「宇田川源流」【GW特集 日本語論文のススメ】(5) プロットと文章の結び
「宇田川源流」【GW特集 日本語論文のススメ】(5) プロットと文章の結び
今年のゴールデンウィーク特集は「日本語論文のススメ」を書いている。まだ日本語らしさというところにはほど遠いので、早くそのようにしなければならない。その内容に行くために、まずはそのプロットの書き方から順に書いて行くことにしたい。
★ 文章を書きやすいプロット
まずは書きやすいプロットの書き方である。プロットは、当然に設計図であるからそこ通り作れば文章は出来上がることになる。しかし、そのような文章を書いてもなかなか面白いかどうかは不明である。そこで、文章を書き易いプロットの書き方を先に書いておこう。文章の技術の前に、まずはその書きやすいプロットの書き方を披露しておこう。
まずは、初めのうちは「何について書くか」ということを必ず書くべきであろう。全体のテーマというか、簡単に言えば「題名」になるのかもしれないが、しかし、必ずしもその内容が完全に「題名」にはならないことが少なくない。小説などの場合は、「題名」と「テーマ」は全く異なる。そのように考えれば、ここに書かなければならないのは「テーマ」であって、題名ではない。そこで、まずは「テーマ」を大きく一番初めに書いておく。辞表型のプロットを書く人は、紙の中心にテーマを記載し、そのテーマに全ての内容がつながるように書くべきである。そのようにしなければテーマがぶれてしまうので、話がうまくできないのである。常に「伝えいたいこと」「テーマ」を書くということになる。
ちなみに、すでに書いたように「テーマ」は一つである。論文を書いても、小説であっても、そのテーマを一つにするのが重要なのではないか。そのテーマに帰結するように書くということが重要であり、そこに、全てを集約する書き方をする。
そのうえで、プロットは、文章を書きやすくするということが必要になる。設計図を書いて、かえって作りにくくなるようならば、設計図などは必要がないということになろう。そのように考えれば、プロットは、そのことによって文章が書きやすくなうようにしなければならない。
ではどのようにすれば文章が書きやすいのであろうか。基本的には、大きなテーマ(それが結論になることが多いのであるが)に向けて「起承転結」にし、その「結」に大きなテーマになるように設定することが最も書きやすくなる。既に「テーマ」つまり「結」が決まっている文章を書くのであるから、それほど難しいことはないのである。
その後次には「起」を書く。何から始まるかということを書くのである。「スタート」と「ゴール」が決まっていれば、基本的にはその道筋はある程度できるようになるのではないか。文章の好き嫌いや、得手不得手ということはある。しかし、その文章の流れに関しては、それほど大きな問題にはならないのではないか。
文章には、「一つの文」つまり主語と述語で、句点(○)で終わる一つの文と、その文がいくつも繋がって、一つの塊になって何かを伝える「文章」というものがある。一つの分を書けないという人はいない。そのように考えれば「一つの文」を書けない人はいないのではないかと思う。SNSなどでなんらかのものを書いている人がいるので、特に主語などを意識しなければ、だれでも文を書くことができるはずだ。しかし、それがいくつも重なって「文章」になった瞬間に、なかなかうまく作ることができないのである。そこで「文」が他の所に行かないようにして、「起承転結」をしっかりさせ、その文章の「道筋」をしっかりとつけてゆくとことになるのである。そのようにすることによって、文章を書くことが難しくないようにするということになる。
その為に、文章のスタートとゴール、起承転結の起と結を先に決めておくということになる。そしてその道筋を考える。しかし、その起承転結を作っても、必ずしも一本道ではないし、まっすぐに進むばかりではない。そのように考えれば、それでも難しいはずなのであるが、しかし、その文章が変な方向に行くことはないのではないか。そのように考えるのである。
なお、文章の書き方ということに関しては、明日そのコツを見てみようと思う。
★ 「起承転結」のあと
さて「起承転結」を決め、起と結を決めたのちに、承と転を考える。特に「転」は非常に重要で、「承」と「結」をうまく結ばなければならない。全く異なることを書きながら、その二つを繋ぐということになるので、その「転」が最も難しいと思われる。
