「宇田川源流」【現代陰謀説】 上海協力機構にイランが加盟したその意味は何か?

「宇田川源流」【現代陰謀説】 上海協力機構にイランが加盟したその意味は何か?


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。現在に生きている陰謀を、普段我々が目にするニュースの中から、その端緒を見つけ出して、その内容を事前にしり、できればその対策を早めに行うということを考える連載になっているのであるが、時にはオカルトの話をしてみたり、あるいは、全く愚にもつかないような話をしてみたり、UFOなどの事を話して見たりというように、なんとなくオカルトの話の全般もここで書いている。

さて、今回は「ニュースの読み方」ということになるのではないか。

そのニュースの中で、さまざまな「団体」や「機構」が出てくるのであるが、その意味が皆わかっているであろうか。様々な内容が書いてあるが、その「団体」の「本音」と「建前」が見えていなければ、そこで何が起きているのかがわからない。

例えば広島サミット、要するに「先進国首脳会議」であるが、この内容は、既にオンラインサロンなどで見てきているが、本来は「貿易やグローバルサプライチェーンが大きくなってきて世界経済を正常化して発展させるには、先進国が連帯して当たらなければならない」ということから、そもそもは経済的な繋がりを連携して行うということが主題であった。しかし、経済的なつながりを政治的な首脳が連携するということは、「当時(1970年代)の中国やソ連などの社会主義国では話ができない、市場経済と相場、自由取引が無ければ会談への参加資格はない」ということになる。

徐々に時代を経るにしたがって、様々な国が参加したり、あるいはゲストで呼ばれるということがあったが、それらもすべて「市場経済・自由主義経済」が出来ていなければうまくいかないような話になってきていた。その為に、この先進国首脳会談には中華人民共和国は招待されていない。意味がないからである。

そして広島サミット担ってきては「旧西側と旧東側諸国のような中ロと対抗する国々の集まりになった」ということが言えるのではないだろうか。

さて、では、その「旧東側諸国」つまり中国やロシアと歩調を合わせる国はどこなのかということにつながるのである。

中ロ主導の上海協力機構、6年ぶり新メンバー イラン加盟の背景とは

 中国とロシアが主導する地域協力の枠組み「上海協力機構(SCO)」が4日にオンライン形式で開く首脳会議で、イランが正式に加盟を認められる見通しとなった。

 新規加盟は2017年のインド、パキスタンの加盟以来、6年ぶりの出来事だ。イランの思惑はどこにあり、加盟はなぜこのタイミングで実現したのか。

 「イランの正式加盟が、SCOに新たな成長力を与えることを確信している」。イラン外務省によると、同国のアブドラヒアン外相は6月30日、SCOの張明事務局長との電話協議でこう強調した。イラン外務省によると、張氏は、自らの在任中に正式加盟が実現することを「私にとって大きな名誉だ」と表現してみせたという。

 翌7月1日には、イランのバフティアル駐中国大使が、張氏と並んだ写真をツイッターに投稿。張氏との間で「中国を含む加盟8カ国との経済協力の強化について話し合った」と記し、加盟に伴う経済効果への期待をにじませた。

 イラン国営通信などによると、イランとSCOの加盟国・オブザーバー国の昨年3~8月の貿易額(石油を除く)は約170億ドル(約2・5兆円)で、前年同期と比べて31%増加した。

 イランの核開発を制限する代わりに制裁を緩める核合意から米トランプ政権(当時)が離脱した18年と比べ、対ドルでのイランの自国通貨の価値は現在、10分の1以下まで落ちている。制裁を続ける米欧に経済分野で頼れない中、世界人口の4割を占めるSCOはイランにとって魅力的な市場だ。

 また、反米保守強硬派のライシ政権は、ウクライナ侵攻中のロシアにドローン(無人機)を提供したとして米欧から批判を浴びている。今回のSCO加盟によって、自国が孤立していないことを国内外にアピールしたい狙いもあるとみられる。

