「宇田川源流」 日米首脳会談が直接会うことなくテレビ電話で会談をしたということの意味
「宇田川源流」 日米首脳会談が直接会うことなくテレビ電話で会談をしたということの意味
岸田文雄が内閣総理大臣になったのは、2021年の10月4日の事である。今回は日米関係の事なので西暦で暦を記載することにする。10月14日に解散し、同月31日に総選挙であった。その後第二次といっても第一次は就任早々解散して何もしていないのだが、その第二次内閣の発足は11月10日となる。
そこから今日まで、岸田文雄首相とバイデン大統領の間に直接交渉はなく、また岸田首相の訪米もなかった。その間に、訪米までの間に林外相が中国との間で交渉を行ってしまっている。アメリカの中では岸田文雄内閣を信用していない向きがあるということが噂されている。もちろんその真相は不明であるが、しかし、私から見ても「同盟国」であるアメリカとの交渉を後回しにして、外務大臣(要するに岸田内閣として)、その同盟国が仮想敵国として火花を散らしている国である中国と友好関係を確認しているということになる。ある意味で「同盟国軽視」は、最も外交的に信頼を失う内容であろう。初めから敵国であることよりも、仲間を裏切ることの方が問題が大きいのである。
そのことから岸田首相とバイデン大統領の交渉は延び延びになっていた。その間に、北朝鮮は今年に入ってから4回6発のミサイルを行い、世界に宣伝している。また中国はその間に台湾に対する圧力を強め、また北朝鮮との間の陸上貿易を復活させている。それだけでは無く、日本海でロシアと、そしてインド洋でロシア・イランと軍事演習を行っているのである。一方でイギリスとオーストラリアは同盟関係を深め、アメリカとの間に様々な関係を行ってきている。
そのような間に、日本の政治は「オミクロン株」の観戦の話ばかりで、やっとトンガの海底火山噴火で自衛隊による援助を行った所である。それ以外の外交はほとんど行われていない。政治であれば、国内の一つの疫病に関することだけをやっていればよいというような話ではない。外交も安全保障も国内の経済も、全てが内閣の責任で政治を行わなければならないのであるが、そのことが回っているようには見えないのである。そのように広い範囲を行うために、20人に迫る(憲法上は21人まで指名してよいのだが)大臣を擁し、その下に国家公務員を使っているのである。
さて、そのように何か物足りない状況で、日米首脳会談がテレビ電話会談を行ったのである。
日米首脳会談、協力強化で合意 経済・安保上の問題巡り
[ワシントン/東京 21日 ロイター] - 岸田文雄首相とバイデン米大統領は21日、テレビ電話形式で会談し、中国や北朝鮮のミサイル発射、ロシアによるウクライナ侵攻の可能性など経済および国家安全保障上の差し迫った問題に関する協力を強化することで合意した。
岸田文雄首相とバイデン米大統領はテレビ電話形式で会談し、中国や北朝鮮のミサイル発射、ロシアによるウクライナ侵攻の可能性など経済および国家安全保障上の差し迫った問題に関する協力を強化することで合意した。
昨年10月に就任した岸田首相にとって実質的に初の日米首脳会談となる。約80分間に及んだ会談後、岸田首相は「自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、日米が連携し、同志国との協力を深化させることで一致するとともに、バイデン大統領の訪日を得て、次回日米豪印首脳会合を今年前半に日本で開催する考えを伝え、支持を得た」と述べた。
米政府高官によると、バイデン大統領は招待を受け入れ、晩春に訪日する意向を示したという。また、日米豪印首脳会合の目的の一つは、22年末までに東南アジアに新型コロナウイルスワクチン10億回分を供給するという公約の進捗状況を確認することだろうとした。
岸田首相はまた「東シナ海、南シナ海、香港、新疆ウイグルを含む中国を巡る諸課題や、北朝鮮の核・ミサイル問題について日米の緊密な連携で一致した」ほか、「ロシアによるウクライナ侵攻を抑止するために共に緊密に取り組む」とし、いかなる攻撃に対しても強い行動を取ることについて米国や他の同盟国と引き続き意思疎通を図っていくと語った。
さらに「閣僚レベルでの経済版2プラス2を立ち上げ、包括的日米経済協力を推進する」ことでも合意したという。米政府高官によると、サプライチェーン(供給網)や技術投資、輸出規制などに焦点が当てられるという。
一方、バイデン大統領はツイッターで「インド太平洋および世界の平和と安全の礎である日米同盟をさらに強化するために岸田首相と会談できたことは光栄だ」と述べた。
