「宇田川源流」 首相の体調問題によってわかる各政党や政治家の「国民が病気になった時の対応」と「人間性」

「宇田川源流」 首相の体調問題によってわかる各政党や政治家の「国民が病気になった時の対応」と「人間性」


 今から9年前になるのであろうか。まだ私が国会新聞社にいた頃、BS11というテレビ局に時間をもらって、当時、まさに「一兵卒」であった安倍晋三元首相(当時)と対談をしたことがある。ユーチューブなどに動画などは全く残っていないので、誰か(私を含めて)個人的に録画したもの以外では見ることができないのであるが、チャン島放映されたことは間違いがない。

その時はちょうど第一次政権が終わり、民主党政権になって民主党政権が全く機能していない時期である。野田内閣になって小沢一郎が消費税の問題で国民の生活が第一という政党を作って抜け、民主党政権が完全に少数正当化し、すべての物事が停滞していた時期といった方わかりやすいかもしれない。その時期の内容は当然に「次期首相として安倍氏を」というような感覚であった。ちなみに、まだ自民党総裁は谷垣禎一氏であり、そのままであれば自民党が勝てば当然に谷垣氏が首相になるというような時期、当時の安倍元首相はその辺で「自民党の総裁に叛旗を翻すような話はしたくない」といって言葉選びは慎重にしていたと記憶している、

その対談は、基本的には台本なしで、私が聞きたいことをそして安倍氏(あくまでも当時の呼称)は自分の言いたいことを、事前の調整もなしに話をするという前提であった。調整したのは三点。一つは安倍氏の呼称。政治家の場合、通常その経歴の最も高い呼称を使う。つまり当時でも安倍氏は「総理」と呼称するのが習わしであったが、さすがに手令日でそれはおかしい。そこで本人の許可を得て「安倍さん」と呼ばせていただいた。もう一つの調整事項は「なぜ一時政権の時に辞めたか。そして今度は大丈夫なのか」ということを必ず聞くので、その辺をしっかりといってほしいということである。そのうえで「国民のために立ち上がりますか」と聞くのでしっかりと答えてくださいということである。

現在の安倍首相の健康問題が出るとき、私は必ずこの時のことを思い出す。

「一日も早い回復」から「遠慮なく辞任」まで 安倍首相「体調問題」に多様性発揮する野党の皆さん

 安倍晋三首相を「休ませなきゃならない」とする声があがる中で、安倍氏が2020年8月17日に東京・信濃町の慶応大病院に出向いたことで、永田町では安倍氏の健康不安をめぐる臆測が広がった。

 与党議員からは安倍氏の体調を心配する声があがる一方で、野党からは回復を願う声、説明責任を主張する声から辞任要求まで、バラエティーに富んだ声が飛び交っている。

   「ポイントは『眼』」有田氏は見立て披露

 安倍氏の体調をめぐっては、側近として知られる自民党の甘利明税調会長が8月16日朝放送の報道番組「日曜報道 THE PRIME」で、

 「強制的にですね、数日でいいです。休ませなきゃならない」

 などと発言。安倍氏は翌17日午前に慶応病院入りし、約7時間半にわたって滞在した。この一連の流れに対して、野党議員はツイッターやブログで様々な解釈を披露した。背景を解説したのは立憲民主党の有田芳生参院議員。病院入りが報じられた直後に

 「官邸関係者が『心配です』とコメントするはずがありませんから、『心配するような話ではない』に意味はありません。自民党内は憶測が飛び交って大騒ぎです。甘利さんが語っていたように『強制的』な入院です」。

 夕方には、

 「明日からも健康の憶測が続きます。じつは、という情報が飛び交っています。ポイントは『眼』。総理の仕事は大変です」

などと見立てを披露した。

 共産・小池氏「休んでいるか休んでいないか、ということで言うと...」

 お見舞いの言葉も相次いだ。

 「検査だと聞いますが、体調がすぐれないのであれば十分に静養されて一日も早く回復されることを祈念します」(国民民主党・玉木雄一郎代表)

「私が難病を公表しMRSA感染症で闘病した時にもメッセージを総理からいただきました。ありがとうございました。このところ表情も今一つなのでお疲れかと心配しておりました。何事もないことをお祈りいたします」(同・原口一博国対委員長)

といった具合だ。

 共産党の小池晃書記局長は記者会見で、

「通常の健康チェックだということが言われている。それ以上のことは、詳しい情報は発表されておらず、私の方からこの問題について何かコメントをする段階ではないのではないか。心配するような話ではないという政府高官の発言も報道されており、そういうことであることを、心配するような状況ではないことを願っている」

と発言。ただし、甘利氏の「休ませなきゃならない」発言には

 「きちんと検査を受けていただいて、先ほど言ったように、心配するような状況ではない、という結果を出していただきたいなと思うが、休んでいるか休んでいないか、ということで言うと、記者会見もほとんどやっていないし、国会もやっていないし、かなりお休みになる時間はあったのではないか」

と応じ、懐疑的だ。共産党の山添拓参院議員は、さらに直接的な表現で甘利氏の発言を非難した。

「心配しなくても、国会は2カ月にわたって休み、記者会見も事前通告&答弁原稿付きを計約30分のみ。その責任放棄ぶり、むしろ罪深さを自覚してほしい」

「遠慮なく辞任頂き、どうぞ終わりなき夏休みを」

 甘利氏の発言を機に改めて安倍氏の辞任を求めたのは無所属の柚木道義衆院議員。発言を報じる記事を引用し、2度にわたって

「おいおい、この夏全く国会に出てこない首相を休ませる?国会も出ない、会見もしない、世界的にもコロナ対策への無能さを指摘されてる首相には、遠慮なく辞任頂き、どうぞ終わりなき夏休みを。誰も止めません」

