「宇田川源流」【日本万歳!】 これぞ日本の独特の文化である「踊り」が文化遺産に
「宇田川源流」【日本万歳!】 これぞ日本の独特の文化である「踊り」が文化遺産に
月曜日は「日本万歳!」をお届けしている。日本のすばらしさや日本の美しさ、日本の国民性で称賛されている内容などをここで取り上げ、その内容に関してなんとなく、宇田川的に分析し、その中で、我々の心の中に、または魂の中にある日本人としての「何か」を呼び覚まそうと思う連載企画である。日本のすばらしさというのは「個」のすばらしさではなく、日本人という集団のすばらしさである。
実際に、サッカーのワールドカップにおいて、大きの外国人に日本のサッカーについて聞いてみると、一人の選手の名前を挙げる人はほとんどなく、多くは、日本のチーム力が大きい、日本のチームが素晴らしいというようなことを言う。中には、日本人のマナーやファンのマナーなどにまで言及する人はいるが、例えばブラジルのネイマールやアルゼンチンのメッシ・フランスのエムバペのような、個人で光る選手を挙げる人はほとんどいない。今回のワールドカップでも、例えば堂安にしても三苫にしても、様々に、素晴らしい技を見せたが、しかし、そのような技が光るといっても「チームの中で光る」モノでしかなく、個人そのものが世界レベルに大きなものではないのである。その辺が、PKのような個人技になった時に、プレッシャーに負けてしまうような選手が出てきてしまうのかもしれない。
逆に、日本の場合チームプレイなどに関しては本当に素晴らしいものを持っている。そしてまたチームプレイをするときになると、そのチームに新しい人が入ってもすぐに一人前になれるように、教え方もしっかりとできているし、また、その内容も簡素化して、あまり大きな内容になるような違いはないということになっている。マニュアルなどが出来て広まるというのは、まさにそのようなものであり、その内容をどのようにするのかということが大きな内容になってくるのではないか。
その「チームプレイ」の一つが、「風流踊り」なのではないか。盆踊りなどの踊りは、誰でも簡単に踊れるだけではなく、一人が目立つようなものでもなく、また、多くの人が入ってきて初めて踊りの輪の中に入っても大丈夫なようになっている。
風流踊 ユネスコ登録が決定
日本各地の盆踊りなどで構成する「風流踊(ふりゅうおどり)」がユネスコの無形文化遺産に登録されることが決まりました。
「風流踊」は、国の指定重要無形民俗文化財である全国41の踊りをまとめてユネスコに申請したもので、岐阜県郡上市の郡上踊や秋田県の「西馬音内の盆踊」などが含まれています。
モロッコの首都ラバトで開かれているユネスコ・国連教育科学文化機関の政府間委員会で先ほど正式に登録が決まりました。
日本の無形文化遺産登録は2020年の「伝統建築工匠の技」以来ですが、今回は2009年に単独で登録された神奈川県三浦市の風流踊「チャッキラコ」の拡張として扱うため、国内登録件数は22件のままとなります。
「風流踊」をめぐっては、事前審査を行うユネスコの評価機関が登録を勧告していました。
022年11月30日 19時09分TBS NEWS DIG
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12198-2019584/
日本の風流踊が、ユネスコの無形文化遺産に登録されるという、日本の踊りであり現在風流踊に登録されているのは41ある。
岩手県:永井の大念仏剣舞・鬼剣舞
秋田県:西馬音内の盆踊・毛馬内の盆踊
東京都:小河内の鹿島踊・新島の大踊・下平井の鳳凰の舞
神奈川県:チャッキラコ・山北のお峰入り
新潟県:綾子舞・大の阪
山梨県:無生野の大念仏
長野県:跡部の踊り念仏・和合の念仏踊・新野の念仏踊
岐阜県:郡上踊・寒水の掛踊
静岡県:徳山の盆踊・有東木の盆踊
愛知県:綾渡の夜念仏と盆踊
三重県:勝手神社の神事踊
滋賀県:近江湖南のサンヤレ踊り・近江のケンケト祭り 長刀振り
京都府:京都の六斎念仏・やすらい花・久多の花笠踊
兵庫県:阿万の風流大踊小踊
奈良県:十津川の大踊
島根県:津和野弥栄神社の鷺舞
岡山県:白石踊・大宮踊
徳島県:西祖谷の神代踊
香川県:綾子踊・滝宮の念仏踊
福岡県:感応楽
長崎県:平戸のジャンガラ:大村の沖田踊・黒丸踊・対馬の盆踊
熊本県:野原八幡宮風流
大分県:吉弘楽
宮崎県:五ケ瀬の荒踊
知っている者や見たことがあるものなどもあるのではないか。実際にこのように並べるとなかなか興味深い。風流踊または風流とは、日本の中世芸能のひとつで、鉦・太鼓・笛など囃しものの器楽演奏や小歌に合わせて様々な衣装を着た人びとが群舞する踊りである。
その踊りの始まりは民間伝承であるのでよくわからないものも少なくないのであるが、多くは室町時代に流行したといわれている。例えば念仏踊などは、鎌倉時代の一遍上人による時宗で行われたもので、当時らい病など不治の病と言われた人々の間で、念仏を唱えながら踊ることで、極楽浄土に行けると信じられ、爆発的に流行している。それが、徐々に健常者の間にも流行し、そのまま現在に民間芸能として残っている。
華麗な山車の行列や、その周囲で踊った踊りを含めて「風流」と称した。疫神祭や、念仏、田楽などに起源をもつ芸能と考えられている。歴史的には、『豊国祭図屏風』に描写された慶長9年(1604年)の豊臣秀吉七回忌における豊国神社の風流踊がよく知られている。後世、亡者慰霊のための念仏踊や盆踊り、雨乞踊、虫送り、太鼓踊、浮立、剣舞、迎講、仏舞、小歌踊、願人踊、綾踊、奴踊、花笠踊、棒踊、祭礼囃子、三匹獅子舞、太鼓打芸など、多くの民俗芸能、民俗行事の源流となった。
さて、このような民間芸能までが国際的に認められたということがなかなかうれしいことである。日本の「民間の日常やハレの日の文化」がそのまま国際的な「文化価値」を認めらrている。これは、為政者の文化や支配者の文化ではなく、日本の場合は民間人が生き生きと暮らしていたという証拠であり、そして、民間の一人一人が力があったということに他ならない歴史なのである。五男子の連載で言っているように、一人の英傑によって成り立っている国ではなく、国民の「チーム力」で成り立っている国なのである。そのことがせかいにみとめられたということではないか。
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