ホワイトハウスの声明によると、バイデン大統領は岸田首相の防衛費増額に関する決定を歓迎した上で、「これらの重要な投資を長期にわたり持続させることの重要性を強調した」という。
また、両首脳はサイバーセキュリティーを強化する重要性を強調し、東シナ海と南シナ海の現状を変えようとする中国の試みに「対抗する」ことで一致したと明かした。
米政府高官は、今回の首脳会談では日米の結束が「完全に示された」と指摘。両首脳は中国について「非常に掘り下げた議論」を行ったほか、近隣諸国への威嚇や通商面などでの「略奪的」な行為に対する懸念を共有し、特に岸田首相が中国の核増強に懸念を抱いていることを示したとした。
ホワイトハウスによると、両首脳は北朝鮮による最近の弾道ミサイル発射を非難。米政府高官は、米政府が日本や韓国と緊密に協力して「今後も続くかもしれない挑発」を阻止することをバイデン大統領が明示したと述べた。
また高官によると、両首脳は米国がアジアの通商面や商業面において積極的な役割を果たすことの必要性について「しっかりとした」議論を行った。
2022年1月22日 ロイター
https://jp.reuters.com/article/usa-japan-idJPKBN2JV1UN
さて、今回の日米首脳会談で話されたのは以下の事である。
・ 日米同盟の進化
・ 東シナ海、南シナ海、香港、新疆ウイグルを含む中国を巡る諸課題
・ 北朝鮮のミサイル
・ ウクライナ問題
・ 閣僚級経済2プラス2の設置
これらを見てわかるように、経済2プラス2以外の内容は、全て安倍内閣・菅内閣で日米間で話されていたものと同じである。そのうえ「北朝鮮の拉致問題」が抜けているということを目ざとく見つける人も少なくないのではないか。岸田内閣は、そのような内閣なのであろう。
さて、この内容に関して二つの問題点を上げる。一つは「何故テレビ会談であったのか」そして、「何故経済2プラス2が設置されたのか」ということである。これを、外交なので相手を参事すること、そして、マスコミに対して自分の首脳の都合の悪いことを全て隠すという状況の中で、どのように読み取ってゆくかということになる。
さて、そのうえでまずは何故テレビ会談であったのかということになる。
一つ目は、アメリカも日本もオミクロン株で内政問題を抱え、国を離れることができないということがある。また、アメリカにとっては、ロシアとウクライナの問題もありまたカザフスタンの問題もある。サウジアラビアとイエメンやシリアの問題もありイランの核合意に関する問題もあるのだ。そのように考えた場合、逆に日本はそれらの問題をアメリカとの間で共有していないということになる。つまり「岸田首相と会っている間に、中国以外の情勢が動いてしまった時、日本を信用できるのか」ということになる。単純にどちらかが国を訪問すれば、数日間の時間が拘束される。その時間に緊急事態が起きたときに「価値観を共有できる」という保証をバイデン大統領が感じていないということである。そのようなことを考えると、上記にあるような「アメリカは岸田内閣を信頼していない」というような噂に信憑性が出てくることになる。
日本国内では、様々な意見を言うこともできるし、また、様々な内容を主張することができる。しかし、外交の場になった瞬間に、日本の政治家は「八方美人」的な主張を封印し自分の立場をしっかりと表明し、そして日本国としての姿勢を示さなければならない。その姿勢がそのまま、日本国民と国家の運命を握ることになる。このような所で信頼されていないということは、ある意味で日本国の損失であり、なおかつ、その内容が国民の生活に影響を与えることになるのである。
もう一つの問題である「経済2プラス2」ということに関しても同じである。経済安全保障を設置するということになるのであろうか。単純に、経済暗線保証問うことに関しては、同じ経済圏に入るということを意味している。逆に言えば「敵の経済圏の中には入ることを制限する」ということになる。つまり、このよう亜会議体を設置しなければならないと思えるほど、岸田内閣の中において日本の企業は軍事技術などを中国に持って行ってしまっているということを意味しているのである。会議体の設置ということは、ある意味で「アメリカが日本に対して要求がある」ということを意味している。まさに岸田内閣は、そのようにしないと中国側に行ってしまうという疑いをもたれているということを意味しているのである。
このような信頼をどのようにして回復するのか。実際に疑いばかりであり、問題があると思っていない可能性がある。岸田内閣課題は大きい
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