「宇田川源流」 中国経済のバブルがはじけ失われた30年が始まっているのに中国に向かうダメな日本企業

「宇田川源流」 中国経済のバブルがはじけ失われた30年が始まっているのに中国に向かうダメな日本企業

 中国の経済は完全におかしくなっている。中国経済というのは、基本的にはすべて国が管理している。そもそも市場経済などもすべて政治が管理し介入しているのであり、なおかつ、政治的な事情で貿易を突然止めてしまったり、あるいは許認可が出なかったりというようなことばかりである。要するに、政治的な介入があって経済の自由がないということになるのである。

 日本の場合はバブルがはじけるのは、1992年くらいのことである。それまで行われていた「土地関連融資の抑制について」(総量規制)に加えて、日本銀行総裁三重野康による金融引き締めは急激なものとなり、信用収縮が一気に進んだ。三重野総裁は、サラリーマンの年収5年分でマイホームっを持てるようにするとして、金融引き締めをきつくした。政府は、日銀の公定歩合の急激な引き上げに続き、不動産の総量規制、地価税の創設、固定資産税の課税強化、土地取引きの届け出制、特別土地保有税の見直し、譲渡所得の課税強化、土地取得金利分の損益通算繰り入れを認めないなどの対策を打ち出していった。前年の1989年に導入された消費税も、経済実態に鑑みると導入が遅すぎたこともあり、結果的にこの金融引き締め策は失敗に終わった。

 またバブル崩壊後の政治状況は、1992年の東京佐川急便事件に端を発した金丸信の議員辞職、経世会分裂、小沢一郎の新生党旗揚げなどの政界再編、細川政権誕生による55年体制の崩壊と政治改革、その後の細川首相の電撃辞任と羽田孜の短期政権、さらに自社さ連立政権による村山富市への政権交代など、政権が転々として混迷をきわめており、政府はバブル崩壊後の経済状況に十分な対応ができなかった。

 要するに、バブル経済ということは財テク(株式投資など)をしていなければ通常の給与所得ではうまくいかなくなってしまい、そのうえでそれを政府が規制すると、そのまま給与所得レベルの経済レベルに下がってしまい、それまでのバブルの負債が大きく影響し、復活しなくなる。そのうえで、その経済の低迷によって多くの人が守りに入ってしまうことから、徐々に低迷する経済が継続する。まさに「失われた」という状況になるのである。

 その状況がいま中国経済に訪れているのである。

中国でついに「失われた30年」が始まった…! 日本のベテラン官僚も心配になる「なにもかもうまくいかない中国経済」、そのヤバすぎる末路

  中国経済は、今なにもかもがうまくいっていない。

 中国政府が7月17日に発表した今年第2四半期の国内総生産(GDP)は、前年比6.3%増だった。第1四半期の4.5%増より伸び率が拡大したが、昨年春に上海がロックダウン(都市封鎖)した反動に過ぎない。前期比の増加率は、0.8%と第1四半期(2.2%増)から鈍化しており、ゼロコロナ解除後の経済のV字回復期待はしぼんでいる。

 不振の主な要因は不動産市場の低迷だ。

 6月の不動産販売(床面積ベース)は前年比28.1%減となり、5月より大幅なマイナス(19.7%減)となった。6月の不動産投資額も前年比20.5%の大幅減だ。

 不動産業界の危機の先駆けとなった中国恒大集団の昨年末時点の負債総額が2兆4371億元に上り、債務超過に陥ったことも明らかになっている。輸出も低調だ。6月の輸出は前年比12.4%減となった。落ち込み幅は新型コロナのパンデミック初期以来の大きさだ。

 輸出の減少は工場労働者らの雇用回復に影を落とすが、輸出の早期回復は期待薄だと言わざるを得ない。6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)のうち、海外からの新規受注を示す指数は好不調の境目である50を下回る46.4だった。

  中国で始まる「失われた30年」

 中国経済のデフレ化も気になるところだ。

 6月の消費者物価指数(CPI)は前年比で横ばいとなり、2021年2月以来の低水準となった。消費者の買い控えに加え、不動産バブル崩壊による資産デフレが生じており、世界経済がインフレ圧力に直面している中、需要の弱さのせいで中国経済のデフレへの警戒感は強まるばかりだ。

中国経済の苦境を見るにつけ、筆者は「現在の中国経済は30年前のバブル崩壊後の日本経済に酷似してきている」との思いを禁じ得ないでいる。

2023年7月27日 7時30分 現代ビジネス

https://news.livedoor.com/article/detail/24687448/

 中国の場合は、そもそもバブル経済が起きたのかどうかということの判断は難しい。自由経済ではない国において、政府が作り出した経済的なバブル、つまり「その政府系のやらせのバブル」では、話にならないのではないか。そのような中でそのバブルがはじけていても仕方がないのではないか。

 その政府系のバブルが、コロナウイルスとゼロコロナ政策によって完全にそのバブルが終わってしまっている。そのうえ恒大集団などの倒産というか取り付け騒ぎがある。日本のバブルでいえば、上記のように不動産販売の数字も低迷し、また、商社物価指数も横ばい、そのうえで、この恒大集団の内容は、日本のバブル崩壊の三重野総裁の内容のようになってしまう。まさに「この道はいつか来た道」なのである。

 中国の場合は土地はすべて共有財産である。つまり、その共有財産に対しては資産価値はない。要するに上物の建物でしか担保価値はないというこということになってしまい、そのうえてtものであるから壊されてしまえば価値はゼロになってしまう。そのことがより一層バブルを大きくしてしまう。つまり、今まで投資してきたものに対して、壊してしまえば完全にゼロになってしまうということが、保障や担保価値のない投資がまかり通るということになる。これは、中国国内における「投資システム」そのものが信用を失う。中国のように「史的唯物論」の国は信用などのものは全く関係ないと思っているかもしれないが、しかし、そもそも投資というのは信用によって成立するのである。その信用がなくなってしまえば、投資そのものがおかしくなる。要するに中国は、「投資不適格」ということになってしまい、すべての投資に対して「投資が集まらない」というようなことになるのである。

 まさに、「失われた30年の入り口」なのである。

 しかし、なぜか日本の企業はそのような中国に関しても投資をしようとしている。日本の企業は全く世界のことがわからないのである。日本の平和ボケと頭の悪い世界観は、このような企業の動きからも見て取れる。中国の真実が見えていないということが最大の問題なのである。

 日本の企業は、そして日本人はもう少し「世界の真実を知るべき」であろう。

宇田川源流

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