「起」を書き、その説明のような感じで「承」を書く。「転」という言葉を使うのでよくわからないようになってしまうのであるが、実際には「視点を変える」というような感覚になる。ある意味で「主体と客体入れ替える」というような感覚で文章を書いたら、わかりやす野ではないか。別な見方をして「視点を変える」ということをする、または「俯瞰的に見る」ということをすることによって、この文章が「多角的に研究されている」ということを示すような役割を「転」ができるのである
そして「転」を書いたのちに、やはり「承」の方が優れている(承の方に戻る)というような書き方をすれば、傑に入りやすいのである。
文章の流れは、そのようにしたのちに、あえて「より詳しく文章や内容を説明する場合にはどのようにするのか」ということを書く。
文章をうまく説明するため、またはほかにわかりやすく書くためには、いくつかの手法がある。
一つ目は「定義をしっかりとする」
文章を書くと、最も難しいのが使っている単語の「定義」である。その定義を必ず書く必要がある。出来れば使っている単語のすべての定義をしっかりと書くということが重要になってくる。定義をしっかりするということは、まずは意味などにおいて混乱をすることがないということになるのと同時に、言葉のニュアンスや語感で相手を迷わせないというようなことが出てくる。当然に、相手にわかりやすくするということが重要であるし、また、その内容に関しては、以前お話したように「同じ環境を共有する」ということによって、物事の解釈を同一にするような効果を持つ。まさに、共通の環境を作るということが最も重要な内容になるのである。その為に、「多すぎる」と思うほど定義をしっかりと書いておく必要があるのではないか。
ちなみに、定義をまとめて一覧表にするというような事では面白みも何もない。定義を書くということの中に、その文章の全体像を「にじませる」ような工夫ができれば再興なのであるが、そこまでは求めてはならないのではないか。まあ、プロになってくれば、そのような形になってくる。ただし、「定義」を書いていると、その定義の中に出てくる言葉を定義しなければならない。そのように考えれば、定義は永遠と続くことになるのである。
その定義の中に「自分の求めている方向と異なる方向性の言葉」つまり、理数系の論文であれば文系の言葉などが入ってくるときに、何故「その言葉が入って来るのか」という理由もすべて書いてゆくと、おもしろいものができる。
二つ目は「他者の説明を引用する」
これは学術論文などには必ず必要になる。本文書の内容は「日本語論文のススメ」であり「論文」を書くことが重要な一つのテーマになっているので、その内容から言えば「他者の論文や既出の記事などの引用」ということは重要になる。ただし、単純に引用するだけではなく、その内容を引用したことの「意味」や「解釈」「解説」を加えることが重要になってくるのではないか。例えば他人の論文を引用する。しかし、そのように書くと「他人の文章の結論を引用する」というようにとられる、しかし、必ず祖もそうではなく「起承転結の転の部分だけを取り出して、その点の部分の論理をうまく使う」というようなことや、他の人の文章の「例示」をうまく取り上げるなどの事も重要なのである。中には、印象的なセリフだけを取り上げるようなことも少なくなく、そのようなことをしっかりと見てゆくことが重要になってくるのではないだろうか。
三つめは「例を挙げる」
例を挙げるということが重要である。この「例示」は、間違いなく「最も自由に、なおかつわかりやすい話」を書くことができる。一見まったく筋が異なると思うところも、その例示の「例の内容」によっては簡単にその内容が受け入れられることになるのである。例を挙げることによって、その例が「既出」であることだけではなく、「例」そのもののセンスの良さなどが文章に花を添えることになるのである。そのうえ、「例」は様々なところの引用を使えるのであるから、なかなか面白いし、その例の中から、自分の解釈や解説を展開で切るのである。つまり、その例の上げ方ひとつで、文章は面白みを増すということになるのである。
このようにして「文章」をしっかりと書くと、それなりに良い文章ができてくるのである。
さて明日は、途中で書いたが「文章の苦手な人」の為の書き方を書いてみよう。
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