「宇田川源流」【木曜日でも大河ドラマ】 2026年大河ドラマは『豊臣兄弟』
「宇田川源流」【木曜日でも大河ドラマ】 2026年大河ドラマは『豊臣兄弟』
大河ドラマは毎週水曜日なのであるが、今週は特別に木曜日もたいがどらまにかんして書いてみようと思う。もちろん、現在の「光る君へ」に関しては、水曜日に書いているので、今回はまた別な内容。2026年の大河ドラマに決まった『豊臣兄弟』についてである。
さて、世界の偉人で「○○兄弟」といえば、もっとも有名なのは「ライト兄弟」であろう。初めて空を飛んだ兄弟として、世界の偉人伝などにも必ず出てくる兄弟である。もちろん兄弟で活躍した歴史上の偉人というのは、かなり多い。しかし「○○兄弟」というような感じで言われるのは、なかなか少ないのではないか。その意味でこの「豊臣兄弟」に関しても、そもそも豊臣秀吉(兄)は有名であるが、弟の秀長というのは、あまり有名ではない。
兄弟というのは、お互いがライバルでありながら、片方では幼いころからお互いをよく知っておりまた育った環境も同じということであるから、その考え方などは基本的には同じであるといって過言ではなく、また、お互いのことをよくわかっているから、長所も欠点もわかる。はったりを言っているときや何か大言壮語をして廻りを安心させようとしているとき、根拠のない言葉や、逆に地震がないのに隠しているなど、その様な「人間としての癖」もよくわかっているということになる。
まさに、豊臣秀長は、秀吉にとって完全な補佐役であったということになる。基本的には、大風呂敷を広げ、リスキーなことをやる秀吉と、それに対して堅実でありながら、困った顔をして、その兄を補完する秀長という感じではないか。まさにそのような感じが見えてくるのが非常に面白い。
また秀吉が「農民から天下人に上り詰めた」という人物であるが、兄弟であるから当然に、秀長も「農民」である。そこから「天下人を作った参謀」ということになるのであるから、なかなか面白いと言ことになるのではないか。
NHK、2026年大河ドラマは『豊臣兄弟!』 豊臣秀長役の主演・仲野太賀「笑ってください!」
NHKは12日に会見を行い、2026年の大河ドラマの制作と主演を発表した。タイトルは『豊臣兄弟!』。戦国時代を舞台に豊臣秀吉と秀長の“兄弟の絆”が描かれる。主演・秀長を俳優の仲野太賀が演じる。脚本は八津弘幸氏が担当する。会見には主演の中野、制作統括の松川博敬氏、脚本の八津氏が出席した。
大河ドラマ第65作で描くのは、戦国時代のど真ん中。強い絆で天下統一という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の奇跡、夢と希望の下克上サクセスストーリー。主人公は天下人の弟・豊臣秀長。歴史にif(もしも)はないものの……「秀長が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」とまで言わしめた天下一の補佐役・秀長の目線で戦国時代をダイナミックに描く波瀾(はらん)万丈のエンターテインメントだ。
松川氏が「みなさん、太賀が大河にでます」とダジャレを披露すると、会場は微妙な空気に。仲野は「笑ってください!」と報道陣に呼びかけた。
仲野は「本日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。松川さん、八津さんに続いて“太賀が大河”ということで、三段オチみたいですが」と笑うと、「今日という日が待ち遠しくて、とても光栄に思いますし、心底ほっとしています。主演を演じるということで、先人たちがつないでこられたことに重みを感じていて、このチームで最高に面白い大河ドラマに出来たらと思います」と意気込みを語った。
さらに「(今回のオファーは)去年の11月くらいですかね。(聞いたときは)頭が真っ白に。太賀がいつか大河の主演になればいいね、とイジりにイジられて(笑)。自分の中で目標にしていたことだったので、非常に驚きました。今日を迎えるまで実感はなかったんですけど、夢なんですけど、あまりにも大きな、そして遠い夢だったけど、いざ直接お話をいただいたときに、本当にこれまでたくさんの仕事をさせていただいて、大きな仕事から小さなセリフのない役もやって、そういう事の積み重ねで、全部がつながってるんだなと思えた、無駄なことは一つもなかったし、こういう日を迎えられたことがうれしいです」と続けた。
2011年放送の大河ドラマ『江』で豊臣秀頼を演じており、2度目の豊臣役となる。「全然、何物でもない10代の俳優だったんですけど、その経験がすごく大きくて、そのときの自分には初めてくらいの反響をいただいたんですね。あの役を演じられて、一つステップアップできた思いがあったので、今回豊臣秀長を演じられるということで、豊臣家に縁があるなと」。
