「宇田川源流」【お盆休みの怪談】 福島県、夜になると、亡者の村人が現れる村

「宇田川源流」【お盆休みの怪談】 福島県、夜になると、亡者の村人が現れる村

 本日から「お盆休みの怪談」として、お盆休みの、政治や経済があまり動かずに、様々な仕事が停滞している時期に、今まで書いていた会談などでその話をしてゆこうということを考えている。このまま20日までこの会談企画をしようと思っているのでよろしくお願いします。

今回は、災害で廃村になった村に「亡者が集まって祭りをしている」というようなところであろうか。実際に、人がいなくなったさびれた村であるとか、夜の学校など、普段ならば人が集まっているはずのところに行くと、何もなくても感じてしまう場合がある。人には「念」があって、そのようなものが何らかの形で残るのではないか。そして、その「念」は、近くにいる新しい念を呼ぶのではないでしょうか。その時に、生きている人の念も連れて行ってしまうことがあるのではないかと思います。

・ 福島県、夜になると、亡者の村人が現れる村

民俗学的な観点から言えば、オカルト、特に恐怖における言い伝えというものは、村の禁忌を後世に伝える道具として口承伝承が行われることが多い。もちろん本当にオカルト的な現象が起こることが前提であるが、実際のところは、そのオカルト的な現象がデフォルメされ、その内容が現代の都市伝説化して出てくるということになる。

しかし、最近の災害などによって「廃村」または「廃墟」となったところには、そのような教訓的な禁忌が存在しない。最近の災害などによって出てきた内容を見てみると本物の恐怖が存在することがあるという。

福島県にあるある廃村のことである。この村は、高度経済成長とともに、過疎化が進み、徐々に人がいなくなったという。いつの間にか人がいなくなった感じで、いつの間にか訪れる人も出てくる人もいなくなったということであった。

あるとき、その集落に入った人がいた。それは、新たな開発を行うということを目的に、開発会社の人々が行政の人とともに視察に生きたのである。木の間を通る舗装されていない路を通ると、突然、開けた場所があり田園風景と数件の古い家があったという。なぜここが廃村といわれるのかもわからないほど普通な田舎の農村であった。

 唯一違うのは、人が誰もいないことであった。しかし、そのような廃村にありがちな廃墟でもなく、また田畑も誰かが手入れしているかのように雑草一つ映えていない状態であった。

開発に来た三人は、誰か住んでいる人がいるのではないかと思い、建物すべてを回るが誰もいない。結局、誰とも会えずにその場で夕方になってしまった。帰ろうとして車に乗り、元の道を通るが、少し走ると同じ場所に出てしまう。「オカルトみたいですね」車中では、単純に道に迷ったと思い、そのような会話がなされていた。

何回目かで村に入ったところ。すでに夕刻で日が沈みかけていた。その時に成って村に入ったところ、初めて人がいた。

「すみません」

「はいはい」お婆さんは、畑作業の手を止めて答えた。

「ここから国道の方に出たいのですが」

「ああ、狐か何かにやられなすったね。とりあえず家に入られたらどうかね。あとでバス停まで送るから」

三人は、家に行った。老夫婦と思われる二人がいてお茶を出してくれた。しかし、開発会社の人は、携帯電話が鳴り急用でどうしても帰らなければならなくなった。彼は一人で帰り、あとでバス停に迎えに来るということになり、彼は、何とか会社に戻る。しかし、いつまでたっても行政の職員からの連絡がなく、バス停に行ってみても何の痕跡もなかった。

心配になった開発者の社員は、翌朝、会社の人間を伴ってその村に行ってみると、また誰もいない。そして、老夫婦のいた家に行くと、行政の職員の二人の首つり死体があるという。二人のメモには、「村人がみな集まって、これからお祭りに行く」と書いてあり、スマホには、何人もの村人が写っていたが、しかし全く人がいない。後に警察が来ても、その原因も、また村人も全く見つからず、また自殺の原因も全く分からなかった。

「この地区はよくあるんだよね」

そういうと、そのスマホにあった写真と、分厚いファイルの前のページをめくって見せた。そこには「自殺」となって書かれている数年前の「被害者」の写真があったが、スマホにはその人が楽しそうに酒を飲んでいる姿が映されていたのである。

初老の巡査はそのように言って、「自殺」と報告書に書き込んでいた。

宇田川源流

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