宇田川源流」【現代陰謀説】 「忠臣蔵」がなぜか中国で売られている事を受けての「忠臣蔵の本当の世界的評価」
宇田川源流」【現代陰謀説】 「忠臣蔵」がなぜか中国で売られている事を受けての「忠臣蔵の本当の世界的評価」
今年も毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしたい。私などの話にしてみれば、「陰謀」というような大それたことではなく、どちらかといえば、私が紹介しているのは「政治の裏の動き」とか「軍隊があった時の正常な諜報活動」でしかない場合があるのだが、しかし、「情報」と「安全」「と「水」は基本的には無料であると思い込み、そして、人が全て善良であると思う性善説の中で生きていて、その上、府同義的におかしいといえば自分の主張が通ると思っている「お人よし国家」の住民の中には、様々な意味でこれらの「正常な諜報活動」が理解されないことが少なくなく、そのために、その内容を考えることそのものの習慣がない人々にとっては、かなり珍しく目新しい話が多いのではないかと思うのである。
もちろん、この読者をバカにするつもりはない。新年早々そのような感覚は全くないのであるが、しかし、実際に「お人よし」であり、なおかつ「情報ということに無関心」であることは間違いがない事実なのである。そのために「わけのわからない陰謀論」によって適当に動かされているのであり、正常な普通の政治的な動きに関しては全く見えなくなってしまう。そのような弊害になってしまい、陰謀というのは日本では「心霊」や「UFO」と同じカテゴリーに含まれる内容になっているということになる。
もちろん、そのような「陰謀論」を言う人の中に、どこかの国や組織から「日本国民を本物のニュースから遠ざけるように」というような命令を受けている人もいるかもしれないのであるが、残念ながら、そこまでの証拠はないし、またそのようなことを集めて追及するつもりもない。というかそこまでの価値がないというような気がしてならない。
そのようなことをするよりも、私が挙げているような「正常な政治の裏の動き」を皆さんに知らせることによって、皆さん自身が判断できるようにすることの方が重要なのではないかという気がしているのである。
さて、今年もそのような感覚で物事を見てゆくことにしよう。
「忠臣蔵」が中国で人気のなぜ 発行部数が日本の8倍に著者が驚き
12月といえば、赤穂浪士の討ち入り。
そんな感覚が、日本だけでなく中国でも広まるかもしれない。というのも、「忠臣蔵」など日本の歴史ものの書籍が中国で売れているのだ。日本について、より深く理解したいと思う中国の人々が増えていることが背景にある。
「信じがたい。きっと何かの間違いだ」。野口武彦・神戸大名誉教授(84)は、自著「花の忠臣蔵」(講談社)の中国語版が売れていると聞き、驚いた。講談社が現地の出版社に問い合わせたところ、約1万6千部が発行されたという。「ぼくは日本では『初版2千部ポッキリ、再版なし』と相場の決まっている物書きなのに……」
野口さんは、日本文学や日本思想史が専門の文芸評論家だ。「江戸の歴史家」でサントリー学芸賞、「幕末気分」で読売文学賞を受賞するなど、多数の著書を執筆してきた。
2015年に日本で発売された「花の忠臣蔵」は、赤穂事件の背景として、幕府の貨幣改鋳政策による物価高騰の影響を指摘。吉良(きら)上野(こうずけの)介(すけ)が浅野(あさの)内匠(たくみの)頭(かみ)を冷遇したのは、浅野内匠頭が担当を命じられた行事の費用に関し、インフレを考慮せず、過去の記録などを参考にして出費を抑えようとしたことに不満を抱いたからだとの説を紹介している。
金銭絡みのトラブルから関係がこじれ、ひどい言葉をかけられた浅野内匠頭が立腹して刃傷事件に至ったという構図。多くの歴史資料を踏まえ、吉良邸への討ち入り場面なども、詳細かつダイナミックに描いた作品だ。
華やかな筆致ながら情報量は非常に多く、易しい内容ではない。だが、中国の書評サイトには、じっくりと読み込んだことがうかがえるコメントがずらりと並ぶ。
《本書が面白いのは、忠臣蔵の物語を、貨幣経済の浸透という時代背景のもとに置いて読み解いたところだ》
《細部の描写が面白く、アングルも奇抜。江戸城での刃傷事件は結局、お金と関係していたこと、哀れむべきか悲しむべきか》
■出版社も驚いた意外性
野口さんは、「主君への忠義のため隠忍自重し、ついに本懐を遂げる武人の姿といういかにも日本的な人間像を受容する理解力、洞察力、洗練されたセンスをそなえた一定数の読者が(中国に)存在しているという事実に感服した」という。
中国で出版されたのは2019年。北京の現地法人を通じて、中国の出版社から翻訳書出版のオファーを受けた講談社も驚きを隠せない。
