「宇田川源流」 中国版失われた30年が始まったという各専門家の見方

「宇田川源流」 中国版失われた30年が始まったという各専門家の見方


 中国の不動産価格が下がっている。もちろん中国のことであるから、どこかに責任を転嫁して、起業家などを逮捕しその資産を回収して、負担を投資家に求めて終わってしまうということになる。しかし、そのようにすることによって、一つは銀行が債務超過になるリスクがある。いわゆる貸し倒れが増加し、そのことによって経営が悪化することによって銀行が倒産するのである。

日本では、バブル崩壊時例えば北海道拓殖銀行が廃業した時など、北海道拓殖銀行をメインバンクにしていたすべての企業が経理悪化しまた新規の投資ができなくなった。もちろんそれはある意味覚悟されていたことになるが、しかし、ほかの銀行も自分たちも北海道拓殖銀行のようになるのではないかということから、いわゆる「貸しはがし」や「不動産担保の追加」などをおこない、それができない企業から容赦なく取り立てを行った。。要するに日本の銀行すべてが「貸しはがしなどを行い、資金の新規投資をしなくなった」結果が、現在の「失われた30年」の始まりである。そのようになり、会社経理が悪化し、企業が徐々に倒産したりまたは日本における資金調達が難しくなったことから、海外に活路を見出すようになり、日本の投資家や一般の人々も、全く投資をしなくなってしまったのである。そのことがより一層金融市場の冷え込みを誘うことになり、府のスパイラルが発生することになるのである。

さて、中国の不動産も同じような状況になる。単純に不動産市場が悪化するというのではなく、そのまま、「一般人の投資熱が冷める」ということが起きるのである。バブル経済というのは、銀行預金が「投資」という形につながりそのことによって、企業が実態以上の大きな投資を受ける状況のことを言うもちろんそれは資産価値が今後値上がりするという状況から行われるのであり「見込み投資」になるが、園値上がり曲線が、逆に値下がりになった瞬間に多くの人は「投資をしてもそれが目減りする可能性」を考える。場合によっては「ゼロ」どころか「マイナス」になってしまうのである。そのような投資をする浦井ならば「タンス預金」のほうが良い。要するに投資市場や金融市場の信用が「必要以上」に下がってしまうということになるのである。

「中国版リーマン・ショック」勃発も!? 信託大手が支払い遅延 〝隠しようがなくなった〟習政権、金融崩壊阻止に必死か

 中国の信託大手、中融国際信託で、期限を迎えた信託商品の支払いが滞っていることが明らかになった。香港メディアや米ブルームバーグが報じ、15日の産経新聞も報じた。同信託の主要株主である中国最大級の投資ファンド、中植企業集団の流動性危機が関連しているとの情報もある。習近平政権は問題の封じ込めに必死だが、不動産バブルが崩壊すれば「中国版リーマン・ショック」のような巨大金融危機に発展しかねない事態だ。この問題をウオッチしてきた産経新聞の田村秀男特別記者に聞いた。

■田村秀男氏が分析

 香港紙、明報(電子版)によると、上海証券取引所に上場する少なくとも3社が、投資していた中融国際信託の信託商品が期日までに返済されなかったと開示した。このうち湖南金博?素については、中融の信託商品に投資した6000万元(約12億円)に関連するものだという。湖南金博?素は開示文書で「財務状況は健全であり、正常な企業運営や日常的な資金需要には影響しない」と説明した。

 中融の主要株主である中植企業集団の流動性危機が支払い遅延と関連しているという憶測が広がっている。中植が管理する資産規模は約1兆元(約20兆円)だという。

 田村氏によると、中国の6月末の総融資残高は銀行系が230兆元(約4600兆円)、中植のようなノンバンク系が134兆元(2680兆円)で、ノンバンク系の比重が4割近くと先進国に比べて圧倒的に高い。ノンバンクの問題は中国経済の危機に直結しかねない。

 田村氏は、中植の問題について7月中旬から取材してきた。「中国国内のメディアはどこも報じず、投資家たちはSNS『微信(ウィーチャット)』を通じて各地に抗議グループを結成した。今月16日には北京の中植本社に押しかける予定だったが、参加者の自宅を警察署の担当官が訪れ、『北京には行かないほうがよい』と勧告してきたという」と経緯を説明する。中融に投資する上場企業3社の情報開示を受けた習政権は隠しようがなくなったという。

