「宇田川源流」 経済対策の失敗か?ソウルに抜かれた東京の物価

「宇田川源流」 経済対策の失敗か?ソウルに抜かれた東京の物価


 韓国のランチの物価が、日本の東京の物価よりも上がっているという。中にはほとんど倍になっているという。このニュースを見て「安いのはよいことだ」というようなことを考える人はいるのかもしれないが、しかし、それでよいのであろうか。単純に安ければよいというような風潮は、全くよくないということになる。

物価というのは、徐々に高くなることが最も好ましいと思われている。実際に日本が鎖国をしているのであれば問題はないのだが、しかし、貿易をしている以上は他の国も物価が上がる。今の発展途上国が今のままずっと発展途上のままということになるわけではないので、それらの物価の上昇に合わせ徐々に物価が上がってゆくということになるということになるのである。このことから「アベノミクス」では、物価上昇(インフレターゲット)を2%と設定していたのである。この2%は、当然に、各企業における利益が1%程度上がりその部分が従業員に分配されるということになるのではないか。

アベノミクスでは、民主党政権の時代(安倍内閣の前の野田内閣や菅直人内閣)の時代に比べて日経平均の株価が8000円台から25000円になったのであり、単純に企業価値が約3倍になるということになった。そのことから、「プチ贅沢」というようなことができるようになったのは記憶にあるだろうか。

しかし、アベノミクスがその後、評価されなくなったのは、基本的にその後従業員の多くにその金額が回らなくなったということを意味している。基本的に、各企業が「内部留保」をしてしまい、そのまま従業員の給与が上がらなかったということを意味しているのである。しかし、内部留保をしないようにするというような法律を作ることはできないし、また内部留保に課税するというようなことはできないということになったのである。

安倍元首相が非業の死を迎えた状況であり「新しい資本主義」を標榜していた岸田内閣は、その内容の経済政策をしっかりと行わなければならない。株価が30000円台の中で、それらの国民の富が国民一人一人に分配される仕組みを作らなければならなかったはずであるが、残念ながら岸田首相はそのようなことは全くできなかったのである。今の支持率の低下は、そのことも十分に含まれている。

「東京とソウルの物価の逆転現象が深刻化」と韓国メディア、会社員のランチ代平均は韓国が日本の2倍

 2024年1月22日、韓国メディア・アジア経済は「韓国の会社員の平均的なランチ代は日本の約2倍だ」と伝えた。食材、人件費など物価の上昇によりランチ代が上がっていく「ランチフレーション」の影響で、「東京とソウルの物価の逆転現象が深刻化している」と指摘している。

 KB国民カードが昨年1~5月にソウル・首都圏の主要なオフィス街5カ所で昼食時間帯のクレジットカード利用額を分析した結果、汝矣島(ヨイド)の平均が1万2800ウォン(約1400円)、光化門(クァンファムン)が1万2400ウォン、江南(カンナム)が1万800ウォンなどで、いずれも1万ウォンを超えていた。

 韓国消費者院の資料によると、先月のソウルの主要外食8品目平均価格は1年前より6%上昇した。キムチチゲ定食1人前が8000ウォンを超え、サムギョプサル1人前(200グラム)は1万9429ウォン、冷麺1人前1万1308ウォン、ビビンバ1万577ウォンなどとなっている。企業の社員食堂やコンビニ弁当の値段も急激に上がっているという。昨年のコンビニ弁当の物価上昇率は5.2%で、前年の2.1%を大きく上回った。

 記事は「日本の会社員のランチ代はソウルの半額程度だ」として、日本の状況を詳しく伝えている。SBI新生銀行の調査では、昨年の会社員の平均ランチ代は男性624円、女性696円だった。LENDEXが20~50代の会社員男性を対象に昨年実施した調査では、1回のランチに使う予算は「500円未満」との回答が22.6%、「弁当持参なので費用はかけない」が26.1%に達する結果が出た。吉野家が昨年、牛丼並盛りの値段を18円上げた際、日本人からは不満の声が上がったが、韓国人から見れば「そんなに安くて大丈夫かという値段だった」とも紹介している。

 そうした状況で、日本ではオフィス街に比較的安価なランチを販売しに来るキッチンカーが人気なことや、コンビニチェーンでは300~500円程度で弁当が買えること、さらにはローソンストア100の200円弁当がヒットしたこと、それも負担に感じる会社員は弁当を持参していることなども伝えている。

 この記事に、韓国のネットユーザーからは「韓国の物価はどうかしているよね。詐欺師気質の悪徳商売人は反省してもらいたい」「詐欺師DNAの入った国民性だからな」「商売人たちが問題だ」「韓国の場合は、ここに食後のコーヒー代もプラスしないと」「日本は量が半分だから値段も半額なのでは?。韓国の飲食店は、特に女性は食べ切れないほど1人前の量が多い」「日本の飲食店は単一品目で提供するが、韓国の飲食店は複数のおかずを出す。その代金も含まれるから値段が高い」など不満の声が寄せられている。

 また「でも今は韓国の方が賃金が高い。そこも考えて多角的に比較すべきでは?」「日本は20年間年俸が上がっていない。経済崩壊が進む国と比較しても意味がない」「高いのは理解できるとしても、その値段に見合った価値なのかは分からないね」といったコメントも見られた。(翻訳・編集/麻江)

2024年01月23日 13時00分RecordChina

https://news.nifty.com/article/world/china/12181-2752400/

 社会的な富や日経平均の株価が、国民の一人一人に分配されることがないというような状況が続き、その上で、ロシアのウクライナ侵攻で小麦と原油の値段が上がった。その様な「物価高騰」に全く対応できないということが、今の岸田内閣になる。

このことから、上記の記事のコメントにもあるが「日本は20年間年俸が上がっていない。経済崩壊が進む国と比較しても意味がない」<上記より抜粋>というように、20年間年俸が上がっていないということになるのであるから、この指摘は悔しいところもあるが実際に当たっているということになる。

基本的に、経済自由の原則があるということになりながらも、しかし、過分な企業の内部留保をそのまま放置っし続けるということがよいはずがないのであろう。企業がもうかりながら、国民からは全く見放されるというような状況になってしまっているということになる。

もともと、「企業が倒産してしまったら、そこに勤める従業員がすべて路頭に迷う」ということから、ある程度の赤字であっても会社が存続できるように、ある程度の内部留保は認める必要があるし、また会社が新規事業を始めるための準備金も必要になるはずである。しかし、その内容が過分になれば、会社がよくなるということでは愛。日本においては「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということになる。

その結果がこのようになる。韓国を馬鹿にしている保守派もいるが、実際にはそのような状況ではなく、日本の方が経済的に、もっと言えば、日本の国民の方が韓国の国民よりも貧しい生活をしているということになる。

もちろん「安価な値段でできるような企業努力がある」ということもある。しかし、平均がその様になってしまっているということは、単純に企業弩両区ができるようなないようなものではないということになるのである。

さて、様々なことを言うどころではなく、岸田内閣が経済政策をしっかりと行うということにならなければならないし、また、岸田内閣ができないのであれば、岸田首相を変えなければならないであろう。そういえば、「スキャンダル」が多くまた、能登半島の災害などもあるが、しかし、岸田首相が就任当初言っていた「新しい資本主義」はどこに行ってしまったのであろうか。同時に、その会議はいつの間にか何もなくなってしまったが、その様な「結論も出ていないのにブームが過ぎ去ったからやめてしまったような経済政策」でよいのであろうか。

国民はしっかりと自分のこととして政治を見てゆかなければならないであろう。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

0コメント

  • 1000 / 1000