「宇田川源流」 人権問題や不倫問題が大きくクローズアップされる北京オリンピックにどう対応すべきか
「宇田川源流」 人権問題や不倫問題が大きくクローズアップされる北京オリンピックにどう対応すべきか
北京オリンピックのボイコットが話題になっている。これに関する報道の姿勢なども泡褪せて非常に興味深いところが面白い。
本年の7月に東京オリンピックが開催された日本において、今年の5月以降、日本のマスコミの多く、特にテレビ朝日の朝の番組などは声高にオリンピックの中止を訴えていた。その時の口上は「コロナウイルス蔓延で国民が死ぬ」という物であった。当時はコロナウイルス、いわゆるデルタ株といわれる変異種が蔓延し、一日に1万人に近い新規感染者が出ていたということもあり、そのことから、海外から新種の変異株が出てきた里、あるいは、オリンピック観戦者が多く密集して応援していた場合、日本国内においてコロナウイルスが蔓延するという物ではなかったかと思う。そのことに対応してオリンピック組織委員会は、まずは観客の制限を打ち出したが、そのうちに無観客を提案しまた選手に関してもバブル方式をとり、無許可で町中に出た人の参加資格を取り消すということをしたのである。
このことが功を奏したと、いうことができるのかどうかは科学的にはわからないが、しかし、実際に結果として、オリンピックの閉会後、コロナウイルス感染者が激減し、世界から日本はどうして感染を抑え込んだのかというようなことを言われるようになった;今日もヨーロッパや南アフリカなどでオミクロン株が蔓延し、再度ロックダウンを行うことなど画話題に上がっているが、しかし日本では新規感染者がかなり低水準に保たれている。オリンピックのころから言われていた「第6波」は、今のところ来ていない。
さて、このような現状からもわか禹るようにオミクロン株の蔓延から、北京オリンピックは、東京オリンピックとほぼ同等の状況で感染の恐れがある。当然に、選手に関しては同様にバブル方式になるということで中国はアピールしている。しかし、では「外交で中国に行った外交官や企業の人など」はどうなのであろうか。もちろん無観客または中国にいる人しか感染させないということなので、観光客は存在しないということになっているが、しかし、外交官などは、そのことでボイコットをするとなると反対するのが中国である。そのように考えた場合、では外交官などがコロナウイルスに感染し、日本に戻ってきた場合どうなるのであろうか。
このような状態でありながら、なぜ、東京オリンピックに反対していた人々は、北京オリンピック反対の動きをしないのであろうか。中国大使館の前などで行う方法はあると思うが、その辺に、「日本の反対運動」に政治的な、または、矛盾をはらんだ身勝手な動きを感じるのである。
中国「気にしてない」豪の外交的ボイコット
オーストラリアが、アメリカに続き北京オリンピックへの「外交的ボイコット」を表明したことについて、中国側は強く反発しています。
オーストラリアのモリソン首相は、8日、中国の新疆ウイグル自治区での人権侵害などを理由に、北京オリンピックに政府関係者を派遣しないことを明らかにしました。
これに対して、中国外務省の報道官は、会見で、「誰も招待していないし、来るか来ないかは誰も気にしていない」とした上で、「オーストラリア政府は、疑いもせずにごく少数の国に従っている」と批判しました。
また、「強烈な不満と断固とした反対」を表明した上で、すでにオーストラリア側に抗議を申し入れたことを明らかにしています。
2021年12月8日 17時41分 日テレNEWS24
https://news.livedoor.com/article/detail/21321100/
「ジェノサイド五輪」と呼べ ワシントン・ポストが社説
【ワシントン=渡辺浩生】米政府が中国による新疆ウイグル自治区などの人権弾圧に抗議し「外交的ボイコット」を表明した北京冬季五輪について、7日の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は「ジェノサイド(民族大量虐殺)五輪」と命名する社説を掲載した。
社説は「米国のボイコットは始まりにすぎない」として「同盟国は後に続くべきだ」と強調。派遣される選手団には「弾圧の犠牲者と連帯して非難の声をあげる必要がある」とし、メディアには「紙面や放送時間を費やし、凄惨(せいさん)な虐待の真実を伝えるべきだ」と注文した。
スポンサー企業には「習(近平)政権が人道に対する犯罪を封印することに手を貸すことに恥を知るべきだ」と厳しく指摘。世界中の国や企業、市民が「大会を『ジェノサイド五輪』と呼ばねばならない」と呼びかけた。
人権尊重などをテーマに100以上の国や地域が参加する民主主義サミットが9日から開催されることから、国際社会へのアピールを狙ったようだ。
2021年12月8日 19時11分 産経新聞
https://news.livedoor.com/article/detail/21321754/
上記にあるように、コロナウイルス感染対策として、外交官の北京オリンピックの覇権を中止した国がニュージーランドだ。まあ、これに関しては理解できないことはない。
では、アメリカ・イギリス・カナダ・イギリスなどの国は、北京オリンピックに外交官や政治的な人を派遣しないということで「外交的ボイコット」を行うことを表明している。もちろん、コロナウイルス対策ということもあるかと思うが、それだけではなく、中国の人権問題、特にウイグルやチベットにおけるジェノサイド(民族大量殺戮)を行ったことに関して政治的に講義する意味を持っている。
これに対して、中国共産党政府は「そもそも民族虐殺はない」とし、なおかつ、ウイグルにおける収容所は「国内政治でありアメリカなどは内政干渉である」というようなことを主張している。
しかし、ここがポイントであるが、中国はジェノサイドがなかったということを証明する意味を含めて「収容所」の中をアメリカなどのマスコミに公開するということもしないし、またウイグルに自由に取材をするということもない。つまり、人権違反という指摘に対して、さらに「情報開示」「言論の自由」を制限するという、別な基本的人権に完全に違反して、ただひたすらに自分たちの意向に沿わない国に対して脅迫と威圧を続けているだけなのである。
上記にも書いたが、そのような国に対して、なぜか日本のマスコミも選手団も、そして東京オリンピックに反対していた人々も、全て反対の意向を示さないん野である。日本の「人権派」というのは、国内の政治的な動きはよくするものの、海外の人権問題に関しては全く無視するという、本当に人権ということをしっかりとわかっているのか疑問な状況なのだ。
さて、この問題に関して、私としては、中国の人権侵害やジェノサイドは避けられないものと思う。これをこのまま許せば「大国の横暴に世界が屈してよいのか」ということになる。もちろんすでに屈してしまっているIOCのような所も存在するので、何とも言いようがない所であろう。しかし、金銭上の利益やあるいはそのような大国の威圧に屈してよい話ではないのではないか。ましてや、日本の人権派といわれる人々は一部のマスコミのように矛盾した行動をとっているような人々は、恥を知るべきであろう。
さて最大の問題は、「日本国がどうするのか」そして「スポーツ業界はどうするのか」ということになる。日本国の判断は、岸田内閣が行うことになるのであろうが、そこでしっかりと日本の人権に関する考え方を示す必要があるのではないか。そのような行動を行えないならば、また大国の横暴に屈するのであれば、国民の信頼は失われる。
同じことは、日本の競技団体、つまりアスリートも同じである。人権がしっかりと保護されているからこそ、スポーツを平和に楽しむことができるのではないか。そのようなことがわからないで、ただ自分たちの成績や成果ということだけを主張していていいのであろうか。今後の頃60日の間に、日本政府やアスリートたちの人権に対する考え方が明らかになるのではないか。もちろん、企業も同じである。
なお、アメリカの放送権を持っているNBCは、今回の「ジェノサイド五輪」を中継するのであろうか?
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