「宇田川源流」<現代陰謀説> イスラエルによるとされているイランの各科学者の暗殺の意味する「イランの核」

「宇田川源流」<現代陰謀説> イスラエルによるとされているイランの各科学者の暗殺の意味する「イランの核」


 金曜日は現代陰謀説をお届けしている。現代の社会に、現在進行形の陰謀はかなりたくさんある。そのたくさんある陰謀をなるべく皆さんにわかりやすく紐解いて説明し、そしてこれから起きることに備えていただきたい。

何度も言っているが、当然のことながらすべての陰謀をここでつまびらかにできるわけではない。そもそも「陰謀」と一口に言ってもドラマのように、一つの道筋になっているのではなく、様々な偶然の事象や政治的な内容などによって、複数の樹形図的な選択肢が連続してあり、その中で、様々な内容が様々に絡み合って一つの結果が生まれる。その結果に対して次の内容をまた仕掛ける。また他の者がその結果を利用して新たな陰謀を企てるというようになっているのである。

このことが見えていることが必要であり、「○○は××の陰謀である」などという抽象的なものではなく、経路を様々に見て、この時点で個の事象ができたために、このように変わったと解説できなければならないのである。もちろん日本のサブカルチャーといわれる人々の中にある「陰謀論」は、そのようなものではなく、一本筋のものでしかない。まあ、それ以上のことを調べる必要もないものであり、また、何か大きな陰謀ということで自分を納得させる「思考停止の魔法」のような感じになっているものばかりである。

本来は陰謀を解説するということは、そのことから、次に起こることを想定し、いくつもの防御壁を作ること、または、「カウンターインテリジェンスを仕掛けること」ができるようにすることであり、そのような意味のある解説以外は陰謀を語っても意味がないのではないか。

さて、今回のものは先週の金曜日の「現代陰謀説」のつながりが強く疑われる内容である。そもそもは、ポンペオ国務長官がもとCIA長官であり、中東の専門家であるところが大きな内容である。そのことから様々な外交で成果を上げているが、そのひずみも少なくない。

イランで核科学者暗殺=イスラエル関与か、報復示唆

 【カイロ時事】イラン国営メディアによると、首都テヘラン郊外で27日、同国の核開発に深く関与してきたとされる著名な科学者が何者かに銃撃され、殺害された。イランは敵対するイスラエルや米国の仕業と疑っており、何らかの報復措置を取る可能性が高い。イランをめぐる一段の緊張激化は必至の情勢だ。

 暗殺された科学者はモフセン・ファクリザデ氏。国防軍需省傘下の研究機関の高官も務め、イラン核開発で中心的な役割を担っているとして、反発するイスラエルのネタニヤフ首相がかつて名指しで警戒対象に挙げた人物として知られる。

 報道によると、爆弾を荷台に隠したトラックが同氏の乗っていた車の前で爆発。さらに他の車両から銃撃を受け、搬送先の病院で死亡したという。

 ザリフ外相は、ツイッターで「卑劣な国家テロだ。イスラエルが役割を果たした深刻な兆候がある」と指摘。最高指導者ハメネイ師の軍事顧問を務めるデフガン前国防軍需相は「殺害の実行犯を襲い、自らの行いを後悔させる」と報復を強く示唆した。 【時事通信社】

2020年11月28日 05時44分 時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-875549/

 ポンペオ国務長官が就任したことによって、仲冬の候策、特にイスラエル関係に関してはかなり前向きにアメリカが乗り出すことになった。トランプ大統領はエルサレムにアメリカ大使館を映し、イスラエルの首都をテルアビブではなく、エルサレムであるということを認めるという発言をしている。もちろん、他からの非難は多かったが、アメリカはそのことに何の躊躇もない。

そのうえで、イスラエルと対立をしているイランに対しては核合意を破棄し、また偶然の度合いも強いが、イランの秘密組織軍のゴドスのソレイマニ将軍の暗殺まで行っている。このほかにも2019年10月にはISのバグダディを暗殺するなど、様々なことを行っているのである。

そのうえで、9月15日には、イスラエルがUAE、バーレーンと国交樹立合意、サウジアラビアにネタニヤフ首相が訪問するなど、イスラエルの中東外交が活発化している状態にあったのである。

しかし、その状態で11月3日に、トランプ大統領の敗北が濃厚になった。そこからイランの「復讐劇」というか「巻き返し」というかは様々あるが、そのことが始まるのである。その巻き返しは、「サウジアラビア」と「イスラエル」つまり「アメリカと親しい中東の国」を集中攻撃することになる。一つはイエメンのフーシ派を援助して、イエメンの中をかなり大きな反乱を起こしている。当然にサウジアラビアへの報復ということになるのでしょうが、もう一つは、紅海を通るタンカーの襲撃ということが大きな目的になる。

もう一つは、イランにおける核開発の再開。そしてもう一つが「ISのさらなる活性化」である。そこで、今週他のニュースで出ていると思うが、アフガニスタンの軍事基地がISに襲撃され爆発している。まさに、アメリカと和平交渉をおこなっているタリバンに対して、ISが攻撃しているということになる。

そのイランの核開発に対して、イスラエルが攻撃を行った。ある意味で言えば、「アメリカと共同」なのか、あるいは「アメリカが陰で支持している」ということになるのではないか。イランのこれらの動きに対して、イスラエルが「カウンターインテリジェンス」を仕掛けたといえる。今年の8月にもイランの核実験施設がサイバー攻撃に会い火事になるなどがあったが、まさにイスラエルは、イランの核開発を最も恐れているところであり、核ミサイルができれば真っ先に打ち込まれるのがイスラエルであることは明らかであろう。そのように考えれば、イスラエルが核開発を妨害することは間違いない事実である。

逆に言えばイランの核開発が、アメリカが核合意を破棄しており、他の国がまだ核合意をしているところで、核兵器開発を行っているということであり、その核兵器開発がばれてしまったことから、各技術者を失うこと、つまり「格の技術を他の国かあ平和裏に入手すること」ができないし、またその時に監視を受けることができないということを意味している。そのことが「明らかになった」ということから、イランは「報復せざるを得ない」のである。当然にイスラエルとの混乱を起こすことによって当然に、「核開発を隠す」ということができる。つまり「戦争中であるので、敵対勢力に近い人の入国を禁ずる」ということができるようになり、また、イスラエルを敵国とすることによって、他の国の同情を買うことができるので、核開発の正当化と時間稼ぎができることになるのである。

もちろんその資金などが重要になるが、それは別途書くことにしたい。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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