「宇田川源流」 30年前に東西が合併したドイツが中国に関し正反対の記事を掲載

「宇田川源流」 30年前に東西が合併したドイツが中国に関し正反対の記事を掲載


 中国の経済については、日本だけではなく、欧米各国も注目している。少なくとも「軍事費」に多くの予算をつぎ込んでしまった中国には、残念ながら経済大国としての大きな飛躍は望めないというのは、歴史が教えてくれる事実だ。

実際に「太陽王」といわれ、重商主義経済を行ったフランスのルイ十四世は、「朕は国家なり」という言葉が示すように領土拡大政策を行い、オランダ侵略戦争など大きな外国征伐戦争を行い、フランス絶対王政の全盛期を迎えた。しかし、それらの軍事費の増大は国家財政の負担をもたらし、そのことから、フランス経済は崩壊する。ルイ十六世の時代にはフランス国内で多くの人が満足な食事ができないことになり、そのことからフランス革命に発展することになる。映画「マリーアントワネット」のコマーシャルでは「パンが食べられないならばケーキを食べればいいじゃない」というような発言が有名になったが、実際この言葉は、マリーアントワネットが発言したものではないとされている。中国でも『晋書』恵帝紀光熙元年(306年)に同じような話が伝わっている。

さて、この状態が今の中国であるというような見方は間違っているであろうか。

もちろん類聚四世の時とは異なり、外国と戦争をしていることはない。しかし、ゼロコロナ政策などによって国民の生活は貧困状態にあり、そのうえで、経済政策は全く何もしないというような状態が続いている。不動産開発会社の開発省絵kンデフォルトなどで国際的な信用は失われ、海外の資本は中国を逃げ出すような状態になっているのである。

もともと社会主義の国であり、その為に個人の生活などには全く気にしないで、「国家全体のこと」というよりは「政権幹部の政権維持」しか観点がない。そのうえで「史的唯物論」によって、信用とか、約束とか、我々日本人が最も重要と思いまた、資本主義や市場経済では最も必要な経済的な素質を無視した経済政策が続いている。

そのうえで、その様な企業を肯定し、政府が「軍事的圧力」や「民間人の拘束」というようなことを行って、自国の制度や自国の経済政策を見直すことなく、他国に圧力をかけることで立て直そうとしている。それだけではなく、中国の経済は自由主義経済のルールとは全く異なる動きをしているということになる。

中国はいつ米国を超えるのか―独メディア

 2024年2月19日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の国内総生産(GDP)が米国を抜く日がやって来るのかについてドイツメディアのシミュレーション結果を紹介する記事を掲載した。

 記事は、独紙ディ・ベルトが掲載した文章を紹介。同紙が現在米中両国のGDPの差が約10兆ドルと非常に大きい一方で、中国のここ数年の急成長をみてきた人々からは「中国が米国を追い抜くのは既定路線」との認識を持っていたとし、20年には英国の経済ビジネス研究センターが「中国は28年に米国を追い抜く」との予測を示し、ほかの多くの機関が30?33年のトップ交代を予測していたと紹介した上で、「しかし、今では中国が米国を追い抜くことは永遠にないという声がますます多くなりつつある」と指摘したことを伝えた。

 そして、同紙がコンピューターモデリングにより算出した各種モデルを総合した結果「極めて有利な条件がそろわない限り、中国が米国を抜く可能性はない」との結論が示されたと紹介。「極めて有利な条件」の例として、中国のインフレ率が今後数十年間変わらないことや、米国の経済成長率の少なくとも2倍以上を保ち続けることなどを挙げるとともに、たとえこれらの条件をクリアしたとしても今から30年以上先の57年になってようやく米国のGDPを抜くことができるとした。

 記事は、中国が米国のGDPを抜けなくなる大きな要因として同紙が不動産危機を挙げ「日本のデフレが数十年続いたように、不動産バブルの崩壊は一国の経済に長期的な影響を与える可能性が高い」と論じたほか、現在中国に9億8000万人いる15?64歳の生産年齢人口が50年には7億6700万人にまで減り、高齢化や人口減少に伴う労働力不足も経済成長を鈍化させる原因になりうるとの見方を示したことを紹介している。(翻訳・編集/川尻)

