「宇田川源流」 渦中のウクライナゼレンスキー大統領の国会演説について思うこと

「宇田川源流」 渦中のウクライナゼレンスキー大統領の国会演説について思うこと


 3月23日、日本の国会においてウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会で演説をした。今までも外国の要人や元首が日本に来訪し、日本の国会で様々な事を演説するということは少なくなかった。今回は、現在のウクライナの状況から、日本の国会では初めて、オンラインで現地と日本を繋いでの演説となった。当然に、現在のウクライナの窮状に、ロシアとの関係、そしてロシアに対する制裁の強化などを訴え、直接的または間接的な支援を訴えた。

 さて、ロシアのウクライナ侵攻に関しては、有料メルマガと、オンラインサロンについて、様々な事を書いているので、詳細な内容はそちらを参照していただきたい。

 なお、有料メルマガ「宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話」https://www.mag2.com/m/0001647155では、ウクライナやロシアに関しての関連事項を、そして4月からは「日本で同じようなことが起きた場合の日本の防衛について」ということで書いてゆきたいと思う。また、今回の戦争に至る私が取材した裏側や、ロシアとウクライナの二カ国間の内容、またはその詳細事項はオンラインサロン「陰謀渦巻く世界情勢の中であなたが生き残る方法」https://salon.dmm.com/979/postsでしっかりと行っていた。もちろんバックナンバーも読めるので、そちらを参照していただきたい。オンラインサロンは、4月からは、このような時に頼りにならなかった国際機関、特に国連という組織について考えてゆくことになる。

 さて、オンラインサロンなどで話をすることになるが、当然に、これらの話に関して、本来は国連などがしっかりと対処しなければならない。しかし、その国連の仕組みから、安全保障理事会の常任理事国がロシアのようになって戦争をしてしまった場合、拒否権をもって物事が決まらない。他の国も、あまり刺激すると第三次世界大戦になるからといって、結局うまくゆかない。

 そのような状況で何ができるのか。そのようなことを考えさせられる内容であった。

ゼレンスキー大統領、ロシアが「サリンなどの準備している」国会でオンライン演説12分

 ウクライナのゼレンスキー大統領が23日、国会でオンライン演説を行い「日本国会議員の皆さま、国民の皆さまとお話しできること光栄に思います。日本が援助してくれたこと感謝します」と話した。

 長袖の服を着て画面に登場した大統領は「責任のある国家が一緒に平和を守るための努力をしなければいけない」と訴えた。

 その上で「ロシアは2月24日に私たちの土地に踏み込んだ。チェルノブイリ原発の核施設を戦場に変えてしまった」とロシア軍によるウクライナ侵攻の現状を説明。「チェルノブイリ原発が支配されました。事故があった原発を想像してみて下さい」と訴えた。多くの民間人が犠牲になっていることにも触れ「殺された人を葬ることもできない」などと語った。

 また、演説の中では「(ロシアが)サリンなどの化学兵器を使った攻撃を準備しているという報告を受けている」と述べた。オンライン演説は12分間行われた。

 ◆ゼレンスキー氏の各国でのオンライン演説

 英国では8日、「生きるべきか、死ぬべきか」と、英国が生んだ劇作家シェークスピアの「ハムレット」の有名な一節を引用した。

 カナダでは15日、「ロシアのミサイルや戦闘機から我々の空を閉鎖することがいかに重要かを理解して欲しい」と述べ、飛行禁止区域の設定を訴えた。

 米国では16日、真珠湾攻撃や米中枢同時テロに言及し、「ウクライナでは毎日同じ状況が起きている」と述べ、さらなる支援を求めた。バイデン大統領に「世界の指導者になって欲しい」と話した。

 ドイツでは17日、「ウクライナは欧州と世界の価値観を守るために戦っている」。東西ドイツを隔てたベルリンの壁を念頭に、ロシアが欧州を分断するように築いた壁を打ち壊すよう呼び掛けた。

 イスラエルでは20日、ロシアの侵攻をナチス・ドイツのによるユダヤ人迫害になぞらえてウクライナの支持を訴えた。ミサイル防衛システム供与や対ロ制裁強化を求めた。

 イタリアでは22日、「我々は今、生き残りを飼えた瀬戸際にいる」と述べた。ロシアはウクライナを「欧州の門」と見ていると指摘し、欧州連合(EU)は当事者として対応すべきだと強調した。

2022年03月23日 18時27分 日刊スポーツ

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12168-1537795/

 さて、今回のウクライナ侵攻に関して簡単に言えば、民主主義の国家(アメリカやイギリスなど)がウクライナを見捨ててしまえば、アフリカや中東などの国々は、民主主義の国家に与しても誰も助けてくれないということになる。ロシアとの全面戦争にしたくないということもわかるが、そのことは、ロシアが全体主義国家を広げ、また発展途上国の多くが「ウクライナに様に見捨てられる」ということから、資源を持った国がロシアや中国に与することになり、最終的には民主主義陣営が戦略的に敗北することになる。

 そのようにならないために、ウクライナは助けなければならない。一方でやはり第三次世界大戦にしてはいけないということになってしまう。そのようなぎりぎりの線で行わなければならないということで、ウクライナの大統領が訴えるということになる。

 なお、この演説の中には、「ロシアのプーチンにも演説させるべき」というようなことを言う人がいるが、それはどうなのであろうか。今回の内容が「戦争」ということになれば「喧嘩両成敗」であるが、そもそも日本は「両成敗するような裁定できる立場ではない」ということをまずは自覚すべきである。そのうえで、今回の内容はプーチン大統領であっても「ウクライナ東部の煮共和国の独立」ということを言いながら、ウクライナの西部にまで、つまり関係のないところにまで攻め入っているということになる。これに関しても変な陰謀論でウクライナの自作自演などということになるが、ウクライナは巡航ミサイルを持っているのかというのはかなり微妙な問題であろう。そのような意味で言えば、ロシアが、関係ない場所にまで軍事的な侵略を行っていることは間違いがなく、そのための宣戦布告もない状態での奇襲攻撃をいまだに使っているということになる。そのような現状の分析をし、そのうえで、国連憲章における「武力による現状変更を禁止する」ということを考えれば、被害者であるウクライナを優先するのは当たり前の事であろう。

 そのうえで、ゼレンスキー大統領の話を聞けばさすがに、しっかりとした研究をしている。上記の記事にもあるが、各国に対して、その国の国民が刺さる言葉をしっかりと使っている。そして、その国の特色に合わせた演説をしている。かなりしっかりしたスタッフがいると思われる。正確には、「演説する国が決まったら、その国の人々から情報を収集、場合によってはしっかりとその国の人々に演説に内容に関してアドバイスをもらっている」ということになるのである。つまり、追い込められているはずのゼレンスキー大統領は、それだけのネットワークを持っているということになる。

 このように書くと、また「陰謀が」とか「影の政府が」とかわけのわからないことを言う人がいるのであろう。しかし、実際のところはネットやSNSの情報をしっかりと分析するスタッフがいるということであろう。アメリカで真珠湾のことを出し、それに日本が反応したら、そのことはほとんど出さずに3・11の話で行うというように、その反応をしっかりと分析し、次の国の演説に活かしているということになる。何も誰か黒幕がいるわけではない。

 そのように考えれば、今回の演説の内容がよく見えてくるのではないか。コメディアン出身などといっているが、日本の政治家にも少しは見習ってもらいたい、もっと言えば、しっかりと国民の世論を分析し、それに合わせた台本をかけるような人物に支持されるように努めていただきたいものである。

宇田川源流

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