「宇田川源流」 中国の人口が61年ぶりに減少下原因は「新型コロナ」だけなのか?

「宇田川源流」 中国の人口が61年ぶりに減少下原因は「新型コロナ」だけなのか?


 中国の人口が61年ぶりに減少したという。さて、まずは今から61年前は何があったのかということを感がてえ見よう。61年前というのは、1962年である。

中華人民共和国派1958年より大躍進政策をしていた。大躍進政策とは何か。一応辞書を引いてみよう。

<ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典:大躍進>

中国で 1958年から始まる第2次5ヵ年計画の初年度に行なわれた政策。1958年毛沢東国家主席によって提起された社会主義建設の総路線の主導のもと,いわゆる経済の「大躍進」と人民公社設立の全国的な大衆運動が展開された。総路線,大躍進,人民公社という経済政策,方針を称して「三面紅旗」と象徴的に呼ばれた。1958年の大躍進は自然条件にも恵まれ,高揚した全国的大衆運動のなかで,農工業生産の大幅な増産が達成された。象徴的なのが鉄鋼生産運動で,土法(在来の方法,技術)により全国的に高炉が建設され,多くの人間が動員された。しかし,製品の質が悪く,そのうえ,工業と農業,工業でも鉄鋼と他部門とのバランスが崩れるという結果を招くことになった。この間,彭徳懐による批判(→廬山会議)など党内闘争もあり,加えて自然災害,ソビエト連邦との経済断交,政策運営上の誤りなどによって経済的にも破綻をきたし,大躍進は途中で挫折した。その後文化大革命によって一時再生したが,いわゆる四人組失脚後,無謀な試みとして否定された。

<以上抜粋>

結局大躍進政策は数千万人の餓死者を出す惨憺たる大失敗に終わった。1959年にあるデータでは大躍進政策による餓死者数は3635万人であったという。犠牲者数には諸説あるが、中国統計年鑑2017年版ですら1625万人もの人口減が確認できるほどの大飢饉であった。中国共産党の内部文書には1958年から1965年の間に4500万人が大飢饉で死亡したと記録されている。サミュエル・ジョンソン賞を受賞したフランク・ディケーターは大躍進政策のための中国人死者は7000万人を越えると指摘している。国内で起こった混乱や飢餓で産まれなかった者も含めると7600万人との分析がある。農村部では特に栄養失調者が相次ぎ、食人行為が横行するほどの飢餓を生む大失敗に終わった。毛沢東政権下の死者の合計が1億人とする説も出現した。毛沢東は1959年4月に国家主席を退任し、劉少奇が後任となる。

 1962年1月の中央工作会議(七千人大会)で、劉少奇は「三分の天災、七分の人災」と大躍進の原因を評価した。毛沢東がただ一度の自己批判を行ったのはこの会議の席上である。しかし、中国共産党中央委員会主席だった毛沢東賛美教育は変わらず、劉少奇がトップとして大躍進政策の尻拭いを担当した。しかし、1966年には再びトップの地位を得ようとする毛沢東の扇動によって、文化大革命が起きた。

この少なくとも1625万人、多ければ7600万人のが示唆を出した大躍進政策にって、中国の人口は減少したのだ。今回、「それほどの大惨事」が中国で発生した。

中国総人口61年ぶり減少「国民を人間扱いしていないから当たり前」コロナ禍の影響も指摘…“震源地”武漢は“日常”取り戻す

   春節直前、人気旅行先マカオには多くの中国

 17日、マカオの繁華街にある路地では、多くの人がひしめき合っていた。道を埋め尽くす人の大半は、旅行中の中国人だ。

 マカオはタイなどと並び、春節での人気旅行先。水際対策が緩和されて、観光地にはにぎわいが戻ってきている。

 マカオ名物の一つ、「カレーおでん」を売る店には、既に多くの中国人が大挙していた。

 カレーおでんを売る店の店主:

