道の死後は、今度は「院政」の時代になり、そして上記の安和の変で駆逐されたはずの源氏が、鎌倉幕府で「武士の棟梁」として復活する(厳密に言えば、醍醐源氏と源頼朝の清和源氏とは異なるが、同じ源氏であり天皇家の血筋の人が天下を取るということでは同じ。)ということになる。

さて、今回は、道長二人の妻が決まるということになる。現代と異なり、結婚の相手は親や兄弟が選び「家」として結びつくという考え方をしていた時代。今戸は異なり、家長制度であり、個人の自由で好き勝手に結婚相手を選ぶことができなかった。そのことから、「妾」という制度があり、正妻は家が、そして自分の好きな女性とは「妾」という時代である。

そのようなところで考えれば、数回前に男たちが「女は家柄」と言っていたのもよくわかる。その女性の家の地位で引き揚げてもらうとか子供を出世させるということになるのであろう。

そのことから、藤原兼家は道長に対して源倫子(黒木華さん)との結婚を考えた。これは右大臣源雅信(益岡徹さん)の家との結びつきということを考えたからである。一方、姉の詮子皇太后は、やはり家柄のことで、「天皇家につながる」ということで上記の源明子を推薦する。ここに兼家と詮子の対立があり、また、そこに二つの源氏の家と藤原の対立が出る。

一方「妾」でよいと決心したまひろは、まず「妾」という立場を父の妾で感じる。そしてその娘がどのような感覚になっているのかということまで感じてしまう。そのうえで妾でもよいと感じるのだが、その相手が自分の友人である源倫子であるということで、妾でよいということを言い出せなくなってしまうということになる。ある意味で「モテ男」としての道長、というか「光源氏」のモデルがここにあるということになる。

もちろん創作の部分も多分負含まれているが、妾という立場の女性の心理について、現代の「愛人」との違いをかなり丁寧に説明しながら、それをまひろと同じ時間軸で視聴者にわからせ、そして、共感を呼ぶ手法ということで、他の単純に「妾=愛人」というような構造に持ってゆかないやり方がなかなか興味深い。大石静さんが、かなり深く平安時代の婚姻システムや妾ということを勉強されたという事であろう。そしてその理解をうまく視聴者にぶつけて、そこにおける現代女性の「感じるもの」を引き出すという言うような形になっているのである。

なかなか、その意味ではしっかりとしたつくりになっているが、そこまで評価しているような文章は、あまり見られないのが残念である。

宇田川源流

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