「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 母の仇との対面に見る「平安女性の強さ」

「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 母の仇との対面に見る「平安女性の強さ」


 毎週水曜日は、NHK大河ドラマ「光る君へ」について、なんとなく好きなことを書いている。一応私は今のとこと「歴史小説家」ということになっていて、歴史とその創作物に関しては、それなりに「専門家」であるはずなのだが、このブログを見る限り、私が小説家であるというようなところは全く見えないということになっているので、毎週水曜日は「小説家」として、好き勝手なことを書かせていただいている。

さて今回はまず、史実としての藤原道兼(玉置玲央さん)について見てみよう。道兼とは、ドラマの中ではまひろ(吉高由里子さん)の母ちやは(国仲涼子さん)を殺した「嫌な奴」という役柄になっている。

『栄花物語』では、道兼の容姿は「顔色が悪く毛深く醜かった」と酷評されている。また、性格について『大鏡』では「非常に冷酷で、人々から恐れられていた」と記している他、面倒で意地が悪く、長幼の順序もわきまえずに、兄の道隆をいつも諭しているようなところがあったとされている。このように人格に難のある人物として評する一方で、『栄花物語』では老成して男らしい人物とも評価している。もちろん、栄花物語はあくまでも「物語」であるので、そのキャラクターというような意味合いもあるのではないか。

さて、史実では、父・兼家(段田安則さん)の意を受けて花山天皇(本郷奏多さん)を唆して出家・退位させるというような役割を果たすいわゆる「寛和の変」の主役である。その様にして、一条天皇が即位すると外祖父の兼家は摂政となり、道兼も栄達した。兼家が死去すると道兼の期待に反して長兄・道隆が関白となった。道兼は自分は父に功があったのだから、当然に関白を継ぐべきだと望んでいたのに道隆が後継に選ばれたことを甚だ憎み、父の喪中であるにもかかわらず客を集めては遊興に耽ったという。5年後に道隆が病死すると、待望の関白になるが、その僅か数日後に病死した。そのため「七日関白」と呼ばれる。

道兼の子、兼隆より以降公卿になった者はなく、その子孫が関東の宇都宮氏であるという俗説もある。ちなみに宇都宮氏の系譜にはそのように書かれている。

【光る君へ】「直秀」毎熊克哉、まひろへの胸キュンの一言「一緒に行くか?」にネット悶絶「私も言われたい!」

 女優・吉高由里子主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜・後8時)の第8話「招かれざる者」が25日、放送された。

 今回、倫子(黒木華)たちの間では、打きゅうの話題で持ち切り。斉信(金田哲)らの心無いことばを聞いたまひろ(吉高由里子)は心中穏やかでない。

 そんな中、宮中で兼家(段田安則)が倒れる。安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)のおはらいが行われるが効果はなく、道長(柄本佑)ら兄弟が看病にあたる。一方、為時(岸谷五朗)を訪ねて道兼(玉置玲央)がまひろの家に突然、現れる。母のかたきと対峙(たいじ)することになったまひろだったが…というストーリーだった。

 (以下、ネタバレがあります。ご注意下さい)

 今回、初回から登場し、その存在感で女性視聴者を釘付けにしているオリジナルキャラクター・直秀(毎熊克哉)が大活躍。散楽の役者である一方、義賊であり、道長とまひろのキューピッドを務めるかと思えば、恋敵にもなる直秀は今回、道長への思いを断とうとするまひろの前に現れると、自らが見てきた都の外の世界の話を口に。

 「海もあるの?」と興味津々のまひろに「一緒に行くか?」と突然、問いかけ、「行っちゃおうかな?」と答えられた途端、「行かねえよな」と、“乗りツッコミ”する胸キュンシーンを展開。この一幕にネット上には「私も直秀さんに『一緒に行くか?』と言われたい!」という声が殺到した。

 しかし、物語最終盤では、道長と兄弟のような仲となった直秀が東三条殿に盗みに入り、仲間ともども捕らえられる場面が。盗賊の正体が直秀と分かった道長が大きく顔をゆがめるシーンで「つづく」の文字が入った。

 この展開にネット上には「直秀くん…」、「直秀、捕まってほしくなかった」、「直秀…。来週、辛くて見れないかも」などの悲痛な声があふれた。

 これまで、いい雰囲気の道長とまひろの間に突然、現れ、「邪魔しちゃった?」とつぶやくなど、お茶目な魅力でドラマ序盤最大の人気者となった直秀の迎えた窮地に、放送中にはX(旧ツイッター)のトレンドワードで「#光る君へ」が1位に急浮上した。

 大河ドラマ63作目となる同作。吉高は2014年に連続テレビ小説「花子とアン」のヒロインを演じており、朝ドラと大河の両作品の主演は4人目になる。

 脚本は2006年の大河ドラマ「功名が辻」やドラマ「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」「星降る夜に」などを手掛けた大石静氏が担当。大河の中でも数少ない平安時代を舞台に、世界最古の女流作家とも呼ばれる紫式部/まひろ(吉高)の生涯を描く。音楽は冬野ユミ氏、語りはNHKの伊東敏恵アナウンサーが務める。

2024年02月25日 20時45分スポーツ報知

https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12265-2828031/

 さて、ドラマに戻ろう。今回は、まずは先週の「打球」の後の女性のうわさ話から始まった。そこには、直秀(毎熊克哉さん)の姿を思い出し、うっとりする赤染衛門(凰稀かなめさん)の姿も。倫子から「衛門たら、人妻なのに」と指摘されるも、赤染衛門は「人妻であろうとも、心の中は己だけのものにございます」と言い返し、女子たちから「キャーッ!!」との声が上がった。まあ、当時の女性は「通い婚」であり、女性が意外に自由に浮気もできていたという。多くの人のイメージは「平安時代の女性は、男性に虐げられていた」というようなことを思っているのかもしれないが、実際は、以外に自由に恋愛をしていたのではないか。もちろん、赤染衛門が浮気をしていたのかどうかはわからないが、しかし、この場面は、平安時代の女性の一般的な内容をうまく表しているということになる。そこを大河ドラマでは、うまく「女子会」の中の会話ということで表している。

その女子会の中心人物である源倫子(黒木華さん)と藤原道長(柄本佑さん)の結婚話が出る。この時点では花山天皇への対抗措置として、右大臣家の藤原兼家と、左大臣家の源雅信(益岡徹さん)が連合するにあたり、両家の男女が婚姻するというような「政略結婚」が協議された。もちろん、この時期の結婚というのは、そのように親が決めるものであり、家として結婚をするというような感じになる。そのような意味では、後に本当に結婚する二人の間に、このような話があってもおかしくはないということになるのではないか。

そしても一つ、その道長に好意を寄せているまひろが「家柄ではない」として諦め、ある意味で「家柄」ということで達観するということが書かれている。その達観した内容こそが、「道兼との同席」ということになろう。母の仇である藤原道兼と面会し、そこで琵琶を引き、そして母の事を語るという状態になっている。そこに平安時代の女性の強さが見えているのではないか。

同時に、上記の記事にある「直秀」と「まひろ」の庶民の会話であろうか。ある意味で直秀とまひろと道長の三角関係がうまく書かれているのではないか。

歴史的事実に、当時の時代考証、そしてそこに平民を混ぜ込んでうまく物語を作る。歴史の内容をうまく使った「物語」ということになる。非常に面白い内容ではないのか。歴史小説というのはこのようなものである。そしてその濃厚な人間関係をうまく描いている気がする。戦争がない分、その人間関係をうまく表現できているのかもしれない。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

0コメント

  • 1000 / 1000