「宇田川源流」 日本において温室効果ガス実質ゼロの水素エンジン車が耐久レースで完走

「宇田川源流」 日本において温室効果ガス実質ゼロの水素エンジン車が耐久レースで完走


 私と直接会って話したことのある人はわかると思うが、私自身、じどうしゃはすきではあるが、しかし、レースに出るとか、そういった内容が好きなわけではない。まあ、優雅にどこかドライブして普段の景色とは異なるものを見に行くというのは、非常に好きなのだが、まあ、同じ周回コースを何回も走って距離やスピードを競うというのはあまり好むところではない。まあ、その場に行けば楽しむのであるが、しかし、まあ、もう一度行きたいとか病みつきになるということはあまりない。まあ、そもそも他人と競うということがあまり好きではないのかもしれないし、それ以上に、自分が負けるのがあまり好きではないので、実力のないレースにはあまりでないという状況になる。

 それでも今回の24時間耐久レースは、実はかなり注目していた。ある意味で日本の未来がかかっているということになる、そのことをどのように考えるのかということになる。

 まず何よりも「水素エンジン」についてご存じであろうか。水素エンジンとは、簡単に言ってしまうと従来のガソリンエンジンのガソリンが水素に置き変わったエンジンのことをいう。ガソリンと空気をエンジン内で燃焼させるのがガソリンエンジンで、水素と空気を燃焼させるのが水素エンジンの基本的な仕組みであり、その構造は基本的には普通のエンジンと同様である。そんな水素エンジンのメリットは「環境に対する負荷が圧倒的に少ない点」「既存のエンジンをベースとして比較的少しの改良で導入できるという点」「資源の枯渇を心配する必要が無いという点」、これに対してデメリットは「水素ステーションを始めとするインフラが整備されていない」「燃料となる水素そのものの値段が高い」などの問題がある。しかし、日本にとっては、間違いなく「燃料を輸入しなくてよい」ということは大きなメリットのはずである。

 その車が耐久レースに出場したのである。

 

トヨタの水素エンジン車、24時間耐久レース完走…豊田章男社長もドライバーで参加

 富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開かれた24時間耐久レースに、トヨタ自動車が開発中の水素エンジン車が初めて出場し、23日に完走を果たした。レース仕様に改造した「カローラスポーツ」の後部に水素タンク4本を積み、24時間で358周(1634キロ)を走った。

 豊田章男社長も、交代で運転するドライバーの一員として参加した。終了後、「未来のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量の実質ゼロ)社会に向け、選択肢を広げるための第一歩を示すことができた」と振り返った。水素を燃料とする水素エンジンは、構造はガソリンエンジンとほぼ同じだが、二酸化炭素をほとんど排出しない。

2021年05月23日 19時31分 読売新聞

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12213-1081485/

 レース後のトヨタ自動車の豊田章男社長が会見によると、以下のデータが公開された。

走行距離:1634km

周回数:358周

走行時間:12時間

水素充填時間:4時間

水素充填回数:35回

 かなり良い数字であると思う。さて、私が言いたいのは、今エコカーといえば、EVが中心になっている。これは上記の問題点の中でお「水素スタンドの整備ができていない」ということに他ならない。EVは家庭用コンセントでも充電が可能である。しかし、初戦電池であるので、気温によってその内容はかなり変わるし、そもそも24時間の耐久レースなどはできない。いくら急速充電などといっても、数時間充電しなければならず、そのために、耐久レー氏などには向かない。実際に、EV車の販売は、かなりできているものの、大量の「廃棄されるリチウムイオン電池」が発生し、またその内容に関しては過充電で熱を帯び、中国ではバスが全て燃えてしまうような事故が報道されたばかりである。

 もちろん水素であっても事故は発生する。少なくともガソリン車と同じようになっているということは水素の爆発力を考え、そのうえで、水素を使っているのであるから危険であることはガソリン車と変わらない。しかし、水素の場合の事故はある程度予想がつくのに対して、携帯電話の電池が発火した時などを含めて、基本的には全く同じ内容の事故が発生する。

しかし、そのことはそのまま、「今の自動車の製造システムがそのまま使える」ということを意味しているのであり、部品なども何も替わることはない。また、そのまま使えるのであるから、現座の中古車も、少し部品を「水素用」に変えるだけで基本的にはうまくゆくということになるのである。

そのように考えれば、「新たな製造ラインを作る」事よりもはるかに良いということになり、その分も無駄がない。

それ以上に、何よりも「発電所を作る必要がない」と言ことになる。よくよく考えていただきたい、実際に、現在の日本の保有の車の台数は、レンタカーや運送、工事用車両などを含めれば億を超えている台数になっている。その台数を全て充電するにはいったいどのようになるのか。また、また充電はガソリンスタンドのように短い時間で出来るような充電ではない。そのうえで、長距離を走らなければならないし、また、重たい荷物を運ぶトラックなどは、それだけ強いモーターを使わなければならない。単純に言えば、電力の消費は非常に大きなものになり、なおかつ、それだけの時間の充電をしなければならなくなるのである。また、充電電池ということは雪の中などでは、うまく回らない。経験上、冬の寒い日にバッテリーが上がってしまってエンジンがかからないなどというような経験がある人もいるのではないかと思うが、まさに、そのような状況が多くの車の中で起きるということを意味している。

そのうえで、そのような渋滞の時に、「充電させる」だけのコンセントと電力を作らなければならないということになるのである。それだけの電力を作るためにはどのような状況になるのであろうか。今の日本の発電力で通じるのか。新たにそれだけの発電所を作るのであれば、火力を作れば、ガソリン車を走らせているのと同じになるし、また太陽光などの再生可能エネルギーでは、発電量が足りないという状況になったりあるいは新た木を切らなければならず、かえって環境に悪くなるということになる。

同時にそれだけの発電所を作るということであれば、日本に水素ステーションを作るのとコストは変わらない。はっきり言ってしまえば現在のガソリンスタンドを改良すればよいということになれば、土地買収費などが含まれない分安く済むことになるのである。そのうえ、資源の輸入を最小限に少なくできるということを考えれば、日本にとって良いことではないのか。

期待できる水素燃料の車が実用化で耐久レースが出た。つまり、それだけの期待が持てるということなのではないか。

宇田川源流

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