「宇田川源流」【日本万歳!】 戦争の経験を忘れない日本人の心

「宇田川源流」【日本万歳!】 戦争の経験を忘れない日本人の心


 毎週月曜日は、「日本万歳!」をお届けしている。お盆で少しお休みをいただいたが、またこの連載に戻したいと思っている。

さてこの「日本万歳!」は、日本における素晴らしいことや、日本人が日本人として誇ることができるようなこと、他に褒められる必要もなく、我々が、普段気が付かなくても心の中で誇りに思えることを特集し、その内容を皆さんと共有し、そしてこれからの仕事をするときに、日本人としての誇りを取り戻してもらいたいと思っている。そんな連載にしている。日本人が外国において称賛されているときや、例えば大谷やサッカーの三苫、久保といったような選手も、またノーベル賞を取った博士たちも、皆日本人でありそして日本人の特性を持ち、日本人の生活習慣や考え方に従って、彼らが出来上がっている。もちろん、彼らの才能もあるし、絶え間ない努力もあると思うが、それと同時に「日本人としての生活環境」が、そして我々が常識として「当たり前」とおもっているすべての習慣や考え方が、彼らの才能を開花し、また、周囲に彼らの才能を気付かせ、そして、その生活習慣をもって彼らが努力を続けたことで活躍があるのではないか。もちろん我々にそのような才能はないかもしれないし、またそこまでの努力が足りないかもしれないが、しかし、その生活習慣や考え方は我々が共有していることではないか。

ちょうどお盆休みも終わって、まだ残暑が厳しい折に、これから働かなければならないというときに、この、「彼らのようなヒーロー、ヒロイン」と同じ生活習慣や考え方を有し、そして日本人としてお誇りを胸に働ければよいのではないか。そうすれば、少し頑張れるのではないか。そのように考えているのである。

さて、今回は、ちょっと前置きを長くしたのは、毎年8月15日に行われている「戦没者追悼式」である。

 今回はあまり長いことを書きたくはない。まずは記事からです。

天皇陛下おことば、4年ぶり「新型コロナ」消える マスクも未着用、5類移行後初の全国戦没者追悼式

 78回目の終戦の日にあたる2023年8月15日、東京・北の丸公園の日本武道館で政府主催の全国戦没者追悼式が行われた。新型コロナウイルスの5類移行後の挙行は初めて。

 天皇陛下の「おことば」から4年ぶりに「新型コロナ」の文言が消え、19年の「コロナ前」とほぼ同じ文言に戻った。天皇皇后両陛下は20~22年の3年連続でマスクを着用して参列していたが、今回は「マスクなし」の参列だった。

■「コロナ前」と比較して「私たち皆で心を合わせ」の段落が加わる

 22年の「おことば」では、

「私たちは今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による様々な困難に直面していますが、私たち皆が心を一つにし、力を合わせてこの難しい状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います」

と、20年から3年連続でコロナ禍に言及。それが23年は

「これからも、私たち皆で心を合わせ、将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願います」

となった。23年は「コロナ前」の19年とほぼ同じ内容で、大きな違いは、上記の「これからも~」の段落が加わった点だ。

 岸田文雄首相が「おことば」に先だって述べた式辞は22年とほぼ同じ内容で、「歴史の教訓を深く胸に刻み」「未だ争いが絶えることのない世界にあって」「積極的平和主義の旗の下」といったキーワードを引き続き盛り込んだ。目立つ変化は遺骨収集事業への言及で、22年は

「一日も早くふるさとにお迎えできるよう、国の責務として全力を尽くしてまいります」

となっていた表現が

「国の責務として、ご遺骨の収集を集中的に実施し、一日も早くふるさとにお迎えできるよう、引き続き、全力を尽くしてまいります」

になった。

■台風7号で参列見送り相次ぐ

 22年に参列した遺族は569人。23年は8月7日時点で2040人の参列を予定していたが、台風7号の影響で参列を取りやめる自治体が相次ぎ、約1200人にとどまった。

 式典には天皇皇后両陛下、岸田氏、104歳から7歳までの遺族らが参列し、日中戦争と第2次世界大戦で犠牲になった約310万人を追悼した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

2023年08月15日 13時44分J-CASTニュース

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12144-2500438/

全国戦没者追悼式<宮内庁ホームページより>

令和5年8月15日(火)(日本武道館)

 本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。

 終戦以来78年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。

 これからも、私たち皆で心を合わせ、将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願います。

 ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/116#551

 さて、昔昭和2年生まれの父に聞いたところ、昭和20年8月15日も暑い夏であったという。父はずいぶん前に鬼籍に入ったが、生前そんなことを言っていた。あまり素行がよくなった父も、この放送だけは正座をして聞いていたという。

