「宇田川源流」 ウイグルをめぐる中国に対する態度を見せよという国際的圧力でユニクロやH&Mが訴訟される

「宇田川源流」 ウイグルをめぐる中国に対する態度を見せよという国際的圧力でユニクロやH&Mが訴訟される


 中国共産党によるウイグル弾圧が大きな問題になっている。単純に国際的な政治問題になる可能性を秘めているのであるが、各国がどこまでそれを行うのかは見ものだ。

 国内における人種差別(ジェノサイド)は、ある意味では「内政問題」であるということになるが、一方でその内容は「後世に禍根を残す」ということになれば「世界の問題」というようになる。第二次世界大戦時のナチスドイツによるユダヤ人虐殺とされている内容に関して、世界的な批判が存在している状況において、その内容を「ナチスドイツ国内の内政問題であるから鑑賞しない」とはなかなかならないのではないか。現在そのようなことを言う人は少ないと思われる。

 中国共産党自身、アメリカの黒人差別問題、いわゆる「フロイドさん事件」に関して、国際的な非難を行っていたにもかかわらず、ウイグル人の問題に関しては「内政干渉」というような態度を貫いていること自体、その違和感を感じない人はいないのではないか。しかし、なぜか同じ現象でありながらそれがわからない人がいる。「ナチスドイツが、アーリア人至上主義を唱え、内政的にユダヤ人虐殺を行った」ということに関しては批判するのに、「中国共産党が漢民族及び共産党至上主義を唱え、内政的にウイグル人虐殺を行った」ということに関して理解できない人々は、ここまでの類似性を理解できないか、あるいはこの類似性について、金銭的な状況や、あるいは何らかのメリットを享受して、わざと見えないようにしている可能性があるのである。

 つまり、「同一利益の享受者であり、なおかつ心理的共犯者である」ということを言っても過言ではないのかもしれない。

 もちろん、「本当に虐殺が行われているのであれば」という条件付きであることは間違いがないが、一方で、虐殺が行われていない前提で、被害を受けた人々の話をすべて無視することが適当であるかどうかは難しい。このような観点で「訴えられている行為がなかった」といういうような主張をしていたことで有名なのが、日本社会党、その後の社会民主党やその人材を受け入れた民主党、または現在の立憲民主党などにおいて「拉致はなかった」という、北朝鮮問題における内容をどのように考えるかである。あえて実名を出すが土井たか子、江田五月という人々は、拉致被害者である五人が帰国したのちも「拉致はなかった」という論文をネット上に掲載していたのである。

 そのような状況を、今の日本国民はどのように考えるのであろうか。

NGOがユニクロ告発=ウイグル強制労働めぐり―仏

 【パリ時事】中国・新疆ウイグル自治区での人権問題をめぐり、ウイグル族を支援するフランスのNGOなどは9日、少数民族の強制労働で恩恵を受けているとして、人道に対する罪の隠匿の疑いで「ユニクロ」の仏法人を含む衣料・靴大手4社をパリの裁判所に告発したと明らかにした。仏メディアが報じた。

 仏紙レゼコーによると、4社はユニクロのほか、「ZARA」を抱えるスペインのインディテックス、米スポーツ靴大手スケッチャーズ、仏SMCP。NGOは、これら4社が「新疆ウイグル自治区で生産した綿を使用して商品を販売し続けるだろう」と主張している。 【時事通信社】

2021年04月11日 07時27分 時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-1031688/

「H&M」不買、ベトナムでも HPの地図修正に反発

 中国新疆ウイグル自治区の人権状況をめぐる問題に絡んで、新疆産の綿花を使わないと発表したスウェーデンの衣料品大手「H&M」に対する不買運動の呼びかけが、中国に続いてベトナムでも広がっている。

 ただし、運動の原因は全く異なるようだ。

 「お客さんは普段よりも少ないが、ボイコットのせいかは分からない」。5日午後、ベトナムの首都ハノイ市内にあるH&Mの店舗で、男性店員は戸惑いながら話した。客はほとんどおらず、店内は閑散としていた。

 地元メディアによると、ベトナムで同社に対する不買運動の呼びかけが始まったのは2日夜だった。

 中国・上海市当局がこの日、H&Mの地図に問題があるとして中国の運営会社側に聴取し、改善を求めたと発表。米ABCニュースは、同社が店舗案内のために公式サイトに掲載している中国の地図について、中国当局の指示に従って修正することに同意したと伝えた。

 ベトナムではこうした動きに対して、フェイスブック(FB)などのソーシャルメディア上で、反発の声が広がった。

 H&Mのホームページでは現在、店舗の所在地を示す地図が表示されなくなっており、地図のどこが問題でどう修正したか詳細は明らかになっていない。しかし、ベトナムが中国と領有権を争う南シナ海について、中国がほぼ全域の管轄権を主張する「9段線」を、中国の主張に沿って掲載する修正だと受け止められた。

 ベトナム国民の間に反中感情が強く、領有権を巡る問題で中国への警戒感があるためとみられる。

2021年4月11日 17時0分 朝日新聞デジタル

https://news.livedoor.com/article/detail/20008186/

 この記事にはないが、まず政治的な内容であれば、日本の公明党が非難されている。もちろん公明党は中国との関係もあり、共産党政権化で利益があり、付き合いも存在している。そのために、「虐待が真実であるかどうかわからない」という態度を貫いている。一方で、「真実であるかどうか直接調査する」ということも「共産党に直接証拠をもって話を聞く」ということもしない状況である。これは日本のNHKもほぼ同じスタンスであるが、このスタンスに対して批判する勢力は少なくない。スペインやEUが刑事訴追をする中で、そのスタンスが適当であるかどうかは、政治的なスタンスによるものであると思うが、しかし、そこに違和感を感じ、支持をしなくなる人は少なくないのである。

 一方、そうではなく、「経済的な行動に対しても問題視する」ということをする人も少なくない。

 日本では、経済は政治とは別という感覚があり、今回の内容でもユニクロなどは、強制労働で作らされた「ウイグル製の綿」を加工して使っている。ではあえて言うが、「ナチスドイツの鉤十字が書かれた道具を使って、製造物を作った時に、ヨーロッパや、あえて言うがイスラエルで売れるか」ということになる。まさに、人種問題ジェノサイドはそこまでデリケートな問題になっている。しかし、残念ながら、ユニクロの関しては、そのような感覚がない。ある意味で「日本の常識は世界の非常識」という言葉がある通り、日本的な対応をして「それが経済的に最も良い」というような対応をすれば、逆に、「ウイグルの強制労働を肯定していることになる。」「中国共産党のジェノサイドを認めている行為だ」といういうような感覚になるのである。

 H&Mに関しても同じで、「利益が上がるから、中国共産党に逆らわない」という態度は、他の国民の感情を完全に逆なですることに繋がる。もちろん、正当な理由がしっかりとあるならば別であるが、そうでないならば、話にならない。ユニクロやH&Mにしてみれば「自由な経済行為が政治に巻き込まれた」というように感じるかもしれないが、一方で「一般の消費者は、一般の国民であり、一般の有権者である」つまり「民主主義の政治の主役である主権者が、経済の消費者である」ということを忘れているのではないかという気がしてならないのである。

 このような感覚が見えていなければ、国際的な商業は難しいのかもしれない。上記にあるフランスのユニクロとの訴訟は注目である。

宇田川源流

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