「宇田川源流」 ロシアが完全に撤退する前に南に手を伸ばす中国の「覇権主義」

「宇田川源流」 ロシアが完全に撤退する前に南に手を伸ばす中国の「覇権主義」


 先週は、エリザベス女王の崩御、日本ではこども園のバスの置き去り死事件、それに台風とそのような話に、ついでに自民党と旧統一教会の話などがあって、なんとなく一週間終わってしまったようなニュースであったが、実際にはその裏では様々なことがある。なぜ日本のテレビは「本当に大事な事」を報道しないのか、昔から、いや新聞社時代からずっとそのように思っているのであるが、なかなか治らない。ニュースの選択が非常にドメスティックでしかなく、全く外国の気質や報道姿勢、または日本がどのようにみられているか、日本周辺の環境がどのようになっているかなどがわかっていない人々が、他の番組になると「グローバル化」などといっているのが驚きを隠せないのである。

 まあ、日本のマスコミに情報を頼っていると、話にならない。現在、某新聞社の海外支社の話を複数聞いているが、結局現地の日本人に頼っているだけで、自分で取材をしないということ、また、日本人会しか相手にしないで、相手の国に溶け込んでいないことなどがよくわかる。まあ、大使館などもそうであるから、その真の姿を報道できない。そのことは、海外のメディアから嘲笑の的になっている。そのことを知らないのは、本人たちだけである。また、そのために海外の情報はこちらで自前で撮らないと訳が分からなくなってしまうのだ。

 さて、現在ウクライナ情勢はウクライナ軍が反転攻勢をしていて、ロシア軍が徐々に押されている形になっている。実際に南部や東部などでロシアに一度占領された集落が解放されるなどということも少なくなくなっているということになり、そのことから、ロシア軍は軍の再編成を余儀なくされている。その原因は、いくつか考えられるがロシアは欧米西側諸国の武器供与を強く言っており、「NATO陰謀説」を言っていたが、実際にはロシアの補給破綻や兵員の士気の低下、そして指揮官の不足(狙撃による殺害事例多数)などがあり、ロシア軍が崩壊しているという事情も十分に考慮されることになる。

 そのロシアを支援しているのは中国である。

印中、一部の係争地から撤退 首脳会談へ雪解け演出か

 【ニューデリー共同】インド政府は8日、北部ラダック地方と中国チベット自治区の境界にあるインドと中国の係争地の一部で両国軍が撤退を始めたと発表した。インドメディアは印中首脳が15、16日にウズベキスタンで開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせて会談しそうだと報じており、実現に向けて緊張緩和を狙った可能性もある。

 インドのモディ首相と中国の習近平国家主席の会談が実施すれば、2020年に両軍が衝突して死者が出て以降、初めてとなる。

 ただ係争地を巡る未解決の問題はほかにも残っており、依然として両軍のにらみ合いは継続中だ。

2022年9月9日 10時10分 共同通信

https://news.livedoor.com/article/detail/22821625/

ゼロコロナ、都市封鎖拡大=中国、影響3億人超か

 【北京時事】新型コロナウイルスの流行が再燃した中国で、ロックダウン(都市封鎖)に踏み切る都市が増えている。

 厳しい行動制限は住民生活を圧迫。経済への悪影響が懸念されるが、10月の共産党大会を控え、習近平指導部は感染拡大を徹底的に抑える「ゼロコロナ」を堅持する構えだ。

 中国では8月以降、コロナの流行が再燃。当初は海南島のような観光地を中心に広まったが、各地の大都市に飛び火した。広東省深センや遼寧省大連などは中心部が封鎖されたほか、今月1日には約2100万人の人口を抱える四川省成都が全面封鎖に追い込まれた。

 経済ニュースサイトの財新は今月3日、全国33都市で行動規制が導入され、6500万人の生活が影響を受けたと報じた。5日の米CNN報道によると、8月20日以降、74都市が全域か部分的な封鎖に踏み切り、3億人以上が規制対象となった。

 成都から226キロ離れた山岳地帯では5日、86人(8日時点)が死亡する地震が発生。軍や警察をはじめとする約1万人が救助に当たっているが、参加者は毎日PCR検査が義務付けられ、作業に影響を及ぼしている。

 行動規制が続く成都では、地震の揺れに恐怖を感じたマンション住民が脱出しようと出口に殺到。しかし、警備員が門に鍵を掛けて追い返した。インターネットでは警備員と住民が激しく口論する映像が出回り、「防疫対策を重視し過ぎだ」という批判が出ている。 

2022年9月8日 21時31分 時事通信社

https://news.livedoor.com/article/detail/22820936/

 中国はなにをしているのであろうか。ここの中にはあまり詳しく書いていないが、実際には8月に「北戴河会議」といわれる中国の避暑地における「長老と現在の執行部の密会」がある。これは「会議」といわれてはいるが、実際には避暑地(別荘地)が集中していることから、その避暑地において個別にお互いが訪問し、その中で様々なことが決まってゆくという「大規模根回し会」のようなものである。焦点は、次回の全人代において、習近平の3選が決まるのか、そしてその時の常務委員会、いわゆる「チャイナセブン」が誰になるのかということだ。とりわけ李克強国務院総理が自ら引退を表明していることやその体調に問題があることから、その後任が誰になるのか、栗戦書など定年を迎える人の後任はどうなるのか、そして、そこに政治局員から上がるとすれば、25人の政治局員がどのような「派閥」になるのかということが問題になる。

 逆に言えば、そのような長老との会議の中に、3選が話題になるということは、習近平に反対している勢力がまだ根強くあるということであり、その政治の不満が大きく出てくることになる。一つは「外交」、特に対米外交や対インド洋外交というところが大きな問題になり、また、ロシア情勢が大きく傾けば、その影響は「支援」している中国にも及ぶことになる。もう一つは「経済」であろう。一帯一路という経済抗争を2012年に発表し2014年には大規模に実施するということになっていた。また中国製造2025など、中国を中心にした世界経済の覇権主義的な中国の中心、まあ、「中華民族の復興」賀成し遂げられるかどうかということは大きな内容になってきている。しかし、これもうまくいっていない、単純にアメリカ、特にトランプ政権における対中国制裁に関しては、いまだに対抗策がないということになろう。そして「内政」特に「ゼロコロナ政策」ということに関しては、かなり根強く不満が起きている。このことはすでに何回かやっているので、見ている人も少なくないのではないか。

 さて、その中で大きな役割を占めているのが「インド洋」である。インドは、実はロシアとは親しく、今回のロシアに対する非難決議においても棄権しているほどであり、ロシアとの間では飴理科や日本との関係とは異なる内容を行うことになる。つまり、それまで対抗している中国との間も「ロシアを介しての関係」であればうまくゆくということになるのではないか。

 そのようなことから考えると、ロシアが世界の耳目を集めている間に中国の習近平国家主席が世界を歴訪しているのは、単純に「3選のための点数稼ぎ」だけではなく、「ロシアとウクライナの戦争がどのようになっているのか」ということの裏返しでもあることが見て取れるのである。つまり中国もロシアが不利に動いており「今のうちにロシアの関係を使った外交」を行うつもりであるということが見える。中国の動きでロシアから見た戦況が見えるということになるのではないか。同時に、その関係を使う場合の中国の慌て方が見える。とくに「東西同時侵略」を考えていたとすれば、当然に台湾進攻も司会ということになるのかもしれない。その辺を慎重に見なければならないであろう。

 このようにしてみなければ、中国のことは正確には見えてこない。まあ、旧統一教会ばかりをやっている日本のマスコミには、このような解説は難しい。

宇田川源流

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