 SNSでは、約15万人の投資家に利払いが滞り、その元本総額は約2300億元(約4兆6000億円)に達しているという驚くべき情報もある。

■米国株暴落に発展も

 田村氏はこんな見通しを示す。

「SNSでは債務危機は『爆雷』と呼ばれている。習政権は金融崩壊を防ぐため、信託側に元本の支払いを約束させるなどの措置を取るだろうが、投資家の資金引き揚げが止まらない可能性もある。『中国版リーマン・ショック』に発展すれば米国株も暴落する恐れがあるため、ジョー・バイデン米政権も警戒しているのではないか」

8/15(火) 17:00配信夕刊フジ

https://news.yahoo.co.jp/articles/a28999ac5d0a0a3028b7389dc9ac1b38e3257789

中国の不動産市場がリスクに 内閣府報告、若年失業も

 内閣府は14日、世界経済を分析した報告書「世界経済の潮流」を公表した。先行きのリスク要因として、中国の不動産市場や地方財政の悪化による経済の下振れを挙げたほか、同国の若年失業率の上昇も注視する必要があるとした。半導体などを巡る米中貿易摩擦の解決や緩和は「容易ではない」と指摘した。

 報告書によると、中国の不動産市場の低迷により、地方政府が依存する土地使用権譲渡収入が減少。加えて、公式統計にカウントされない隠れ債務が地方政府に存在している。不動産企業や地方財政などの破綻が生じた場合、金融収縮や消費マインドなどの低下を通じて景気が下押しされる恐れがあるという。

2023年8月14日 16時10分 共同通信

https://news.livedoor.com/article/detail/24797857/

 バブル経済期は、日本も海外に投資をし、また一般人も「腰にウエストバック」をつけて海外旅行をしていた。それが中国に代わっていただけで、日本はそのような中国人に対して「爆買い」を期待するという「中国バブルのおこぼれ」をお恵みいただいている状況であった。しかし、これがコロナウイルスで、そうではなくなったのである。

日本のバブル崩壊は三重野日銀総裁による金融引き締めと、住専疑惑による住宅市場の冷え込みであったとされているが、中国の場合はそのような金融を調子よい状態を避けるような内容はしない。しかし、それが異なウイルスによる「ゼロコロナ政策」となれば別である。まさに「政治的なメンツ」がそのまま「中国の経済を悪化させる結果になる」ということになる。それが、そのまま問題に直結し、そのまま「バブル」が崩壊するという形になったのではないか。

さて、中国の場合は日本より悪化するというように言われている。

その理由は、上記にも書いてあるが簡単にまとめれば下記のとおりである。

1 中国のメンツ

 要するに、習近平に対して、金融担当や商業担当の人々が、自分が処罰されることを恐れて、事実を隠し、粉飾をすることになる。当然にその粉飾に合わせて、各省、そして各都市が粉飾をする。例えば習近平や李強が「今年は経済成長率5%」といえば、末端の市政府まですべてが「経済成長率5%」とかく。そのようなことはあり得ないのであるが、ものの見事に5%という数字が重なることになるのである。見事に粉飾であるということは間違いがない。その粉飾の実態は、「より大きなマイナス」になり、また、隠したことによってその対処が遅れる。対処の遅れは火事と一緒で、小さいうちにやればすぐに消すことができるが、対処を遅らせて増やしてしまうと、最終的には丸焦げになってしまう。そのような状況であろう。

2 規模の大きさ。

 日本は幕末に黒船が来てからすぐに日本人の場合欧米に切り替えた。もちろん戊辰戦争の混乱はあったものの、欧米の国々が日本を植民地化するような時間を与えるほどの状況ではなかった。しかし、中国の場合は、清国の末期から中華民国になるまで、規模が大きいだけに切り替えがうまくゆかず、その切り替えが完全に終わったのは、1970年代の改革開放経済ではないかといわれている。まさに、規模が大きいので小回りが利かない。そのことが、そのまま傷を大きくすることになる。

3 国民性

 日本の場合は国民性が高く、すぐに全国民が一致団結して対処し、変わる。また識字率なども高い。しかし、中国は民族が多く、文字も文化も違うので、中国全国民が団結することはない。そのことから、中央政府がかえようとしても国全体が変わるまでに壮大な時間がかかる。

このように考えてゆくと、日本でいう「失われた30年」よりも大きな経済的なマイナスになる可能性が高い。その場合、国内で生活ができなくなる人が増えて餓死者が出るか、あるいは国が荒廃して内戦が起きるか、あるいは、中国政府が他国に戦争を始めるか、いずれかであろう。その場合、「攻めやすい」国に入るのでk「憲法9条があるから攻めてこない」などというような迷信はあり得ない話になる。

さて、そのようなことが予想されている。少なくともここに書いているのである。皆さんはどうするのか。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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