「宇田川源流」【宇田川大河ドラマ考】 そもそも「ドラマ」とは何か?

「宇田川源流」【宇田川大河ドラマ考】 そもそも「ドラマ」とは何か?


毎週水曜日は「大河ドラマ 青天を衝け」の話をしていたのであるが、実は今週から三週、そして、パラリンピック期間中に二週、それぞれ休みになってしまうのである。さすがに放送のない番組のことを書くわけにはいかない。というか書くことが何か分からなくなってしまう。そのように考えたことから、この5週間だけは、仕方がないので、このブログで「大河ドラマ考」として、大河ドラマに関して考えられることを見てゆこうと思う。

さて、ところで先日7月21日、岡山県高梁市で「山田方谷大河ドラマ化に向けて」ということで、大河ドラマ化をするために必要話を講演した。もちろん、その内容に関してNHKから公式の何かをもらっているわけではないので、何とも言いようがないところであるが、それでも「歴史小説」などを通じて「ドラマとは何か」ということに関してはわかるところもある。そこで講演をさせていただいた。

その講演の内容は、まあ、あまり詳細を書くわけにはいかないのであるが、それでも全体で三部構成。その三部構成の中で第一部は「宮本武蔵」第二部は「明智光秀」第三部は「渋沢栄一」について話をしており、なんと山田方谷に関しては全く話をしていないという特徴的な素晴らしい講演をしてしまったのである。もちろん、それで結構好評であったと、「リップサービス」を含めてお話しいただいている状態である。

その中のテーマも「ドラマとは何か」である。なんといっても、その部分がわかっていないと、大河ドラマなどはわからない内容になってしまう。大河ドラマ誘致をこれからするというところも、「何を誘致するのか」ということが全く見えなくなってしまうのである。

そこで、まずは「ドラマとは何か」ということをしっかりと認識しておかなかければならないのではないか。


鎌倉殿の13人:22年大河ドラマ、静岡ロケ公開 伊豆の国市にオープンセット 小栗旬「一番戦っているかも」

 三谷幸喜さんが脚本を手掛け、小栗旬さんが主演を務める2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のロケの模様が7月20日、公開された。公開された写真には主人公・北条義時(小栗さん)ら北条勢が伊豆の平家方の館に攻め入るシーンや、挙兵した源頼朝(大泉洋さん)の軍が、父・義朝の拠点だった鎌倉に入る姿が収められている。撮影は、北条家ゆかりの地・伊豆の国市のオープンセットを中心に、沼津市や裾野市、富士宮市など静岡県の各地で収録しているという。

 小栗さんは撮影について、「順調に進んでいて、物語のオープニングのほうの大事なシーンもいい感じに撮れたと思います。やはり外に出てくるとスタジオとはまったく違う気持ちよさがあります。すぐ近くに北条ゆかりの地があるという、すごくいい場所にオープンセットを建てていただき、いろいろ当時のことを想像しやすい、タイムスリップしたような気分で撮影できるのでとても助かっています」とコメント。

 続けて、「ロケなので戦のシーンも多く、今まで出演した大河ドラマの中で、今回が一番戦っているかもしれません。殺陣については、平安時代末期から鎌倉時代ということで、技術がどうこうというよりも、荒っぽく、坂東武者の荒々しさのようなものをテーマに演じているので、そこの部分はうまく出せていっているのではないかと思います」と語った。

 「鎌倉殿の13人」は、2004年の「新選組!」、2016年の「真田丸」に続き3度目の大河ドラマとなる三谷さんが贈る予測不能のエンターテインメント作。源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男、鎌倉幕府の二代執権・北条義時が主人公で、野心とは無縁だった若者が、いかにして武士の頂点に上り詰めたのかを描く。

 

2021年07月20日 マンタンウエブ


 一応「ニュース解説」のブログということにしているので、一応記事を載せておいたが、実際に、今回ここで、来年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に関して詳しく書いてしまうと、来年書くネタが無くなってしまうので、これはあくまでも参考程度にしながら、しっかりと「ドラマ考」ということを考えてみたい。

 さて「ドラマ」というのは、上記の記事の言葉を借りれば<三谷さんが贈る予測不能のエンターテインメント作 >であるというように言われる。要するに「エンターテインメント性が重視されるものであって、史実性が重視されるものではない」という定義になる。

 そもそもドラマというのは、「題材」としての主人公があり、その主人公の存在を使って、現在の人々に、「現在の課題」を解決できるような指針やメッセージをテーマとして盛り込んで、その内容を出すものである。

 つまり「史実」ではなく「現在の問題を描いた、歴史人物を使った風刺物語」でしかないということになる。そのために、大河ドラマに限らず、時代劇というものはフィクションが多い。歴史上の人物であるから歴史に近いものであると感じる人も少なくないし、しっかりと時代考証もできているので、歴史に近いと思っている人も少なくない。しかし、実際のところは「歴史上の人物に近い方が、環境の設定や舞台背景などを説明する手間が省ける」というような感覚しかなく、基本的にはあまり歴史に配慮する気などはないのが、本来の内容である。

 さて、ではドラマとはどこまで嘘が許されるのか。単純に「演出」の範囲を超えてしまえば、それはフィクションになる。織田信長がスマホで連絡を取ったり、幕末に戦車隊が出てきたりすれば興ざめする。また、そんなことはなくても、関ヶ原で徳川家康が負けてしまい、豊臣が幕府を作ったり、会津戦争で松平容保が勝利して京都を奪還するようなことがあっても、それは何かが違う。

 しかし、そのような大筋の歴史の流れが一緒ならば、あとは「演出」という言葉の中で何とかなってしまう。

 殺陣については、平安時代末期から鎌倉時代ということで、技術がどうこうというよりも、荒っぽく、坂東武者の荒々しさのようなものをテーマに演じているので、そこの部分はうまく出せていっているのではないかと思います<上記より抜粋>

 来年の主役の小栗旬さんの言葉から引用したが、当時の戦いに「テーマ」などがあるはずがない。しかし、そこに「テーマ」を求め演じる。まさにこれがドラマのではないか。そして大河ドラマを誘致するということは、その「ドラマ」を求めているのではないか。

だから、ドラマが史実と異なるというような批判を聞くのは、あまり面白くないし、また、そのような批判をすること自体がナンセンスである。ドラマはドラマの世界の中でしっかりと楽しむべきであるし、その覚悟をもって、演出などを楽しむ余裕が必要なのではないか。

宇田川源流

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