3年間耐えて、やっとこんなにいっぱい人が戻ってきた。良かった。

   カジノがあることも中国人に人気の理由だという。

 “震源地”武漢は“日常”に

 ゼロコロナ明けの春節で羽を伸ばす中国人の姿があちこちで目に付くなか、FNNの取材班は湖北省・武漢に向かった。

 武漢は、かつて“新型コロナの震源地”とも言われた街だ。

 3年前にロックダウンされた武漢の鉄道駅周辺は多くの人でにぎわい、すっかり“日常”を取り戻していた。

   3年前は突如、駅が封鎖されるなどロックダウン。

 2年前は、ある程度人出が戻りつつも、駅の往来には厳重なチェックが必要だった。

 しかし17日午後2時頃には、人々が駅を自由に行き交う様子が見られた。これから帰省するのか、キャリーバッグの上に大きな荷物を載せる人の姿もあった。

 武漢市民からは「今は規制がほぼなくなり、コロナ前に戻ったようです」、「新しいコロナ株が入ってきて心配です。マスクを着けたり、免疫をつけて防ぐしかありません」という声が聞かれた。

 新たな変異株の流入を心配する人がいる一方で、ノーマスクの人や、すぐ隣に人がいる状況で食事をする人も見受けられた。

   中国総人口は約85万人減少…コロナ禍による影響も指摘

 こうした中、中国国家統計局は17日、2022年末の中国の総人口が2021年と比べて約85万人減ったと発表した。

 中国の人口が減少するのは、1961年以来61年ぶりだ。この人口減少について、一部では少子化に加え、コロナ禍による影響も指摘されている。

街では「若者にとっては仕事のストレスもあるのに、子供を育てるのは大変」という声が聞かれた。

   一方、SNSには批判的な書き込みもあった。

 「(国民を)まともに人間扱いしていないから当たり前よ」

 「コロナ政策が緩和されたので次の1年間はもっと(人口が)マイナスになる」

 中国のゼロコロナ終了がもたらす影響に、今後も注目が集まりそうだ。

(「イット!」 1月17日放送)

2023年1月17日 21時20分 FNNプライムオンライン

https://news.livedoor.com/article/detail/23551460/

 簡単に61年ぶりというような書き方をすること自体が、日本のマスコミとして中国に何があったかなどの事を書かない「中国よりの報道」であるということが言えるのではないか。このようなことで、「正しい報道」もっと言えば「正義の実現」がしっかりとなされるのかは、かなり疑問であろう。日本の多くの人々は「このような言論空間を作り出すマスコミ」で情報を得ているということをまずは知るべきであろう。

そのうえで、今回の習近平による政策は、毛沢東による「大躍進政策」と同じような、「中華人民共和国の人々を自分のメンツと共産党政府の中の権力争いの犠牲として殺しまくった」ということを意味している。単純に、習近平の時代になって「一人っ子政策」を終わらせた。その為に、人口は徐々に増加傾向にあったはずである。その人口を凌駕するほどの「死者数」を出したということになるのである。

以前、「現代陰謀説」で書いたように、習近平政権の共産党政府は「人口が減少する」というよりは「コロナウイルスやそのほかの病原菌によって弱い人間が淘汰される」ということを好ましく思っているということを意味しており、また、その為に「いびつな少子化を無くすことを考えている」ということである。もちろん国家の発展と言ことを考えた場合は、年齢別人口分布が、年寄りが少なくなり、子供が多い方が良いのであろう。しかし、実際に存在する人を「殺す」というか「死に瀕している人々を見捨てる」ということが政府として許されるのかどうかはかなり大きな問題ではないか。しかし、それに抵抗する力もあまりなく、「ゼロコロナ反対デモ」くらいしかない。それでも習近平政権はなくならないというのが現状どころか、春節の演説では、習近平派「ゼロコロナ政策が間違っていなかった」と平気で言っているのである。

そもそも「人口が減った」ということは、国家にとっては大きな問題である。間違いなく日本などは「少子化」によって様々なことが問題になっている。年金問題もそうであるし労働人口が減っているということ、もっと言えば、景気問題であってもすべて子供が少なくなっていると追うこと、つまりは「人口減」が問題になっているのである。そして人口減になったということは、「政治がおかしい」ということになる。これはもちろん日本も韓国もそうであろう。

ある意味で「人間が自然な形で生きていない」ということを意味しているのではないか。それが良いことなのであろうか。

中国に関しては、好き嫌いで言えば、人口減でも構わないのであるが、しかし、そのような政治をしている人々にそのまま存在させているということが、日本に大きな影響を与えないように考えなければならないのではないか。

宇田川源流

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