「宇田川源流」 「やっぱりな」という感想しか出てこない鳩山由紀夫を全否定したオバマ前大統領の回顧録

「宇田川源流」 「やっぱりな」という感想しか出てこない鳩山由紀夫を全否定したオバマ前大統領の回顧録


 平成21年(2009年)9月16日から民主党内閣が発足し、その時の内閣総理大臣は鳩山由紀夫内閣であった。これはこの年の8月30日の総選挙で民主党が大勝し、特別国会で民主党・国民新党・社会民主党の連立内閣ができたためである。ちなみにこの時、自民党は麻生内閣であったが、麻生太郎氏は8月30日の大敗をもって自民党総裁を知りおいていたために、9月16日の特別国会における首班指名で自民党は参議院の若林正俊元農林水産大臣を出している。

さて、発足当初その支持率は70%を超えていた。自民党は安倍内閣・福田内閣・麻生内閣でマスコミの攻勢を受けて「年金問題」などがあり、そのスキャンダルで中には自殺してしまう大臣なども出て、満身創痍という感じであった。民主党側もそれほど褒められたものではなかったが「自民党には飽きた」というような国民的な感情が強くあり「民主党に一度やらせてみよう」という雰囲気から民主党内閣ができたのである。まさに、のちになって安倍晋三首相が主張する「悪夢の民主党政権」の始まりであるといってよい。

私自身、民主党政権には全く期待していなかった。何しろこの年、2009年7月10日に、そのような国民的な雰囲気の中で「民主党の闇」という本を上梓しているのである。まあ、出版当初には様々な人に「時代が読めていない」などといわれたものである。しかし、実際に民主党そのものの主張は「自分の主張そのものの中で矛盾して100%公約をいつ減することが初めから不可能」という状態であった。そのようになったのは民主党の政党の構造と、現在も野党が行っている「批判票を集める」というものであって、自分の政策に支持者を集めるというものではなかったことに由来する。

まあ、よく公園などで言っているのであるが「アンチ巨人」は「巨人批判」でしかなく「優勝させるチームは」となった瞬間に巨人以外のセリーグの5チームが名乗りを上げる。この時点で5つの派閥の利害関係が一致せず、結局内部分裂を行われる。まさに「内ゲバを内包した内閣」であったということになる。

その鳩山内閣はアメリカからどのように見られていたのであろうかという興味深い内容が最近明らかになった。

鳩山氏は「感じ良いが厄介」=オバマ前米大統領回顧録

 【ワシントン時事】オバマ前米大統領は17日発売の回顧録で、2009年11月に鳩山由紀夫首相(当時)と初会談したことに関し、「感じは良いが厄介な同僚だった」と指摘した。

 その上で、「3年弱で4人目の首相であり、日本を苦しめてきた硬直化し、目標の定まらない政治の症状だ」と酷評した。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で、鳩山氏が首脳会談で「トラスト・ミー(わたしを信じて)」と発言したにもかかわらず、移設先見直しの検討を決めたことなどにオバマ氏は不信感を持ったとされる。 

2020年11月17日 14時58分 時事通信社

https://news.livedoor.com/article/detail/19235969/

加藤官房長官「政府のコメント控える」 オバマ氏回顧録「鳩山氏はやりにくい」

 加藤勝信官房長官は18日午後の記者会見で、オバマ前米大統領が回顧録の中で民主党政権の鳩山由紀夫元首相を「感じは良いが、やりにくい」と振り返ったことなどについて「日本政府としてコメントするのは差し控えたい」と述べた。

 加藤氏は一般論としつつ、「それぞれの国との間、特に首脳間の信頼関係の構築をしっかり図っていくことが当然必要だ」とも指摘した。

産経新聞2020年11月18日18時44分

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/politics/sankei-plt2011180041

 鳩山由紀夫首相は「感じは良いが厄介な同僚だった」<上記より抜粋>ということである。まあ、最近アメリカの大統領選挙であまり日本人の保守派に受けのよくないオバマ前大統領の言葉であるが、この言葉にはあまり反論する人はいないのではないか。まあ「言いえて妙」というのが実際の表現として最も良いものではないかと思われる。

「3年弱で4人目の首相であり、日本を苦しめてきた硬直化し、目標の定まらない政治の症状だ」<上記より抜粋>

まあ、3年弱で4人目という表現は、安倍晋三・福田康夫・麻生太郎・鳩山由紀夫ということで自民党内閣の3人が入っているので、一概に鳩山内閣のものではない。もちろん、そのようなことも福得て鳩山内閣が長続きした、少なくとも次の選挙まで3年半鳩山内閣が続いたのであれば、それはこのような批判は自民党時代のものであると言い切れるのであろうが、鳩山氏も、その次の菅直人も、野田佳彦も、すべて一年で終わっているのであるから、ひどいものである。いかに、日本の内閣が一年ごとに首相が変わり、世界からバカにされ信用がなくなっていったのかということがよくわかる。現在になって安倍内閣が7年8カ月続いて「長すぎる」などという批判があったかもしれないが、しかし、同じ顔で同じ信用で継続的な政治ができるということが「国家の信用」という観点でどれほど大事なことなのか。このような外国の首脳の言葉を聞けばよくわかるのではないか。

そのうえで「感じがいいが厄介」というのは、なかなか興味深い。まあ、ニュアンスとしてあ「返事はいいけれども何もわかっていない」ということに他ならない。この首相に何かを言っても意味がないし、また、その言葉を理解しないで勝手にわけのわからないことに使うのであるから、厄介でやりにくい相手、もっといえば「あまり相手にしたくない相手」ということである。

国家と国家というよりはその国の為政者の「人と人のつながり」というのはコミュニケーションで成り立つものである。つまり「返事がよい」というのは、単純に「感じがいい」ということになろう。しかし、そのあとにその返事とは裏腹の全く関係のないことや制反対の対応をするようではあまり意味がないし、そのような国は信用できないということになる。オバマ大統領時代は、実際に日本のことをあまり愛艇にしていなかったし日本よりも韓国や中国を重要視していたことは間違いがない。その印象の最も悪い部分をこの鳩山由紀夫が引き受けていたということにほかならない。

その証左に、当時「ルーピー」といわれていたのであるが、まさに「何度言っても同じことの繰り返しで結局理解力が足りない」とバカにされているのであり、「くりかえり」の「ループ」をもじって「ルーピー」といわれていたことを思い出す。この辺のあだ名のつけ方は正井オバマ前大統領の印象をそのまま使っていたのに違いない。

もちろん、そのことは政権を取る前から「宇宙人」といわれていたことからも明らかであり、そのような人を首相にして、「政治主導」などということを言っていたのであるから、当然に民主党政権が信用を失うのである。まあ、このように書くと鳩山由紀夫氏一人に責任があるように考えるかもしれないが、実際には現在の野党の人々すべてが「このようなことをアメリカの前大統領に言われる人物を首相として首班指名した」ということであり、「日本の信用を貶めた重罪人」が今の野党の人々なのである。再度そのような人々に政権を任せることができるのか、まあ、よく考えればわかることであろう。

さて、「元首相に対する同盟国の前大統領の言葉」に対して、現在の政府は「それぞれの国との間、特に首脳間の信頼関係の構築をしっかり図っていくことが当然必要だ」<上記より抜粋>という強烈な皮肉を言っている。つまり、民主党政権では同盟国であっても信頼関係を築くことができなかったということなのである。まあ、それ以外のコメントも出すことはできないが、何よりも本人が全く気付いていないことが最も大きな問題なのかもしれない。

宇田川源流

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