脚本の八津氏は「史実では最高の補佐役だと言われていて、最近の秀吉って腹に一物を抱えたイメージなんですけど、いま現状はもうちょっとカラっとしていて天然なお兄さんに、好き勝手なことを言われながらも弟が必死になって実現していく、それでもお兄ちゃんのことが好きな秀長を太賀さんならやってくれるんじゃないかと期待しています」と仲野への期待を口にした。
仲野は1993年、東京都出身。2006年に俳優デビュー。近年の出演作はドラマでは『あのコの夢を見たんです。』『コントが始まる』『#家族募集します』『初恋の悪魔』『ジャパニーズ・スタイル』『いちばんすきな花』など。映画では『泣く子はいねえが』『すばらしき世界』『あの頃。』『ゆとりですがなにかインターナショナル』『笑いのカイブツ』『熱のあとに』など。
第45回日本アカデミー賞優秀助演男優賞、第76回毎日映画コンクール男優助演賞、第64回ブルーリボン賞助演男優賞などを受賞。NHKでは『拾われた男』で主演の松尾諭を演じて話題に。大河ドラマは『風林火山』『天地人』『江~姫たちの戦国』『八重の桜』『いだてん』に出演。4月から放送の連続テレビ小説『虎に翼』で佐田優三役を演じる。
【ここ5作の大河ドラマ】
60作目:2021年『青天を衝(つ)け』
作:大森美香 主演:吉沢亮
61作目:2022年『鎌倉殿の13人』
作:三谷幸喜 主演:小栗旬
62作目:2023年『どうする家康』
脚本:古沢良太 主演:松本潤
63作目:2024年『光る君へ』
脚本:大石静 主演:吉高由里子
64作目:2025年『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(読み:つたじゅうえいがのゆめばなし)
脚本:森下佳子氏 主演:横浜流星
3/12(火) ENCOUNT
https://news.yahoo.co.jp/articles/7e2ed86d70ddd34588a54c8e07119b1ccd384e88
さて、私は派手な「秀吉」よりも、この「秀長」の方が好きである。その様なことであるから秀長が主人公の小説は大概読んでいると思う。ここにウィキペディアから出してみるとこんな感じだ。
・ 司馬遼太郎「大和大納言」(初出は『豊臣家の人々』中央公論社・1967年 に所収。現在は『豊臣家の人々』中公文庫・ISBN 4122020050・1993年、及び『司馬遼太郎短篇全集 第十一巻』文藝春秋・ISBN 4166415603・2006年 に所収)
・ 堺屋太一『豊臣秀長―ある補佐役の生涯』(初出は1985年、現在は文春文庫・上巻 ISBN 4167193140 下巻 ISBN 4167193159・1993年) - 1996年NHK大河ドラマ『秀吉』原作
・ 志木沢郁『豊臣秀長』(学研M文庫・ISBN 9784059012184・2008年)
・ 鞍馬良『秀長さん』(文芸社・ISBN 9784286119724・2012年)
・ 福永英樹『志 豊臣秀長伝』(幻冬舎・ISBN 9784779009372・2013年)
全くダメな人を天下人に押し上げるということで、秀吉本人よりも秀吉の周辺の人々の方が、優秀であったような気がする。現在も同じで、偉大な政治家は、本人が一大なのではなく、自然と周辺の人がその人の欠点を補い、何の打ち合わせもしないのに、そのことをしっかりと見てくれる人々ではないか。その様に考えると、まさに兄弟で、全く心配せずにすべてを任せられる人がいた秀吉は、非常に安心できたのではないか。兄弟が次々と死んでしまい、残った兄弟は茶道の道を選んだ信長や、兄弟がほとんどいない家康とは全く異なる感じであろう。
そして、その秀長を中心に、竹中半兵衛や黒田官兵衛など、有能な才能の人がいて、その秀長がこの人物たちの能力を生かせるように準備し、そして、不満の受け皿になって秀吉を支える。
人間には「自分が中心になって光り輝きたい」ということを思っている人と、「人を補佐して、キングメーカー的に作り上げることに生きがいを感じる」という人がいる。まさに、秀長は「補佐役・キングメーカータイプ」の日本におけるもっとも有名な人物ではないか。
ところで、大河ドラマでは「補佐役」という意味では、黒田官兵衛や直江兼続が、主人公になっている。近年では「鎌倉殿の13人」の北条義時も、初めは天下を取った源頼朝の補佐役であろう。そのように考えれば「補佐役」の人生はかなり書かれているのであるが、兄弟であるというのは非常に少ない。もちろん兄弟というのは、もっとも有名なのは「花燃ゆ」の吉田松陰の妹であろう。しかし、それよりもはるかに「天下人の補佐」ということが見えてくるのではないか。
そしてこのドラマを見れば、多分、今の政治で「しっかりとした補佐役がいる政治は誰がしているのか」ということが見えてくる。補佐役がいつかないような政治家は、ダメな政治家である。それは秀長が秦で、すぐに豊臣の転化が終わったことでもよくわかるとおりだ。
ドラマはこのように、今の世の中を見ながら、楽しめるということにあるのではないか。
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