「宇田川源流」 先日ブリンケン国務長官が大幅妥協した後の「独裁者」発言は何を意味するのか

「宇田川源流」 先日ブリンケン国務長官が大幅妥協した後の「独裁者」発言は何を意味するのか


今週は外交的に様々なことがあった。一つには、タイタニック号の見学ツアーの人々が乗った潜水艇が圧壊して全員死亡したという事件。もう一つは、アメリカのブリンケン国務長官が中国を訪問し、秦剛外務大臣や王毅国務委員と会談した後、最後に習近平国家主席と会談して帰国したこと、そして、プーチンの友人でありロシアのウクライナ侵攻に当初から一緒に戦っていたワグネルのプリゴジン氏が25000人の戦闘員と共にロシア南部で反乱を起こし、一時はモスクワを占拠する勢いで北上をしていたが、ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介によって、突然進軍を止めベラルーシに移動してしまったという、「反乱」と言っては何だか中途半端な判断があった。

さて、今回はその中でアメリカのブリンケン国務長官が中国に言った内容を見てみよう。ちなみに、多分ではあるが、このブログではタイタニック号の事は取り上げないような気がするので、土曜日の前半辺りに書く内容で終わりではないか。

さて、中国人の国民性については、文化大革命を境に変わったところと変わらないところがあるとされている。しかし、金銭や物欲に関して共産主義特有の「占有主義」とそれに伴った言葉や信用というものを全く考えなくなったということが一つの内容であり、それ以外は国民性はあまり変わらないということになるのではないか。

その中で、私が昔中国に言っていた時代に言われていたことは「中国人はどんなに多くの人で出て来てたとしても、こちらが一歩引けば向こうは十歩出てくる。しかし、こちらが頑張って一歩前に進めば、中国人は全員が百歩後ろに退く」ということを言われた。それも中国人にそのように言われたのである。「だから中国人に対しては絶対に妥協してはならないし、また初めから妥協する感覚で交渉に当たってはならない。張ったりでもなんでも、常に前でて強気で交渉しなければうまくゆかない」という。ちなみに、そのアドバイスを受けて、中国で企業法務を行ったのであるが、少なくとも裁判では初めから若井に持ち込むようなことはせずに、常に強気な戦いをしてきた所、その結果は中国人相手の裁判で4勝0敗であり、また、少なくとも中国の中ではそのように中国人を任せていながら信用を得ることができた。日本人の考え方とは全く異なり、ある意味で人間関係も「雨降って地固まる」ということがあるのではないか。

米大統領 習主席を"独裁者"

 【ワシントン時事】バイデン米大統領は20日、カリフォルニア州で支持者を前に演説し、中国の習近平国家主席を「独裁者」呼ばわりした。ブリンケン国務長官が18、19両日の訪中で「対話の維持」を確認したことに、冷や水を浴びせた格好だ。

 バイデン氏は、2月に米本土上空を横断した中国の偵察気球を米軍が撃墜した問題に言及。「習氏が激怒したのは(気球が)そこにあると知らなかったからだ。何が起きたか分からないのは、独裁者にとって非常に恥ずかしい」と語った。 【時事通信社】

2023年06月21日 11時33分時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-2402634/

バイデン大統領が習主席を「独裁者」呼ばわり 中国政府は猛反発「でたらめで無責任」

 アメリカのバイデン大統領が中国の習近平国家主席を「独裁者」と表現したことに対し、中国政府は「でたらめかつ無責任だ」と強く反発しました。

 中国外務省の報道官は21日の会見で、バイデン大統領の発言について「でたらめかつ極めて無責任であり、外交儀礼に著しく反する」と批判しました。

 さらに、「中国の政治的な尊厳を著しく侵害しており、公然たる政治的挑発だ」と指摘したうえで、「強烈な不満を表明し断固反対する」と強調しました。

 これまでのところ、中国メディアはバイデン大統領による「独裁者」発言について報じておらず、中国国内の検索サイトでも関連の内容を検索することはできません。

2023年6月21日 17時44分 テレ朝news

https://news.livedoor.com/article/detail/24468608/

米大統領「独裁者」撤回せず

 【ワシントン時事】バイデン米大統領は22日、中国の習近平国家主席を「独裁者」と呼んだ自らの発言について、「(対中関係に)影響を及ぼすとは思わない」との見方を示した。発言の撤回もしなかった。ホワイトハウスで開かれたインドのモディ首相との共同記者会見の席上、記者団の質問に答えた。

 バイデン氏は「中国との関係を巡り、私が事実だと思うことについて、発言を避けるという考えは私にはない」とも強調した。その上で「近いうちに習主席と会談することになると期待している」と述べた。 【時事通信社】

2023年06月23日 05時29分時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-2405645/

 私の経験からすれば、アメリカのバイデン大統領は最も最悪な外交をしている。ブリンケン国務長官は、初めから「衝突しないように」というように、妥協を前提で外交交渉を望んだ。このような交渉をすれば、自分で話していない内容も約束したことになって、自らに降りかかってくることになる。

この内容を見た、中国の友人はこのブリンケン国務長官の外交について『はっきり言ってダメ」。初めから「衝突をしない」などと言えば、中国の要求を呑みに来ているだけで、あらぬことを約束させられて帰国しただけというような評価だ。あらぬこととは「台湾に手を出さない。何かする時は米中で事前に連絡をする」ということだが、中国は「民間が勝手にやったことだから知らない」といって、どんどんと対台湾懐柔工作をすることになる。』と、中国が台湾の中で世論工作などを行うことが前提となった内容になっているということを言っている。『トランプのように「戦争を辞さない」として習近平に妥協を迫るような外交ができないならば、首脳会談などをしない方がましだ。今後、習近平派は「アメリカが妥協してきた」ということで、国内の粛清や戦争反対派の弾圧を行うことになる。』と中国国内における危機感を募らせていた。

もちろん私が話した相手は民主派ではないが反習近平派であり、習近平の政治に対しては否定的な内容になっている。しかし、愛国者であるまたは中国の国民であるからと言って、習近平に無条件で従っているわけではなく、中国国内は完全に習近平派と反習近平派に割れているということになろう。ある意味で、ロシアがプーチンと反プーチンに割れていて(二分しているだけではなく、他に民族や宗教などが複雑に絡み合っているのであるが)一枚岩ではない。中国やロシアのような多民族多宗教国家においては、各民族や各宗教の妥協点の中に共産主義というものがあって、その共産主義に対する妥協が許されないところが出てきている。特に、上記に書いた中国人の国民性で初めからこちらが妥協すれば、相手は嵩に懸かって強く出てくることになるのである。

さて、ではバイデン大統領の本音は何か。単純に「中国は民主主義にはなく習近平の独裁である」ということを言い、講義されてもそれを撤回するつもりはないということになった。この発言はブリンケンが秦剛外務大臣や王毅政治局員と面会してもそれは意味がなく、習近平の思っていることを言っているのに過ぎないということを主張している。しかし同時にバイデン政権は「中国に妥協するということは、世界の民主主義を守ることをしない」ということに繋がり、アメリカは「世界の民主主義を守り、人権を保護する」ということを放棄した形になるのである。そのような外交であるということは、今後台湾や日本を守る気がないということでもあるのではないか。

そのような「首脳の本音」をしっかりと踏まえた外交を、岸田内閣にはしてもらいたいのだが、どうなのであろうか。私自身はあまり期待はしていない。

宇田川源流

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