「宇田川源流」 初めから技術を盗むだけのために近づいた中国に滲出した企業の運命は日本もアメリカも変わらなかった
「宇田川源流」 初めから技術を盗むだけのために近づいた中国に滲出した企業の運命は日本もアメリカも変わらなかった
中国に進出したテスラモータースが、中国人から反感を買っているというニュースが出ている。先に結論を言っておけば、中国という国は、というよりは中国共産党という政府は、そのようなことを日常的にやっている政府である。もともと一党独裁なのに、何かやるときには民衆に騒がせ「人が騒いでいるから」という言い訳を使う。
そしてその手段を使うときには「初めから何か欲しい物(技術など)があり、それを手に入れてしまった後に、マス(集団)を騒がせたり、あるいはマスコミを使ったりして、政府は自分の責任ではないという態度で追い出す」ということになる。
当然に、政府は収めたけれども、企業側が悪いので仕方がないというような感じだ。そのようにして企業側に帰責事由を求めることによって、当然に、それまでもらったわいろなどを返すことはしないし、中国側がペナルティを払うことはない。相手が投資したものは丸ごと頂戴するということになるのである。
日本企業はほとんどそれをやられているといってよい。ではなぜ日本の企業が今になっても進出するのか。当然にその疑問が出てくる。それは、90年代に日本から進出した企業の担当者は、皆いい思いをしている。はっきり言って日本のもらっている金銭で10倍の遊びができるのである。当時平社員の私の給料で、殿様クラスの遊びができたのであるから、まあ、誰でも気にいるであろう。そして、その時代の中国に行っていた人々は、その責任者は皆すでに引退していて、一緒に連れていかれた当時30代の、ちょうど私のような世代が、昔の面白かった、何でもできた中国を思い出し、あれならば自分の権限になったらもっと良い思いができるはずだと思って、進出する。部長や取締役になっている当時の30代は、皆昔の幻想をもって遊びに行っているのである。
まさに「時代が違う」ということも関係なく、現在の現場の声に「そんなはずはない」ということを言って、進出の方しか考えない。それが、今の進出企業のだいたいの失敗点の共通項であろう。
そして、そのような日本人を見ていて、アメリカも進出することになる。といっても、古い企業やアメリカの基幹産業が中国に進出するということはない。もちろん、小売業などは行くことがあっても、製造業などの基幹産業は別に中国に行く必要はないのである。しかし、新興企業は、アメリカの中でも二つの敵を抱えている。一つは、競合他社、そしてもう一つはアメリカの中の古い商慣習などである。そして、そのような二つの敵を破るために、資本主義でもない、人脈と金で何とか買収できると考える14億人の市場を抱えた独裁国である中国に行くことになる。
焦点:起こるべくして起きたテスラの「中国トラブル」
[北京 22日 ロイター] - テスラが販売台数の急増に見合うサービス態勢を整えることに四苦八苦していた中、中国でテスラへの反感がこれまでにじわじわと蓄積されていた以上、起こるべくして起きた事態とも言える。
テスラはメディアによる一斉攻撃を浴び、規制当局の「お叱り」も受けた。これは外国の大手ブランドにとって中国がいかに危険な場所になり得るか、そして国家の厳しい統制を受けたメディアが批判姿勢に転じた場合、たった1つの苦情案件処理の間違いがいかに大変な危機に転じ得るかを物語っている。
またテスラと言えば業界の慣習を顧みないことで知られ、その象徴的存在が創業者のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)だ。めったに誤りを認めない企業文化は米国でこそ、それなりのファンを獲得しているものの、中国では逆効果でしかない。マスク氏の名声ゆえに、中国政府は外国自動車メーカーとして初めてテスラに地元企業と合弁なしの事業展開を認めたのは確かだが、今やテスラはずっと長い歴史を持つライバルメーカーたちが何年も前に得た教訓を学びつつある。
テスラが直面するトラブルは、主に同社の北米事業に関係しているとはいえ、マスク氏や経営幹部らが認識してきた問題の大きさも浮き彫りにしている。ハードウエアに不具合が生じた場合に車両を修理する能力が、猛スピードで伸びる販売台数に圧倒されてしまったのだ。
カークホーン最高財務責任者(CFO)は1月、投資家に対して「サービスの拡充がテスラの将来戦略にとって本当に大事になっている」と認めた。
では今週、テスラはどんな事態に見舞われたのか。発端は上海国際モーターショーが始まった19日、ブレーキが効かないという苦情に対するテスラ側の対応に怒った1人の顧客女性がテスラの展示車両の屋根に上り、不満を叫んだことだ。この動画はソーシャルメディアで拡散された。
騒動がさらに拡大したのは、テスラの対外関係担当バイスプレジデント、グレース・タオ氏がこの女性が「やらせ」ではないかと疑問を呈した後だった。
タオ氏は地元メディアのインタビューで「事実は分からないが多分、彼女はかなりのプロで、(誰かが)背後にいるはずだと思う。われわれは妥協するつもりはない。これは新車開発のプロセスにすぎない」と発言。直後にテスラはあわてて火消しに走り、報道の撤回を求めてきた、とこのメディアが20日、メッセージアプリの微信(ウィーチャット)で明かした。
テスラのコメントは次第に「前非を悔いる」姿勢へと転じていく。当初の「妥協せず」から20日は「謝罪と自主的な調査」の表明に変わり、そして21日夜には「規制当局と協力して調査」していると説明した。
