「宇田川源流」【現代陰謀説】 死亡説が出る中国の元大臣に何があったのか
「宇田川源流」【現代陰謀説】 死亡説が出る中国の元大臣に何があったのか
毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。世の中に跋扈している、何だかわからない陰謀論とは異なり、しっかりとした根拠と調査に基づく「現在進行形の陰謀」を今あるニュースや、だれでも見ることのできるニュースや既知の事実を使って、多くの人と共通認識にしてゆくということを見てゆきたいと思う。
さて、世の中一般的な「陰謀論」は、どこか目に見えない、実際には誰も見たことのないような団体が出てきて、その人々がなんらかの欲望にかられた何かを企てているという話がほとんどであり、それも「何か事件が起きてからの後講釈で、さも初めから何でもすべてが計画されていたかのような話がでてくる」だけであり、その陰謀を止める方法や、陰謀に対して備えることも何もない。そもそも「事前に何かの事件を予言するような話は全くない」ということになる。
しかし、「陰謀論」ではなく、普通に政治やその内容を見ていれば、その様な後講釈をする以前に、「何が行われているのか」ということを見ることができる。実際に、何の痕跡もなく、また、全く表から見えるものではないということはある。基本的に、何らかの情報は表に出てくる。陰謀というのは完全に隠れているようなものではなく、何らの痕跡が出るようにできている。それは、一つには「陰謀を工作している人が、その様にマスコミを使って、自分の上司に報告をしてる」ということがある。このように畏怖と信じられないと思う人もいるかもしれないが、しかし、実際に「全体図」を知っている人ならば、その報道を見て今どこまで進んでいるかがよくわかる。しかし、普通の人が見れば普通のニュースにしか見えない。その様なものなのである。もう一つには、その様な「マスコミ報道」によって、一般人を扇動するということが必要になるのである。
本当によくわかっている政府やマスコミは、その様なマスコミを使用した扇動を避けさせるものであるが、日本を含むほとんどの国は「報道の自由」ということを言って、結局は騙されたり、または陰謀の片棒を担ぐ結果になってしまっているのである。
中国前外相、死亡説まで広がると…中国全人大「秦剛氏辞任」発表
昨年失脚した秦剛前中国外相が27日の全国人民代表を辞任した。中国人民日報は28日、中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人大)常務委員会が前日に開かれた会議で辞任した秦氏の代表資格を停止させ閉会したと伝えた。
「辞任」として処理された秦氏と違い中部戦区副司令官の李志忠中将ら全人大代表7人は「罷免」処理された。秦氏は昨年1月に全人大代表に当選し、3月に国務委員に選ばれた。6月に突然公の席から姿を消した後、7月と10月に外相と国務委員からそれぞれ解任された。
これに対して台湾聯合報は秦氏の全人大代表辞任処理は巷間に出回った死亡説などを払拭するための措置とみられると分析した。香港星島日報は「法律違反者に対する罷免と違い辞職は規律違反者に適用する。2017年の辞職後に党規律委で左遷にとどまった閣僚級の事例を見ると秦氏が『軟着陸』する可能性がある」と報道した。司法処理せず党内処罰にとどまるかもしれないという意味だ。
一方、中国国営メディアは秦氏とともに昨年10月に国務委員職を解かれた李尚福前国防相の全人大代表資格については言及しなかった。秦氏、李氏とともに20期党中央委員の李玉超前ロケット軍司令官は12月の全人大商務委会議で軍高官8人とともに全人代代表職を罷免された。ロケット軍関連の腐敗スキャンダルに対する調査がいまも進められているという分析が外信を通じて提起された。
◇王毅外相が米中関係主導
国際社会の関心である新たな外相の任命はされなかった。このため71歳のベテラン外交官である王毅政治局員が外事弁公室主任とともに外相を兼職し続ける見通しだ。今年の米国大統領選挙と台湾の頼清徳政権発足で不確実性が高まった対外環境、来週に両会が予定された状況などを考慮し外交指令塔の交代を留保したという解釈が力を増している。
昨年11月のサンフランシスコでの米中首脳会談をはじめ、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)、ブリンケン国務長官との米中戦略会談を主導した王氏が実務から外れるのは難しいという分析も出ている。ここに1971年の中国の国連復帰と台湾の「追放」(を決めた国連総会決議案2758号の解釈をめぐり米中間のパワーゲームが激しくなる状況で台湾弁公室主任を歴任した王氏の経験が評価されていると台湾メディアは診断した。
2/28(水) 17:58配信 中央日報日本語版
https://news.yahoo.co.jp/articles/746d96d6b130a39b76f13df483f353e535bce200
さて、中国の外務大臣がいきなりいなくなり、また、国防大臣もいなくなった。これに対して、中国では特に大きなマスコミの報道もなく「いきなりいなくなった」というようなことになっている。秦剛外務大臣の場合は外交日程が詰まっていたので王毅国務委員がそのまま外務大臣の代行を行い、そして、外務大臣に就任した。一方国防大臣は、キッシンジャーがアメリカから訪中した直後に姿を消した。その後しばらくは、国防大臣が不在のまま推移している。
さて、本来であれば、外務大臣にしても、国防大臣にしても「不在」とか「音信不通」ということになれば、かなり大きな問題になるはずだ。しかし、中国では「不在」というだけでそれ以上のことは何も言われずにいる。もちろんちゅう号の国務院などは大騒ぎになったものと思われるが、残念ながら一般では、全く問題にならないというような状況になっていたのである。同時にマスコミも何もそれをあまり問題視しなかった。
今回の陰謀は「何かが起きた」事ではなく「何も起きなかった」ということなのである。
日本で同様のことが起きたと考えてみよう。例えば現在の外務大臣は上川陽子議員である。岸田内閣がいかに不人気であったにしても支持率が20%を割っているにせよ、突然に上川陽子外務大臣が突然音信不通になり、公式の会議を出席しなかったり、あるいは、行方不明になっていれば、当然にそのあと覆うなど一日中大騒ぎになる。間違いなく、ワイドショーなどは一日中上川大臣のプライベートから、その犯人の予想まで、場合によっては全く関係ないのに交友関係や子供のころの話まで調べるということになる。しかし、中国では、報道で少し扱っただけで、何もしなかった。
今回も「秦剛氏は辞任、他の7人は罷免」ということになった。外務大臣の後任の発表はなく、王毅政治局員の兼任が一緒に行われるということになる。しかし、「腐敗の操作を行っている」というだけで、それ以外のことはまったく報道はしなかった。
陰謀といえば「何かがある」と思いがちだが、何もなかったということが大きな問題になることもある。法律用語では「不作為の作為」というものがあるが、実際にはまさにそのようなことになる。マスコミは当然に本来であればその部分を大木っく取り上げるはずなのであるが、しかし「政府発表」以外は何も報道しない。それが中国なのである。
当然に中国または中国のマスコミ報道はそのような「政府のコントロール下にある」ということがあげられ、同時にそれは「必ず何らかの仕掛けがある」ということになる。そのこと自体が陰謀であるということを、しっかりと解説できる陰謀論者は、今のところ日本にはいないようである。
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