「宇田川源流」【日本万歳!】 アメリカのゴールデングローブ賞受賞「ドライブ・マイ・カー」は何がすごいのか?

「宇田川源流」【日本万歳!】 アメリカのゴールデングローブ賞受賞「ドライブ・マイ・カー」は何がすごいのか?


 月曜日は「日本万歳!」をお届けしている。日本人のすばらしさや日本が世界から称賛されている内容に関して、その内容を吟味し、そしてその内容を解析したうえで、日本人の皆様にお伝えするということをしている。多くの場合、日本が称賛されている内容は、実際のところ、日本人の誰もが持っている日本の特性であり、その内容を日本人がしっかりと表現しているときに、日本対するする賞賛が生まれているのではないか。

 もちろん、スポーツの選手や芸能人、政治家、経済人など、様々な分野で世界的に有名な人は存在する。しかし、その世界的な有名な人々というのも、その人が称賛されている中の根底には、その業績とその業績までの努力や発想という物が存在する。しかし、日本人が賞賛されている内容の中には、そのような内容ばかりではなく「礼儀正しい」「自然を愛している」「相手を思いやる」など、日本人ならば誰もが持っている「国民性」を、それらの事業の中にくみこみ、ある意味で「当たり前」な行動として行うことが、外国から見ればスマートに見えるし、また賞賛に値する行為なのではないか。

 例えば、靴を脱いだらそろえる、ゴミが落ちていたら拾ってごみ箱に捨てる、などということは、日本人ならば普通に誰でもが行うことである。最近、ゴミなどは危険があったり誰かの落とし物だったりするので、そのような行為をしない人も少なくないが、そのようなことがなければ、誰もが当たり前に行うこと、それが海外から見れば、驚くような内容なのである。

 では日本の演劇はどうであろうか。さすがに落語などは言語がわからなければ、なかなかうまく理解されない。特に落語や漫才は「勘違い」とか「同音異義語によるオチ」などがあるので、日本語を幅ひろく理解しなければならないということになるのではないか。そのように考えれば、言語的なものではなく、見てわかるような内容の芸術であれば世界的に評価されることが少なくない。

 その意味で、日本の「映画」は非常に高く評価されている。アニメや北野武監督の作品についてはよく見えるが、今回は祖尿な内容のものではない。

「ドライブ・マイ・カー」に米ゴールデングローブ賞 邦画62年ぶり受賞

 米アカデミー賞の前哨戦として知られる、ゴールデングローブ賞が9日(日本時間10日)発表され、濱口竜介監督(43)の映画「ドライブ・マイ・カー」が非英語映画賞(旧・外国語映画賞)を受賞した。邦画としては、市川崑監督の「鍵」以来、62年ぶりの快挙達成となった。前日8日(同9日)に発表された全米批評家協会賞でも、作品賞、監督賞(『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』の2作品に対して)、脚本賞、そして西島秀俊(50)がアジア人初の主演男優賞と、主要4部門を受賞していた。

 「ドライブ・マイ・カー」は、村上春樹氏(72)が13年11月発売の「文芸春秋」12月号に発表した短編で、同誌14年3月号まで連続で掲載した「女のいない男たち」と題した連作の第1弾。14年の短編小説集「女のいない男たち」(文春文庫刊)に収められており、濱口監督は同作に加え「女のいない男たち」に収録された6編の短編の中から「シェエラザード」「木野」のエピソードも投影し、脚本を作り上げた。

 物語は舞台俳優で演出家の家福(かふく)悠介(西島)が満ち足りた日々を送る中、脚本家の妻音(霧島れいか)が、ある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう。その2年後、喪失感を抱えたまま生きる家福は、演劇祭の演出で向かった広島で、寡黙な専属ドライバー渡利みさき(三浦透子)と出会い、1度は拒否するも受け入れ、ともに過ごす中で、それまで目を背けていた、あることに気づかされていく心情を描く。

 「ドライブ・マイ・カー」は、世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭で邦画初の脚本賞を受賞。日刊スポーツ映画大賞でも作品賞、主演男優賞を受賞するなど、国内外で多数の賞を受賞している。米映画芸術科学アカデミーが21年12月21日に発表した、第94回アカデミー賞国際長編映画賞(旧外国語映画賞)部門の、授賞対象を15作品に絞り込んだリストにも選ばれており、2月に発表される最終ノミネート入りが期待される。

[2022年1月10日12時28分] 日刊スポーツ

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202201100000281.html

 アメリカのゴールデングローブ賞に関しては、今年はテレビ中継がなかった。それは、人種差別的なことなどがあり、そのことから、マスコミが取材をしないというようになったためである。そのために、日本のマスコミが受賞そのものや授賞式などを中継紙報道することはなかった。しかし、逆にそのような事件があっただけに、今回の内容は人の肌の色や国籍などは全く関係なく、純粋に作品で評価されたのではないかというような感じもあるのだ。

 さて、そのような「公正な」というとおかしいのかもしれないが事件後のゴールデングローブ賞で、日本の「ドライブ・マイ・カー」が受賞した。それだけではなく、様々な映画賞を受賞しているという。先に言っておくが、私はこの映画を見ていない。しかし、映画を見た人の話を聞いているので、これからはその伝聞系でこのブログを構成してゆきたい。

 まずはあらすじを。といっても偉そうなことは書けないので、ドライブ・マイ・カーのホームぺージからそのまま抜粋する。

 「舞台俳優であり演出家の家福かふくは、愛する妻の音おとと満ち足りた日々を送っていた。しかし、音は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう――。2年後、広島での演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさきと出会う。さらに、かつて音から紹介された俳優・高槻の姿をオーディションで見つけるが…。

喪失感と“打ち明けられることのなかった秘密”に苛まれてきた家福。みさきと過ごし、お互いの過去を明かすなかで、家福はそれまで目を背けてきたあることに気づかされていく。

人を愛する痛みと尊さ、信じることの難しさと強さ、生きることの苦しさと美しさ。最愛の妻を失った男が葛藤の果てに辿りつく先とは――。登場人物が再生へと向かう姿が観る者の魂を震わせる圧巻のラスト20分。誰しもの人生に寄り添う、新たなる傑作が誕生した。」

 さて、日本の映画というのは、「人の心の中を描くことが非常にうまい」というのが定評である。この映画は、その「定評」をその通りに行うということになる。日本人のすばらしさは「目に見えないものを、感じるように作る」ということであり、その内容がうまく表現できているということがある。話を聞いた中に「無音の時間が長い。でも退屈するのではなく、その時間があるから映画のストーリーや人の心の動きが、情景と合わさってよくわかる」という。

 自動車の中というのは、走っているから何があっても逃げられるものではないし、また、気まずくなったとしてもその中で、解消してゆかなければならない。そのような心の動きを様々な「会話」と「車窓」で表現してゆくということになる。そのような「目に見えないものを大事にする」というか「比喩表現」から相手の心や雰囲気をくみ取ってゆくという、誰でもが行うことをそのまま映画で表現している。もちろん、素晴らしい表現なのであり、それが心を打つのであるが、しかし、それこそ日本人のすばらしさなのではないか。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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