「宇田川源流」 次々と外資が撤退する中国の「亡くなった魅力」

「宇田川源流」 次々と外資が撤退する中国の「亡くなった魅力」

 中国から外資が撤退している。中国における商売がしにくくなったというよりは、中国に企業として進出しているメリットがなくなった、ぎゃじゅい中国と一緒にいることの方がリスクとなってきたということをいみしてきている。

も祖茂と中国への外資の進出というのは、一番初めは毛沢東の時代、毛沢東の理念や共産主義を手伝うというような形で「中国は第二の祖国」などといっていたアルプス電気やYKKなどが進出していた。少なくとも敵国「アメリカ帝国」といわれたブルジョワジーの権化であるアメリカ企業は中国には出ていなかったが、しかし香港を当時は租借していたイギリスなどは当然にうまく中国の中に入り込んでいた。

その内容が変わったのは、鄧小平による改革開放経済政策である。1977年78年位から徐々に改革開放が行われた。当時は中国と韓国は、現在の北朝鮮のように「近くて遠い国」というようになっていたし、1970年代は、改革開放といいながらも中国人の多くは人民服を着て、自動車などがないので、多くの人があさ、自転車で人民公社に通勤する姿が出てきた。そのような中国をうまく日本に広めたのがNHKの「シルクロード」と日本テレビの「西遊記」であった。

『NHK特集 シルクロード』は、1980年代前半と1988年から1989年に、NHK総合テレビジョンの『NHK特集』で、毎月1回放送されたシリーズ・ドキュメンタリー。1979年から1980年にかけ取材し、NHKと中国中央電視台により中国・西安を出発点に、中国領内シルクロードの共同取材が行われ、全12回シリーズ『日中共同制作シルクロード 絲綢之路』 が、1980年4月から1年間放送された。外国メディアにより、中国領土内のシルクロードの取材が認められたのは、この番組が初めてで、大きな関心と反響を呼んだ。またソビエト連邦のアフガニスタン侵攻によりアフガニスタン取材が不可能であった事やイラン革命後まもないイラン、イラン・イラク戦争当時のイラン・イラク両国の取材など、歴史紀行番組ではあるが当時の国際情勢も反映していた。井上靖、司馬遼太郎、陳舜臣、加藤九祚等の作家・東洋学者が、現地でゲスト登場した回もあり、番組ナレーションは石坂浩二、音楽は喜多郎が担当した。喜多郎は本番組の音楽が評価され、第18回ギャラクシー賞・選奨を受賞している。

一方日本テレビの「西遊記」は、日本テレビ開局25年記念番組として企画・制作された。1978年は日中平和友好条約が調印された年であり、当時としては画期的な中国ロケが中央広播事業局(現在の国家広播電視総局)による協力のもとで行われた。なおこの時核実験を行ったタクラマカン砂漠でのロケが原因で女優の夏目雅子さんが白血病になったというような都市伝説がある。真相は不明だ。

外資撤退ブーム?米2企業が中国に別れを告げる―独メディア

 2023年11月5日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、米国の世論調査会社ギャラップと資産運用会社バンガードグループの2社が中国から撤退することが分かったと報じた。

 記事は、英紙フィナンシャル・タイムズが4日、ギャラップ社の中国撤退を報じ、クライアントにはすでに一部のプロジェクトを中国国外の同社法人に移すよう助言したと伝えたことを紹介。同社は1993年に中国進出し、北京、上海、深センの3拠点を設けていたとし、これらの拠点を全て閉鎖する一方で現在数十人いる従業員の処遇については不明だと伝えた。

 また、同社は外国団体が国内で世論調査を行うことに関する中国の厳格な規則のため、同国での世論調査の実施は長い間困難に直面してきたと指摘。特にここしばらくは当局が反スパイ法の範囲を拡大し、外国のコンサルティング会社に対する監視を強めており、 3月にはデューデリジェンス会社ミンツグループの北京事務所を家宅捜索し、従業員5人を拘束し、4月下旬にも米経営コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーの上海事務所が、5月にもコンサルティング会社キャップビジョンがそれぞれ家宅捜索を受けたなどと紹介している。

 その上で、ギャラップがこれまで中国に対する否定的な態度を示す世界的な世論調査結果を発表してきたことで中国当局の不興を買ってきたとし、中国政府系メディアである環球時報が今年「ギャラップの世論調査は 中国を封じ込め、米国の支配を維持するための道具だ」と批判していたことを伝えた。

 記事は、他の多くの多国籍コンサルティング企業も中国での事業を縮小する措置をとっていると指摘するとともに、2日付の米ブルームバーグの報道として米資産運用大手バンガードグループが上海の拠点を解散し、中国からの撤退を進めていると紹介。先月にはジャック・マー氏のアント・フィナンシャル・サービスと合弁で立ち上げた法人の株式をすでに売却していたことを併せて伝えた。(翻訳・編集/川尻)

2023年11月06日 16時00分RecordChina

https://news.nifty.com/article/world/china/12181-2642525/

 さて、ちょっと懐かしいのでテレビ番組の方に話がそれてしまったが、そのようなことで、日本の企業もまた日本人も中国に対してあまり警戒心を持たなくなった。もちろん当時の中国は世界の最貧国の中の一つであり、雑踏の中に人民服の人々が多くいる感覚であった。それが改革開放経済によって発展させてゆくことになるが、それでも人件費は少なかった。GDP画20年連続で10%上がっているにもかかわらず、人件費は1980年代初頭のまま上がらなかったのであるから、その経済発展がいびつなものであり政策的に行われたことは明らかであるということになる。しかし、それは日本のような人件費の高騰した国にとってはかなり大きな魅力であり、そのことから多くに国、特に製造業が中国に進出した。日本ではパナソニックやキャノンというところが先に行き、そしてその進出した企業を目当てにしたホテルや小売業が進出することになる。日本ではヤオハンが有名であるが、私のいたマイカルも、大連に出店しているし、イトーヨーカドーもイオンも中国に進出している。

しかし、胡錦涛の時代になって共産党の起業家進出が認められるようになり、そして習近平になって政治的な「支配力」が高まるようになっていった。要するに「人件費が少ない」ということで企業をつって、そのあと技術などが入手出来たら政治的な理由やスパイ防止法などで追い出すという手法になる。そのような内容をやっていれば、当然に「リスク」しかない。日本企業も何社もがその犠牲にあっている。日本人でスパイとして逮捕された人は現在10名を超えており、そのほとんどが日本人としては納得のゆかないものばかりではないか。

当然にそのような中国のことを社会は見ている。「日本は別」などということを言っても、それは「資本主義・自習主義経済の原則から外れている」というようにしか見えないしまた、そのような中国とうまくやっているということは「差別主義」「社会主義的な企業」というようなレッテルを張られてしまうことになり、そのことから、今度は西欧資本主義の中で仕事ができなくなってしまうということになるのである。

このようなことを見れば、中国から撤退するのは当たり前の話であり、資本主義と社会主義市場経済の違いが出てきていて、それが欧米が認識してきたという事、そして、その政治的な習近平の支配や経済への介入が認められないということにつながるのではないか。そのような国と、いつまでも一緒にいる「社会主義的な日本企業」にならないようにしなければ、他の国で相手にされなくなってしまうのではないか。

宇田川源流

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