国営新華社通信は、テスラの謝罪は「不誠実」だと述べた上で、「問題のある上級幹部」の更迭を要求。共産党機関紙、人民日報系のタブロイド「環球時報」もタオ氏の発言を取り上げてテスラの「大失態」と呼び、中国に進出している外国企業にとって1つの教訓になると解説した。
中国国営中央テレビ(CCTV)の報道番組の元総合司会者で2014年にテスラに入ったタオ氏には連絡が取れず、テスラもさらなるコメント要請には応じていない。
調査会社シノ・オート・インサイツのアナリスト、テュー・リー氏は「中国ではテスラ車の品質とサービスに関する不平不満がソーシャルメディア上にずっと書き込まれている。そのほとんどを同社の地元チームは20日まで無視してきたようだ」と述べた。
中国で販売されるテスラ車は、同社の上海工場で生産されており人気が高い。世界一の大きさを持つ中国EV市場において、テスラの販売シェアは30%を占める。
だがテスラへのプレッシャーは積み重なっていた。
先月には、中国人民解放軍が車載カメラなどから軍事機密が漏れる懸念を理由にテスラ車の利用を禁止した、と複数の関係者がロイターに語った。その翌日、マスク氏はオンラインイベントで「もしテスラが中国であれどこであれ、スパイ活動のために車両を使っていれば、工場は閉鎖されてしまう」と強調し、すぐにスパイ行為を否定した。
テスラは昨年、米国の広報チームをほとんど解体したようだが、中国では引き続き広報担当者を雇用している。
それでも外部との対話に関する限り、テスラが大きく依存しているのはマスク氏のツイッターだ。マスク氏のアカウントは5000万人超のフォロワーを抱えている。ただ22日までの時点で、今回の中国における問題でマスク氏は沈黙したまま。一方、短文投稿サイトの微博(ウェイボ)にはテスラ車オーナーから突然の加速やハンドルの不調といった品質面のクレームが殺到している。
環球時報の胡錫進編集長は22日、テスラを中国から追い出すつもりはないと強調。「われわれの究極のゴールは、外国企業に中国市場へ適応し、中国の法規制をしっかり守るとともに、中国の文化と消費者を尊重して中国経済にとってプラス要素になってもらうことにある。それが教訓であれ支援であれ、全ては同じ目標を示している」と述べた。
2021年4月24日 7時47分 ロイター
https://news.livedoor.com/article/detail/20082173/
さて、ロイターの記事はかなり様々書いてあるし、またテスラとマスク氏をよく取材しているということになる。
まずテスラの問題の発端は上海国際モーターショーが始まった19日、ブレーキが効かないという苦情に対するテスラ側の対応に怒った1人の顧客女性がテスラの展示車両の屋根に上り、不満を叫んだことだ。この動画はソーシャルメディアで拡散された。<上記より抜粋>
まさに、トラブルというのは、中国の場合このように始まる。日本の企業でも同じで、なんでもないところでいきなり大声で、秩序を乱すような苦情を言うのが中国人のやり方である。当然に「全体を見て」その場を収集しようとする。しかし、それがSNSやマスコミで流れてより火に油を注ぐことになるのである。
中国には「五毛族」という人々がいるのを覚えているであろうか。政府の命令で、SNS上で政府の言うとおりに何かを誘導するように呟き、その一つぶやきで「5毛」(中国の通貨は元・角・厘・毛であり1元=15円であるので、一つぶやきで0.075円)もらえる人々が何千万人といるのである。まさに、そのような人々が生活をかけてテスラの悪口や苦情を書くのであるから、なかなか困ったものになるのである。
タオ氏は地元メディアのインタビューで「事実は分からないが多分、彼女はかなりのプロで、(誰かが)背後にいるはずだと思う。われわれは妥協するつもりはない。これは新車開発のプロセスにすぎない」と発言。<上記より抜粋>
まさに、中国の事をよく知っている人はこのように発言する。しかし、そのような発言をしても、それが本当の事であっても、相手が政治権力そのものであり、なおかつ何千万人もの
SNSの「五毛族」がいるのであるから「衆寡敵せず」となる。逆に言えば、この副社長のタオ氏が発言するまでの間に、すでに中国はテスラの技術、特にEV車の技術に関する内容の、欲しいところをすべて取ってしまったということになる。また、多分であるがテスラの本社や開発部門のマスターコンピューターの中にウイルスでも仕込んであるのだろう。これからも継続的に情報がは言えることになっていると考えて間違いがない。
こうなればお払い箱である。まさに、絵にかいたような転落で中国から追い出されることになる。今から数年後には間違いなくテスラの技術を持った、中国の格安EV車が出てくることになるであろう。実際に、今年2021年の上海展示会では、ファーウェイなどアメリカで活動をしていなかったはずの企業はEV車を展示していたのである。
まあ、それが中国共産党の姿なのである。ロイターは、これをテスラが悪いように書いているが、実際は、これが中国共産党の手段であるといってよい。ロイターは中国から手や金が回っているのか、あるいは、テスラが嫌いなのか、いずれにせよテスラだけの問題で、このようになるのは通常考えられない。そのことの検証がこの記事では見えていない。日本の企業で中国に進出するときには、テスラ社ですらこのようになるということをよく近いしておくべきであろう。
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