それが「玉音放送」、本来は「大東亜戦争終結の詔書」である。

ではその「玉音放送」というものをここで文字で再現してみよう。

<以下全文>

朕、深く世界の大勢と帝国の現状とに鑑み、非常の措置をもって時局を収拾せんと欲し、ここに忠良なるなんじ臣民に告ぐ。

 朕は帝国政府をして米英支蘇四国に対し、その共同宣言を受諾する旨通告せしめたり。

 そもそも帝国臣民の康寧を図り、万邦共栄の楽をともにするは、皇祖皇宗の遺範にして朕の拳々おかざるところ。さきに米英二国に宣戦せるゆえんもまた、実に帝国の自存と東亜の安定とを庶幾するに出で、他国の主権を排し領土を侵すがごときは、もとより朕が志にあらず。

 しかるに交戦すでに四歳を閲し、朕が陸海将兵の勇戦、朕が百僚有司の励精、朕が一億衆庶の奉公、おのおの最善を尽くせるにかかわらず、戦局必ずしも好転せず、世界の大勢また我に利あらず。しかのみならず敵は新たに残虐なる爆弾を使用してしきりに無辜を殺傷し、惨害の及ぶところ真にはかるべからざるに至る。しかもなお交戦を継続せんか、ついにわが民族の滅亡を招来するのみならず、ひいて人類の文明をも破却すべし。

 かくのごとくは朕、何をもってか億兆の赤子を保し、皇祖皇宗の神霊に謝せんや。これ朕が帝国政府をして共同宣言に応じせしむるに至れるゆえんなり。

 朕は帝国と共に終始東亜の解放に協力せる諸盟邦に対し遺憾の意を表せざるを得ず。

 帝国臣民にして戦陣に死し、職域に殉じ、非命にたおれたる者および、その遺族に思いを致せば、五内ために裂く。かつ戦傷を負ひ、災禍をこうむり、家業を失いたる者の厚生に至りては朕の深く軫念するところなり。

 おもうに今後、帝国の受くべき苦難はもとより尋常にあらず。なんじ臣民の衷情も朕よくこれを知る。しかれども朕は時運のおもむくところ、堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、もって万世のために太平を開かんと欲す。

 朕はここに国体を護持し得て、忠良なるなんじ臣民の赤誠に信倚し、常になんじ臣民と共にあり。

 もしそれ、情の激するところみだりに事端をしげくし、あるいは同胞排擠、互いに時局をみだり、ために大道を誤り、信義を世界に失ふがごときは朕最もこれを戒む。

 よろしく挙国一家、子孫相伝え、かたく神州の不滅を信じ、任重くして道遠きをおもい、総力を将来の建設に傾け、道義を篤くし、志操をかたくし、誓って国体の精華を発揚し、世界の進運に後れざらんことを期すべし。

 なんじ臣民それよく朕が意を体せよ。

いわゆる「玉音放送」、正式には『大東亜戦争・終結の詔書』です。

いかに、最後の三節の現代語訳を付けます。

「思うに、今後、帝国の受けるべき苦難は、もとより尋常なものではない。汝ら臣民の真情も、余はそれをよく知っている。しかし、ここは時勢のおもむくところに従い、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、それをもって万国の未来、子々孫々のために、太平の世への一歩を踏み出したいと思う。

 余はここに、国家国体を護り維持しえて、忠実にして善良なる汝ら臣民の真実とまごころを信頼し、常に汝ら臣民とともにある。もし、事態にさからって激情のおもむくまま事件を頻発させ、あるいは同胞同志で排斥しあい、互いに情勢を悪化させ、そのために天下の大道を踏みあやまり、世界の信義を失うがごとき事態は、余のもっとも戒めるところである。

 そのことを、国をあげて、各家庭でも子孫に語り伝え、神国日本の不滅を信じ、任務は重く道は遠いということを思い、持てる力のすべてを未来への建設に傾け、道義を重んじて、志操を堅固に保ち、誓って国体の精髄と美質を発揮し、世界の進む道におくれを取らぬよう心がけよ。汝ら臣民、以上のことを余が意志として体せよ。』」

これが、一応「現代語訳」としてつけている内容の最後の三節です。

さて、今、この三節の通りになっているであろうか。これを聞いていた人々はどんな心であったか。今の人々のように「ああ、戦争が終わった」と喜んだのであろうか。そうではなく、これから外国に占領されるという不安があったのではないか。以前、世界オンブズマン協会の偉い先生に伺ったが、自分たちが粗末なものを着て、何も食べるものがない時に、ジープでやってきて、理由もないのに日本人を小突き回していたアメリカ兵を見て、悔しい思いをしたといっていた。そのようなことをされても、歯を食いしばって頑張った人々の心が、今ただ戦争反対といっているような人々にはわかるのであろうか。もしかしたら「戦争反対」「戦うな」ということは「戦ううことも、抵抗することもなく、そのような悔しい思いを日本国民に強制する結論を招く」ことを、いっていることに気づくのだろうか。

さて、上記にある今年の内容は「平和な文面」である。戦後78年たって、「日本は平和になった」といえる。しかし、平和に甘えているのではないか。そんな気がする。もう一度、日本がなぜ平和に今居ることができるのか、そしてその日本が、どのような悔しい思いをしながら、日本人の生活や文化や伝統を守ってきたのか、そういうことを思い出す日ではないか。

私は毎年8月15日にはそのようなことを感じるのである。

宇田川源流

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