2023年7月2日 21時0分 朝日新聞デジタル

https://news.livedoor.com/article/detail/24536192/

 上海条約機構ということを知っているであろうか。ロシア、中国、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの6カ国の協力機構。1996年4月に国境地域での兵力削減など信頼構築を目標に、ウズベキスタンを除く5カ国首脳が上海に集まって上海ファイブを創設、イスラム原理主義や国際テロ、分離主義、民族紛争、麻薬や武器の密輸、治安などの諸問題を話し合ってきた。要するにソ連が崩壊したのちに、旧共産圏が中央アジア、特に旧ソ連加盟国を中心に条約機構を作り上げ、経済連携や軍事連携を作り出したのである。祖懇意中国が加わり、「上海条約機構」となった。2001年6月にウズベキスタンが加わり、上海協力機構に格上げされた。

 00年には米国の一極支配や北大西洋条約機構(NATO)拡大への抵抗を前面に打ち出した。これは、米国での9.11事件の直後に,同機構は対テロ闘争宣言を出し,キルギスタン,ウズベキスタンなどは米軍基地を受け入れたことに対する対抗措置である。従来、米同時多発テロ後、ロシアが米国と密接な協力関係を結ぶに至って上海協力機構は形骸化するかに見えたが、対テロ戦争などによって米国に近い国と中ロを受け入れる国で分離している。最近は中ロの接近と中央アジアの米国離れで、再び強化されつつあるが、安倍晋三首相のころは中央アジア歴訪などを繰り返し、その米国離れを補っていたと評価されている。05年には、中央アジアに駐留している米軍の撤退を求める方向を明確に打ち出し、同年8月の中ロ合同軍事演習「平和の使命2005」など軍事協力も拡大している。

 06年6月には、上海ファイブ10周年、上海協力機構5周年の記念首脳会議を上海で開催。ロシアは「S COエネルギークラブ」創設を提案、インド、イラン、パキスタン、モンゴルもオブザーバーとして参加した。一方、軍事協力や反米色が強まっていることに懸念も広がっている。

 ちなみに「条約機構」という言い方をすれば、当然に「旧東側諸国」を無視日つけていたのは「ワルシャワ条約機構」であり、その条約の主導権がどこがとるかということによって様々な意味でその機構の全体が決まってくる。上海条約機構の場合は当初ロシアが中心であったが、いつの間にか習近平が中心になっているところにも注目が必要で、アメリカなどはいつまでもロシアが中心であったというような感覚で見ていたので、最近まで見誤っていた部分があったのではないか。機構設立時の先入観が大きく方向性を狂わしてしまうよい例である。

 さて、その上海条約機構にイランがオブザーバーやゲスト参加ではなく正式に加盟するという。

 上記にも書いたが、上海条約機構は反米軍事同盟的な側面を有し、加盟国によるユーラシア一帯の安全保障の確立を主な議題としている。しばしばそれはテロ・宗教問題・分離主義についての意見交換へと発展している。2005年8月、初の中露共同軍事演習「平和への使命2005」を行い、平行してオブザーバーであったインドとの露印軍事演習も開催された。中国、インドとの軍事演習を皮切りにロシアはSCOを通じた軍事協力に積極的な行動を示す様になった。2018年8月、新たに上海協力機構へ正式加盟したインド、パキスタンを加えた8カ国合同軍事演習「平和への使命2018」を行っている。そして、習近平が出した「一帯一路」と連携しユーラシア大陸からのアメリカの締め出しを図っている。アメリカが撤退したアフガニスタンも近く上海条約機構に参加するのではないかというような観測も出ているほどである。イランは、イスラエルのネタニヤフ首相復帰によって、そのようなことになってきているのではないか。様々な対立が軸になっているが、その中で徐々にいくつかの大きな集団に包含されてゆき、そして、それが対戦を生む。今回の上海条約機構がいつの間にか枢軸国となる時期も近いのかもしれない。

 このように対立が大きくなってきているのである。これが国際情勢であるといえる。

宇田川源流

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