「安倍首相 ご無理されずずっと休まれたら良いのでは。麻生臨時代理に交代してでも首相としての責務停滞許されません。首相が疲れている?疲れているのは国民の皆様では?」

と主張した。

 説明責任に言及する議員もいた。立憲民主党の大串博志衆院議員はブログで、慶応病院行きについて「驚きましたし、心配もしています」とした上で、

「国政全体の運営に責任をもつ総理です。後日、健康状態を含め、状況について何らかの説明があるのでしょうか。それを見守りたいと思います」

とした。

「健康問題に関わってそれを論(あげつら)ったり揶揄することは厳に慎むべき」

 立憲民主党の川内博史衆院議員は

「御見舞い申し上げるが、同時に行政トップの健康の状況については、政府の説明責任も求められる。コロナ禍の中で、往時のように病状を隠し、行政各部の判断と行動に遅滞が生じるようなことがあってはならない」

とツイートした。

 ただ、ごく一部には、こういった騒ぎへの違和感を表明する議員もいた。

「なに党であれ、どんな政治的立場の人であれ、健康問題に関わってそれを論(編注:あげつら)ったり揶揄することは厳に慎むべきだと思う」(共産党・市田忠義参院議員)

「一国の首相ですから体調管理は最も重要なことです。人間ドック行くのは当然のことで大騒ぎし過ぎでは」(日本維新の会・東徹参院議員)

といった具合だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

2020年08月18日 18時36分 J-CASTニュース

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12144-764049/

 さて、その時安倍氏は「今度は在任中に倒れても政権を投げ出すことはしません」とはっきり言っている。次に倒れ、政権を投げ出したらそこで政治家としての人生も終わりにする。それが安倍氏の当時の決意である。同時に、現在もその決意は変わっていないであろうと思う。当時の番組の中で、「潰瘍性大腸炎」という病名を自らの口で明かし、そのうえで薬が認可されたので心配かけることはありません。ということを断言しているのだ。まあ、実際のところ病気であるからそのような意気込みだけでは話にならないというのもわかるし、また本人がどれだけ頑張っても周囲が彫っておかないのが公の立場にいる人間の宿命である。まあ、しかし、本人は次投げ出せば政治家としての命もないということもわかっているということではないか。

さて、7月6日に安倍首相が体調を崩した。一部週刊誌では吐血をしたなどと書いているが、残念ながら吐血はしていない。取材によれば嘔吐物に一部鮮血が混ざっていたという程度であり、口の中を切った可能性がある程度のことである。いずれにせよ嘔吐はただ事ではないが、首相は潰瘍性大腸炎であることを公表しているのであり、その病気の内容などをネットで調べる程度でも、暑さや水などに注意をしなければならない病気であることは十分にわかる。急に熱くなったり、あるいは、毎日仕事が続くなどストレス過多になれば体調が崩れるのは、健康体で会っても同じである。

そのこともあってか、より詳細な検査をするということで8月になって17日に慶応病人に行ったという報道があった。ちなみに人間ドックやその検査に関しては夏休み恒例であるので、特にこちらとしては注意していない。まあ、体調が悪くまた今年は休んでいないのでなかなか大変であろうというような感覚がある程度である。

しかし、そのことに「憶測報道」が飛び交い「24日辞任説」「31日辞任説」から「年内辞任解散総選挙説」など様々出ている。はっきり言って事実を伝えるのがジャーナリストの仕事であり、全くの憶測や一部の人の言説だけで煽ることを書くのは仕事ではない。今のマスコミ報道の常軌を逸した報道姿勢はあまりにもおかしい。

そのうえ、その報道に呼応した各野党の人々の言説が上記の記事である。

さて、「病気」「健康問題」というのは誰でも起こりうるものであり、リスクでもある。そのことに関して、「、休んでいるか休んでいないか、ということで言うと、記者会見もほとんどやっていないし、国会もやっていないし、かなりお休みになる時間はあったのではないか」<小池議員:上記より抜粋>「遠慮なく辞任頂き、どうぞ終わりなき夏休みを」<山添議員:上記より抜粋>「国会も出ない、会見もしない、世界的にもコロナ対策への無能さを指摘されてる首相には、遠慮なく辞任頂き、どうぞ終わりなき夏休みを。誰も止めません」<柚木議員:上記より抜粋>

さて、誰にでもある健康問題に関して、このようなことを言う政治家を皆さんはどう思うであろうか。単純に「首相に対して」ではなく「人間に対して」病気の相手にこのようなことを言うのでありこれは、例えば健康保険問題やコロナウイルスによる病院の問題において、入院をしている国民の一人一人の同様のことが言われているということである。もっと言えば、今病気で戦っている人全員にこの政治家たちはこのようなことを言っているといって過言ではない。人間としての心がないのであろうし、また、マツリゴトを行う人物としてふさわしくない。

政治というのは人間が人間を導くために行うものであり、その人間のことがわからない人物が何を言っても意味がない。同様にこのような人々の一票を投じている人々も同様に人間に対しての思いやりがない地うことであり、病気の人に対してこのような言葉を投げかける人を肯定しているということに他ならないのである。

戦国時代上杉謙信は潮に困っている武田軍に塩を送って正々堂々と戦ったという。「敵に塩を送る」とはそのような潔い戦いをするものである。お互いに国のことを思う政治家であるならば、そのように政策を戦わせていただきたいものである。人間としてダメな人を国会に送らないようにしていただきたいものだ。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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