「宇田川源流」 悪化の一途をたどる米中関係とその中にある「人権」問題

「宇田川源流」 悪化の一途をたどる米中関係とその中にある「人権」問題


 バイデン政権になって、「親中」というようになびくのではないかというような観測がなされていたが、実際にはなかなか強攻うな態度に出ているのではないか。

 もともとアメリカの民主党という政党を考えると、「極左」と「中道右派・人権派」の融合体でありそのことから、政策が決まって来ている。基本的には「内政中心でバラマキを行う」というところまではよくわかるし、大企業反対、共産主義はというような感じになってきている。そのために中国の教案主義化に一枚加わるのではないかというようなことが危惧されていたのである。

 しかし、大方の予想とは異なり、というとおかしな話であるが、実際には中国との対立路線になってきているところがなかなか面白い。

 一つには、「アメリカの政治の場合、新大統領就任直後は、長官などの政治任用がまだ決まっていないためにトランプ大統領時代の上級官僚がそのまま執務をとるので、その内容の継続的な政治になってしまう」ということがいえる。そのために、まだトランプ大統領時代の政治がそのまま継続しており、大統領が変わったといえども「フェイドイン・フェイドアウト」てきにまだ双方の政治が混ざった感じになっているということが言える。よって「バイデン大統領の本性が出てくると結局親中政権になるのではないか」というような感覚が見えてくることになる。

 しかし、それだけではなく「人権」ということを持ち出したことから、アメリカは対中強硬策をあまり後ろに引くことができなくなってきたということが言える。ある意味で、「経済」などに関しては目をつぶることができても、香港やウイグルの人権問題に関しては、ヨーロッパなどからも要請があることになり、そのことから、アメリカは強硬姿勢を取らざるを得ないというような状況になる。

 まあ、そのようになるときゅげきにアメリカのマスコミでバイデン大統領のけんこうもんあいがささやかれるというのも、どこが何の陰謀を企てているかがよくわかることになるのであるが、それはまた次の機会に何か語ることにしよう。

 いずれにせよ、「予想に反して対中強硬姿勢をとっているバイデン大統領」に関してもう少し詳しく見てみよう。

中国国連代表「米国はデマづくりに夢中になっている」

 2021年3月20日、中国中央テレビ(CCTV)は、中国の国連代表団が人種差別撤廃関連会議の中で米国を「デマづくりに夢中になっている」と批判したと報じた。

 記事は、19日に国連で開かれた人種差別撤廃デーの会合で、米国の国連代表が新疆ウイグル自治区でジェノサイド(大虐殺)が行われていると発言し、これに中国の戴兵・国連副代表がその場で激しく反論したことを報じた。

 戴氏は、中国が国連による人種差別撤廃に向けた積極的な役割を支持しているとした上で「今日の会議の目的は人種差別撤廃デーを記念することであるにもかかわらず、米国の代表はこの場を利用して虚偽の情報をまき散らし、政治的な目的により中国に対していわれのない非難を行っていることに対し、われわれは断固として反対し、完全に拒絶する」と反論。「米国には他国についてとやかく言う資格はない。米国が本当に陰険に関心を持っているなら、自国の根深い人種差別、社会の不公平、警察の暴力などの問題を解決することだ」など逆批判した。

 また、新疆でのジェノサイド問題については「でたらめが過ぎる。別の企みがあるデマであり、徹頭徹尾なウソである」と改めて否定。米国に対して「イデオロギー上の偏見を捨てた上で、人権問題を政治の道具として扱い、世界の人権問題における協力を妨害することを止め、実際の行動によって自国で絶えず発生しているアジア系、アフリカ系住民への差別、ヘイト、暴力を阻止するとともに、平等、協力の姿勢をもって国際的な人権事業のために実りのある行いをするよう忠告する」と語った。(翻訳・編集/川尻)

2021年03月20日 14時00分 Record China

https://news.nifty.com/article/world/china/12181-873749/

米中、埋めがたい溝露わ 外交トップ会談、進展なく終了

 米アラスカ州アンカレジで開かれていたバイデン米政権発足後初めての米中外交トップ会談が19日、2日間の日程を終えた。

 台湾や香港、ウイグル族などをめぐる問題で対立の根深さが鮮明になり、通商紛争でも進展はなかった。気候変動問題などでわずかに協力の余地を残したものの埋めがたい溝は多く、両大国の対立と国際秩序の動揺が続くことを強く印象づけた。

 米側はブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が、中国側は楊潔?(ヤン・チエチー)共産党政治局員、王毅(ワンイー)国務委員兼外相が出席した。

 米国務省によると、ブリンケン氏は会談後、記者団に「根本的に対立する多くの分野があることが改めてわかった」と述べた。中国外務省によると、楊氏も記者団に「依然、重要な意見の相違がある」と認めた。

2021年3月20日 21時6分 朝日新聞デジタル

https://news.livedoor.com/article/detail/19884049/

 最も大きな内容はウイグルのジェノサイド問題であるといえるが、それだけではない。

 貿易ということで言えば「貿易不均衡」「スパイ」「為替相場の不均衡」「為替操作」「社会主義経済によるひずみ」など

 技術ということになれば「スパイ問題」「知的財産権」「商標などの不正使用」「通信傍受」というようなことがある。

 人権ということになれば「ウイグル」「内モンゴル」「チベット」「香港」というようなことが挙げられるが、それだけではなく、「中国国内におけるアメリカ人の安全」一方で「アメリカ国内における中国人の不法行為」ということも本来ならば上げられなければならない。

 コロナウイルスということに関してはいまだ対立の根は解けないばかりか、「ワクチン外交」ということや、「感染開始当初の情報隠蔽」ということもある。いまだに感染が少なくとも中国から広まったということに関しての責任は負っていない。

 そのうえで軍事・外交の問題がある。まさに、南シナ海。東シナ海。台湾。インド洋だけではなく、アメリカの選挙への介入やミャンマーの問題、インドやネパールの国境、そして海外における債務の罠。

 さて、これらの課題があるにもかかわらず、アメリカのCNN及び日本の東洋経済では突然に「中国が正義でアメリカと日本の認識がおかしい」と、間書面から「共産党参野記事」を出し始めたということになる。日本の場合、菅内閣がマスコミの言動に従って緊急事態宣言を延長したことによって、完全に支持を失ったということになるのであるが、アメリカの場合はどのようになるのであろうか。トランプ大統領を引きずり下ろしたアメリカの「親中メディア」はバイデンをどのように報じるかはなかなか興味深い。逆に言えば中国の「債務の罠」はそこまでフォクが回っているということになるのである。

 そのような状況に大統領になって気づいたバイデンは、今後どのようになるのか、あるいはその債務の罠の毒に完全に浸かってしまうのか。そしてその時にここに上げた論点はどのようになるのか。日本としては重要な問題なのである。

宇田川源流

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