「宇田川源流」 年も押し迫って「今年の漢字」の季節になりました。

「宇田川源流」 年も押し迫って「今年の漢字」の季節になりました。


 毎年この季節になると「今年の○○」というように、一年を代表するようなことが多くある。実際に、今年は様々な事件があった。ロシアのウクライナ侵攻に、安倍晋三元首相の暗殺。スポーツでも冬季オリンピックも今年であったし、サッカーのワールドカップも今年である。野球も大谷選手のアメリカでの活躍にヤクルトスワローズの村上選手の三冠王、ロッテマリーンズ佐々木朗希投手の完全試合と、まあさまざなな内容があったと思う。

 オンラインサロン「陰謀渦巻く世界情勢の中であなたが生き残る方法」(https://lounge.dmm.com/detail/2838/)では、今年を振り返って、それらのニュースに関して一つ一つ「来年への影響」を解析しているのであるが、しかし、今年の起きた事件は、スポーツは別にして、政治的にも国際関係的にも、来年以降に様々な影響を与えてしまうような内容ばかりではないかという気がするのである。2022年はそれほど様々な点で「折り返し」となる部分が多かったのではないか。そんな気がするのである。

 さて、そのような「今年の」という中で、毎年話題になるのが「今年の漢字」である。毎年京都清水寺の舞台の上で書かれる漢字は、私個人としては「なんとなく納得できるけど他の漢字もあるのではないか」と思うような内容であるのだが、一方で、確かに世相を表しているというような感じもしないでもない。

 いずれにせよ日本の漢字が「表意文字」であるということから、「一文字で物事を表す力がある」ということがあり、そのことがこのようなことができるのである。確かにアルファベットで「今年のアルファベット」などといっても、何のことだかわからないであろう。そうなれば、単語を一つ出さなければならないということになってしまうので、英語圏など、ほとんどの国の「表音文字」ではできないイベントである。表意文字を使っているのは日本だけではないので、「日本独特のイベント」とは言えないまでも、かなり珍しいイベントなのではないか。

 そのようなことを考えながら見ていたら、今年の幹事は「戦」という文字が出てきていた。

今年の漢字は「戦」に決定

 漢字1文字で今年の世相を表す「今年の漢字」に「戦」が選ばれ、京都市東山区の清水寺で12日、森清範貫主が揮毫(きごう)した。ロシアのウクライナ侵攻などを反映した。

 今年の漢字は日本漢字能力検定協会(同市)が主催し、今年で28回目。22万3768票の応募があり、「戦」が1万804票でトップだった。記録的な円安や物価高による生活面での「戦」いや、日本代表が強豪国を撃破したサッカーのワールドカップ、冬季大会最多の18個のメダルを獲得した北京五輪での熱戦なども理由に挙がった。

 2位は、円安や安倍晋三元首相銃撃事件などを受け、1万616票で「安」が続いた。3位は7999票で「楽」。コロナ禍が続く中、行動制限が緩和され、旅行やイベントなど楽しいことが増えたと感じた人も多かったとみられる。

 「戦」が1位となったのは、米同時多発テロ事件があった2001年以来、2回目。森貫主は「一刻も早く戦が終わるようにという思いで、心を込めて書かせていただいた」と話した。

 揮毫された漢字は21日まで清水寺で一般公開され、22日からは漢字ミュージアム(同市)に展示される。 【時事通信社】

2022年12月12日 17時24分時事通信

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12145-2042996/

 私自身は「役」という字にしたかった。この「役」という文字、実に便利で「役割」というような役職、つまり、自分の社会的地位の内容など、「仮の姿」というような意味でつかわれる。役職など、その人本人ではなく、その場に当てはまった形ということになるのである。役者の役割などもまさにそうで部隊の中でその人でなくても良いのだが、その人の役割を行う人ということになる。一方で「戦役」というように戦争というようなことにもなるし、また「一つの形」という意味で「麻雀の役」というような形にもなる。

 もともとの漢字の意味からすれば「役」とは「自分の中ではなく外側で決まった内容」であり、その内容の変化や変容をしっかりと表した内容になる。自分の代わりに、公に出したり働いたりということが「賦役」というような形で言われるのは、まさにそのような感じであろう。

 まさに今年は「戦」というよりは「役」であったような気がする。真実の姿ではなく、外の「建前」と「本音」で振り回された一年であり、それがいつの間にか定着化してしまい、その内容がすべてではなかったかというような感じがする。「統一教会」も「ロシアのウクライナ」もそして「新型コロナウイルス」もすべてが「役」であって、何かほかの大事なものは何も出していないような感じ。その中に、本音で戦ってきた人々が徐々に消えていった感じがするのである。

 さて、「戦」という意味では、上記にも書いたが、様々な戦いがあった。戦いには、必ず「勝ちと負けがある」というのはすでに使い古された言い方であるが、全くその通りで、本来はそれ以外に、「戦いの後には影響が残る」ということをしっかりと我々は知っていなければならない。安倍晋三元首相の暗殺事件でも、ロシアのウクライナ侵攻であっても、または統一教会でも、そのまま何か大きな流れの中で次の「伏線」になっているような気がする。「戦」は、まさに「その大きな流れの中の転換点」を意味しているのであり、その転換の一年であったということになる。

 「セン」という音で言えば「山」「川」「先」「千」「鮮」「線」「選」など様々な字が浮かぶと思うこの多くが「節目」とか「分岐」を示す文字であることが気づくであろうか。山も川も節目だし、先はその先は違う場所だから先端なのである。このように「戦」という字も、その文字の先と後で世界が変わるということを示す。2001年の感じも「戦」であったが、ここから「テロとの戦い」として世界が変わった。では来年以降どの様になるのか。そのようなことをなんとなく「言霊」という言葉を思いながら考えてしまうのは私だけではないはずなのだが。

宇田川源流

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