「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 好きな人は親の仇の弟という展開

「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 好きな人は親の仇の弟という展開


 毎週水曜日は、大河ドラマ「光る君へ」について、なんとも適当なことを語っている。実際に、このあたりのと言っては悪いが、紫式部の若いころの内容などは、ほとんど記録などに残っているものではない。その様に考えれば、この辺の話はかなりのところで「創作」である。

さて、まずは創作ではない方の話をしてみよう。

さて今回は段田安則さんの演じる藤原兼家の話をしてみましょう。藤原北家、右大臣・藤原師輔の三男でありながら、父の名を受けて三男であることから長兄・伊尹の政権基盤確立のための宮中掌握政策の一翼を兼家が担っていた。摂政となった伊尹が引き続き兼家を重用されたが、この過程で次兄・兼通と官位が逆転し、冷遇された兼通との確執が生じる。重病の伊尹が辞表を提出すると、角質の会った次男の兼通が関白となり、兼家が冷遇されることになる。その兼通も病気に倒れたが、兼通は、最後に兼家の邪魔をして関白を一族の長老である藤原頼忠にしたのである。兼家はその時に右大臣に昇進する。

まさに、この藤原頼忠関白、兼家が右大臣の時が、今大河ドラマで行っている時代の話である。

右大臣に進められた兼家は、廟堂に復権し、娘の詮子(吉田羊さん)の入内もかない、懐仁親王(後の一条天皇)に恵まれた。詮子を中宮に立てることを望む兼家だったが、天元5年(982年)、頼忠の娘・遵子を中宮となした円融天皇に失望して、以後、詮子、懐仁親王共々東三條殿の邸宅に引き籠ってしまった。さらに、憂慮した円融天皇による東三條への使いに対し、ろくに返答もしない有様だった。

ちなみに、このあたりが今のドラマのところで、円融天皇が毒殺されかかり、(または毒を盛られて退位を余儀なくされ)、そしてその毒を盛ったのが、藤原兼家に依頼された詮子であると疑いをかけられて、仲が疎遠になったというように描写されている。

詮子の法から疎遠になったのか、あるいは円融天皇が嫌ったのかは、多分記録がないと思われるが、しかし、その辺の話はなかなか興味深いところであろう。さて、記事の後ろは今回のドラマに関する内容を書くことに使用。

【光る君へ】秘かに思い続けた三郎の正体は…まひろ襲う衝撃展開にネット震撼「これは残酷過ぎる」

 女優・吉高由里子主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜・午後8時)の第4話「五節の舞姫」が28日、放送された。

 (以下、ネタバレがあります。ご注意下さい)

今回、互いに身分を偽ってきたまひろ(紫式部=吉高由里子)と三郎(藤原道長=柄本佑)だったが、まひろが、ついに素性を明かす。道長も真実を語ろうとするが…。

 その頃、円融天皇(坂東巳之助)の譲位を知った詮子(吉田羊)は挨拶(あいさつ)のために謁見(えっけん)するが、思いもよらぬ嫌疑をかけられる。

 ある日、まひろは源倫子(黒木華)からの依頼で、新たに即位した花山天皇(本郷奏多)の前で五節の舞を披露する舞姫に選ばれる。そこでまひろは驚愕の真実を知ることに…というストーリーだった。 

 今回、互いに身分を明かさずにすれ違ってきたまひろと三郎が、ついに本音で語り合う。「会いに行くと言ったのに、1度しか来なかったじゃない?」と責めるまひろに「なぜ、それを知っている?」と問いかける三郎。

 ラブコメのような展開にネット上では「この2人、かわいい」、「まひろと三郎、甘酸っぺえな」、「胸がキュンキュンする~」という声が殺到。

 「私は藤原為時の娘です」と明かしたまひろに続いて「俺も今度会った時に話そうと思っていた。俺は…」と三郎が言いかけたところで、後にまひろの夫となる藤原宣孝(佐々木蔵之介)が登場。2人の会話を遮る形になると「出た! 言わせねえよ」、「お約束の邪魔」、「ちょっとした三角関係の図スタート」の声が。

 最終盤では、倫子に代わって五節の舞を披露したまひろの美しさに「由里子ちゃん、めっちゃ綺麗」、「これぞ平安時代。目も耳も幸せ」、「雅やかですね~」などの賛辞の声が集まったが、まひろは舞いながら、自分の目の前で母を殺害した藤原道兼(玉置玲央)を発見。その隣に座る三郎の姿も目にしてしまう。

 舞姫仲間に「あの方は道長様よ」と知らされ、思い人が母の仇(かたき)であることを知った、まひろがその場で倒れ伏す場面で「つづく」の文字が。

 あまりにショッキングな終幕にネット上には「こんな形で三郎の素性を知るなんて…。残酷過ぎる」、「愛する君は母の仇…。キツ過ぎる」、「まひろ、かわいそうで予告見ただけで泣ける」などの悲痛な声が集まった。

 母の死を胸に抱え、耐え抜いてきたまひろを襲った衝撃展開に放送中にはX(旧ツイッター)のトレンドで「#光る君へ」のワードが1位まで急浮上した。

 大河ドラマ63作目となる同作。吉高は2014年に連続テレビ小説「花子とアン」のヒロインを演じており、朝ドラと大河の両作品の主演は4人目になる。

 脚本は2006年の大河ドラマ「功名が辻」やドラマ「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」「星降る夜に」などを手掛けた大石静氏が担当。大河の中でも数少ない平安時代を舞台に、世界最古の女流作家とも呼ばれる紫式部/まひろ(吉高)の生涯を描く。音楽は冬野ユミ氏、語りはNHKの伊東敏恵アナウンサーが務める。

2024年1月28日 20時45分スポーツ報知

https://hochi.news/articles/20240128-OHT1T51271.html?page=1

 さて、今回の内容は、まひろ(吉高由里子さん)が、源倫子(黒木華さん)からの依頼で花山天皇(本郷奏多さん)の前で五節の舞を披露することになり、そのことから、藤原さん兄弟道隆(井浦新さん)、道兼(玉置玲央さん)、道長(=三郎:柄本佑さん)のことがわかる。

その道兼が、幼いころまひろの母親を殺した道兼であるということがわかり、まひろはショックを受けることになる。その様な流れになっている。その前には、花山天皇即位のいきさつが出てきている。上記にも書いたように、毒を盛ったことなどが円融天皇にばれていて、その兼家への不信感がそのまま兼家の娘である詮子に向かう。「恨み続ける」というような形になるということを言われ、そのことによって、父兼家の宴会に入っていって抗議するという場面も書かれている。

ある意味で、二重三重の愛憎劇があり、なおかつ、そのまひろが愛した男は母の仇の弟ということになる。その様にすることによって、道長が天下をとった時に、紫式部との関係が深くなることになる。またまひろの文才ということもあるが、実は藤原道長の義母であり、今回出てきていない道長の兄である藤原道綱の母、つまり兼家の側室の一人は、「蜻蛉日記」で有名な「藤原道綱の母」ということになる。その様な意味で道長が自分の周辺にも文才に明るい女性に対してあこがれるということを感じるような素養があるということになるのである。

藤原道長のなんとなく淡い恋心、そして、家柄や格式にこだわらないというような感覚、またまひろのその様な思考、そして母の死とその母が殺されたにも関わらず、父がそれを許したというような様々な背景がうまく書かれているのではないか。

はっきりいって「これで歴史を学ぶ」などということはできないが、しかし、陳腐な現代劇を見るよりはかなり面白いのではないか。

宇田川源流

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