Record China 2024年2月22日(木) 5時0分

https://www.recordchina.co.jp/b928785-s25-c100-d0193.html

中国人は再び貧困に陥るのか―独メディア

 独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは18日、「中国人は再び貧困に陥るのか」とする記事を掲載した。

 記事によると、米スタンフォード大学のエコノミスト、許成鋼(シュー・チョンガン)氏はこのほど、フリーランスの記者、袁莉(ユエン・リー)氏のポッドキャストに出演し、「中国経済には助かる見込みがあるのか」について議論した。

 許氏は、「中国の中間層の中には、再び貧困に陥るのではないかと恐れている人が少なくない。こうした状況は大規模に発生するか」との問いに、「実際のところ、これはここ数年来、すでに起こっていて、多くの中間層、中上流層は皆、この過程を耐え忍んでいる。大規模に失業しているのは労働者階級、つまり農民工(農村からの出稼ぎ労働者)だ。今問題になっているのは、経済が徐々に衰退していくにつれて、この問題がますます深刻化するということだ。確かなのは、これはすでに起こっていて、今後も続くということで、それがどれくらいの速さで悪くなるかということだけが不確かだ。金融危機が起きれば、それが速くなり、瞬時にして大規模かつ大量の失業者が発生することになる。金融危機が起きなければ、『ゆでガエル理論』のようにゆっくりと悪化していくことになるだろう」との認識を示した。(翻訳・編集/柳川)

Record China 2024年2月23日(金) 8時0分

https://www.recordchina.co.jp/b928877-s25-c20-d0192.html

 中国の経済が発展しない理由として、一つは上記に書いたように「信用」を無視してしまうということになる。そのことは、そのまま「継続的な取引をしない」ということになり、長期的なヴィジョンで経営や収益を考えることができなくなっているということを意味している。このことが共産主義特有の唯物史観に基づき「目に見えないものを無価値とする」というようなことがこの原理につながるのでしょう。

二つ目は、「ものまね」である。単純に産業スパイなどの使い方が下手ということになる。本来物まねをするときは、「物まね芸人」などと同じように「目的」がある。唯物史観にあるように「結果」だけをマネするのであれば、実は誰もできてしまう。しかし、「なぜそのようになるのか」「どうしてこのような発想になるのか」ということが見えていないと、結局その時はよくても次のレベルに進むことができない。開発を「線」でその歴史や精神から引き継げば、次の進む方向もわかるが「点」で真似してしまってはそこで終わってしまう。中国は、多くの産業スパイによって一時的に発展を遂げたが、残念ながら、その後の発展がうまくゆかない。それは、「点」でスパイした技術を使っているからにほかならず、その開発の精神などは全く学んでいないということになる。もちろん「唯物史観」であることがそのようにしてしまうのかもしれない。精神など学んでも意味がないというように考えてしまう可能性がある。

この点では、まだ胡錦涛の頃、マイクロソフトのビルゲイツが中国を訪問し「物まねをすることは、スパイされた我々ではなく中国の技術者の人々が、今まで研究していたものを捨てなければならず、オリジナルを作ることができなくなり、開発そのものがなくなるということになり、中国の将来が危ぶまれる」ということを言っている。もちろん、嫌味も含めてのことであるが、まさにその「将来危ぶまれる中国」になったという事であろう。

そして三つめは「無責任体質」であろう。日本でも見られるように、中国人は都合が悪くなれば逃げてしまう。今回の恒大集団も同じで、結局は債権者に対して責任を負うことはしない。その様に考えれば「最期まで真剣に考えない」ということになるし、また債権者(投資家)は何を信用してよいのかもわからない。

その様な相手に何を期待するのであろうか。

資本主義というのは相手に対する期待と信用である。その二つがなくなってしまえば、実は中国というのは「日本よりもひどい埋没観」がある。そのうえ、水害ななどで農業も崩壊してしまっており、政治的に安定していないのでウイグルやチベットなどの大きな問題を抱える。その様に考えれば、「中国がアメリカを超える」どころか、これから下がってくるということになりかねない、その時に戦争リスクがあるということになるのである。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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