「中国でニーズがあるテーマは、中国と関わりがあるものか日本の近代史関係と思っていた。そうでない忠臣蔵にテーマを絞った本書にオファーが来たことは意外だった」。同社の北岡森生・国際ライツ事業部次長はそう振り返る。
北岡次長は、「日本の近代史の背景には武士道精神があるという観点が中国にあり、武士道精神に対する興味は、歴史背景を理解するためとしての側面が強い」とみている。
2021年12月30日 18時0分 朝日新聞デジタル
https://news.livedoor.com/article/detail/21438993/
さて、皆さんは「忠臣蔵」というのをご存じであろうか。若い人は、最近あまり時代劇をテレビでも行わないので、知らないかもしれないが、ある意味で「昭和の日本の風物詩」ということが言える。忠臣蔵の話は江戸時代中期の1701年に起こった「赤穂事件」がもとになって後に歌舞伎の演目となった「仮名手本忠臣蔵」のことである。簡単に言えば、赤穂藩の若い藩主浅野内匠頭が、その教育係である吉良上野介にいじめ得られ、逆切れして江戸城の中で刃傷沙汰を起こし、切腹させられた。赤穂藩の筆頭家老大石内蔵助が、一年間隠忍自重し資料を集め隠密に動いて、部下を合わせ47人の藩士が12月14日に吉良邸に押し入り、見事仇討ちを行った。その後、市中を騒がせた罪で大石内蔵助以下全員が切腹させられるというものである。
まあ、日本人は主君に忠実でなおかつ中もの結束を重んじ、そして仇討ちを行った後、潔く切腹するという、このような物語が非常に好きであり、仇討ちの日である12月14日に合わせて様々なイベントが行われたのである。しかし、海外では全く異なる内容になる。確かに、日本人の美学的な考え方をしても、なかなか理解できないのではないようである。特に、最後に全員が切腹して終わるという終わり方は、キリスト教では「美学」ではなく「神への冒涜」というような感じになってしまい、家族でもないモノのために単純な戒律違反でしかないという解釈になるのである。
しかし、この「忠臣蔵」が、アメリカで研究された時がある。それが、いわゆる「9・11」つまりアメリカ同時多発テロの直後だ。そして、それは「完璧なテロの教科書」として、CIAが忠臣蔵の本を大量購入し、そして研究したのである。つまり、日本の忠臣蔵という美談が、アメリカやイギリスでは「テロ」というような評価になったのだ。
日本では信じがたいかもしれないが、アメリカ流の考え方は、そもそも浅野内匠頭が、江戸城内のルールに従うことなく、逆切れしたのが刃傷沙汰の原因であり、本来赤穂藩は「馬鹿な君主を持った」とあきらめるべきであって、それを「仇討ち」と考える方がおかしい。そのうえ、その仇討は、見事なまでの計画性と隠密性があり、なおかつ集団で組織的に犯行に及んでいる。これはテロであると考えて間違いはない。
その上、より特徴的なのは、「江戸市中の人々が家の外に出てテロリスト(大石内蔵助一味)を歓迎し、英雄視していること、そして、その英雄的な扱いが現代(300年後)になっても続いているということである。
このことを9・11になぞらえてみると、そもそも、9・11のテロそのものは間違いなくテロである。そのテロリストをアルジャジーラなどをつかい、広報戦略的に肯定し、その上で、ウサマ・ビン・ラディン氏などを英雄視する向きがイスラム教の中にあり、アルカイダ。其のあとのISなどにイギリスやアメリカなどから参加して反対し絵運動に手を貸すような人が出てきたということにつながるのである。
さて、この本を中国が研究しているという。
「主君への忠義のため隠忍自重し、ついに本懐を遂げる武人の姿といういかにも日本的な人間像を受容する理解力、洞察力、洗練されたセンスをそなえた一定数の読者が(中国に)存在しているという事実に感服した」<上記より抜粋>
さて、中国にこの「野口氏」のような先妻の感覚があるだろうか。そのことは現在の中国を見ればわかる。そもそも「商売を成功させるためには裏切らない部下が必要」というようなことで関帝廟が飾られる国民性がある場所(これは共産党以前からである)でそのような心根があるだろうか。それよりもアメリカが研究している「テロの教科書としての忠臣蔵」を研究し「超限戦」や「情報三戦」の参考にしているのではないか。
無邪気に喜んでいる出版社に何かを言うつもりはないし、もしかしたら純粋に喜んでよいことなのかもしれない。しかし、テロの教科書とみられているということも、少し頭の隅においてよいのではないか。そのような「日本人の常識が世界では通用しない」ということが、実は世界では重要なのである。
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