「宇田川源流」【現代陰謀説】 麻薬撲滅を訴えると暗殺される南米の闇
「宇田川源流」【現代陰謀説】 麻薬撲滅を訴えると暗殺される南米の闇
お盆休みで2週間空いてしまったので忘れてしまったかもしれないが、毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。
さまざまなぬーすがあし、そのニュースで示された事実から、その裏側を読み取るということを、ここで行っている。あまり皆さんの知らない情報をここでご披露することもしてもよいかもしれないが、まずは、インターネットで普通に読むことのできるニュースで「我々が普通に見えているニュースから、その内容から読み取れるニュースの裏側」を見ることをするべきではないかということで、そのようなことをお行っている。
さて、今回は南米エクアドルの大統領選挙の話である。
そもそも「選挙」というのは「民主的であり、中立公平で平和的な物事の決定手段」であるということが大前提である。それは、民主主義が「一人ひっ票の多数決」であり、なおかつ「同じ内容の情報を得ることによって自由意思によって判断することのできる投票行動の結果で判断される」ということになっている。このようなことは、「自由意思」「情報の開示」という二つの事が前提になっており、「自由」ということが中心に存在する。そのことから、「自由がない」つまり「立候補に制限がある」とか「投票権に制限がある」または「選択肢がない」「情報が十分に開示されない」という言うなことから、中国や北朝鮮やロシアなど、旧共産圏または現在も社会主義・共産主義を標榜している国家に関しては、「制度だけはは投票を行っているものの民主主義とは言えない」というようなことになっている。
当然に「買収」などの選挙違反は、「民主主義の破壊」につながるものであるし、また、日本の野党などが良く主張している「少数意見の尊重」というのは、審議期間中は当てはまっても、決定後はあくまでも多数決であるということであり、なぜかその辺までゆがめられているということになるのは、日本も徐々に民主主義がおかしくなってきているということが言えるのではないか。
しかし、本日の南米の事例は「それ以前の問題」である。
エクアドルで大統領候補が選挙活動中に射殺 事件の前に…少なくとも3件の殺害予告
集会場を出てきたのは、エクアドルの大統領選候補者のフェルナンド・ビジャビセンシオ氏です。車に乗り込んだ次の瞬間でした。
ロイター通信などによりますと、ビジャビセンシオ氏は9日、南米・エクアドルの首都で開かれていた政治団体の集会会場で銃撃を受け、死亡しました。
容疑者は、現場で警察との銃撃戦の末、死亡したということです。
さらに、銃撃の巻き添えになった9人が、けがをしました。
ビジャビセンシオ氏は、今月20日に予定されている大統領選挙に立候補していて、麻薬密売に対する取り締まり強化などを訴えていました。
この事件の前に、少なくとも3件の殺害予告があったということです。
これを受け、エクアドルのラソ大統領は、「この件に関して憤りを覚え、ショックを受けている。遺族に哀悼の意を表します。必ず犯人を処罰すると約束します」と声明を発表しました。
(「グッド!モーニング」2023年8月11日放送分より)
2023年8月11日 11時57分 テレ朝news
https://news.livedoor.com/article/detail/24782258/
暗殺された大統領候補…妻悲痛「誰がシナリオを」 脅迫していた受刑中のギャングリーダー移送 警察・軍など4000人動員 エクアドル
南米・エクアドル。会見場にやってきた女性は、ヘルメットに防弾チョッキ姿。
その横には銃を持った兵士が立っている。女性は、暗殺された大統領候補の妻だ。
暗殺された大統領候補の妻:
夫の死について、誰がシナリオを書いたのか。この国の政府が答えるまで、私は人生の最後の日まで休むことはありません。
元国会議員のフェルナンド・ビヤビセンシオ氏。ジャーナリスト出身で汚職を追及し、麻薬組織の撲滅を訴えて、大統領選に立候補していた。
しかし、先週、頭に銃弾3発を撃ち込まれ暗殺されたのだ。
これを受け、ビヤビセンシオ氏を脅迫していたとされる受刑中のギャングのリーダーが、別の刑務所へ移送された。
兵士の横でパンツ姿の受刑者たち。その横をヒゲをたくわえた男が連れられていく。
外に出ると盾で取り囲まれ、顔に布がかかった状態で、厳重に警備された刑務所に入っていった。1人の男に対し、動員された警察や軍の人数は約4000人。
エクアドルでは非常事態宣言が発令されているが、20日に行われる選挙は予定通り行われる予定。
(「イット!」8月14日放送より)
2023年8月15日 6時10分 FNNプライムオンライン
https://news.livedoor.com/article/detail/24800832/
昔、日本の選挙で「実弾」という単語を使うと、隠語で「買収用資金」という意味であった。「あの選挙区に実弾をぶち込め」というのは「敵対陣営のトップを買収せよ」というような話になる。もちろん現在で言えば選挙資金規正法や公職選挙法に違反する内容になる。昔もそうであったが、逆に、昔は「そのようなことをやってもばれない方法」というのがあった。もちろんここでそのようなことを書くはずがないが、当然に、そのような「違法」な方法の継承は、現在も与野党ともに行われている。これは「選挙を知っている人」に帰属する問題であるから「新規の政党だからクリーンである」などと言うような迷信を信じるのは、さすがに素人のそしりを逃れないであろう。
さて、今回はそのような日本の内容ではない。発展途上国に今から15年くらい前に行った時、「選挙だから実弾に気を付けるように」と言われたことがある。もちろん私は上記にある「現金による買収」の事と思ったが、こちらの実弾は「銃弾」であった。つまり、選挙の会合をしているところや、演説のところにマフィアが来て、、またはテロリストが来て、その場を取り囲むように車から降りてくると、有無を言わさず引き金を引くのである。このような輩は逮捕されるのであるが、しかし、そのような「殺人者」や「マフィア」を雇った候補が当選して政治権力を握れば、当然に釈放される。
要するに「実弾で相手を殺しても勝てば無罪になる」というような状況なのでである。刑務所だからそんなことはないと思うかもしれないが、日本のルフィ事件で見たようなフィリピンの刑務所のように、発展途上国の刑務所は。その刑務所の建物そのものが大きなマフィアの組織で刑務官がボスの言いなりになっていることなどは不思議な光景ではないのであろう。
さて、ではその資金源はと言えば「武器」と「麻薬」である。
エクアドルではその麻薬撲滅を訴えた大統領候補が、選挙運動中に暗殺された。
この事でわかるのは「通常の民主主義であれば(暗殺がなければ)、麻薬撲滅の大統領に、麻薬容認の大統領候補は勝てなかった」ということであろう。そのうえで、そのような非常手段を取らなければならなかったということになるし、また、上記にあるようにギャングの組織がそれだけ力を持ち政治にも影響しているということになる。同時に、ここには記事はないが隣国などにも影響があるギャング組織であるということから、当然に「ギャング組織の方が国際的である」というようなことになり各国の主権や国境の壁によって守られているということになるのであろう。
残念ながら、「民主主義」「自由」よりも、大事なものがこのような国にはあり、優先されるべきものがあるということになる。暴力で民主主義がゆがめられるというのは、我々先進国の人間にはわからないところかもしれないが、それを容認してしまう国の雰囲気や国民の貧しさというものがあるのである。そのような背景をしっかりと学ぶ必要があり、そのうえで、このような事件を見なければならないのである。
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