「宇田川源流」 7月5日投票の東京都知事選挙2020のものの見事な「盛り上がりに欠けた選挙戦」

「宇田川源流」 7月5日投票の東京都知事選挙2020のものの見事な「盛り上がりに欠けた選挙戦」

 6月18日に東京都知事選挙が告示され、現職の小池百合子都知事をはじめ、総勢22名の候補者が届け出を行った。

それにしても盛り上がりに欠ける。

そもそも今回の都知事選は人気が来たから行っているだけという感じがする。まあ、コロナウイルスが何とか一段落したとはいえ、まだまだ第二波がくるかもしれないし、また、すべての都政が「継続中」という感じである。オリンピックも来年に継続になっているし、また、コロナ対策も経済政策などはまだまだ始まったばかり、何しろ、やっと経済に関する内容が動き始めたということでしかない。そのような状況で、頭を変えてい良いのかということが非常に大きな問題になる。

また前回2016年の時は、前職の舛添要一氏が、その前は猪瀬直樹氏が、いずれも途中で辞職している状態であり、その後釜というような選挙であった。要するにいずれも「新人」であって、これからのビジョンをしっかりと語るような状況であったと思われる。

そのうえ、前回は、現在の都知事である小池百合子氏が、自民党の衆議院議員で会ったのが、突然辞任し、自民党を割って都知事に立候補した。それに対して自民党東京都連は増田寛也氏を擁立している。このように与党自民党が分裂している選挙であり、先がなかなか読めない感じである。そのために多くの候補がしっかりと東京都の将来のビジョンを語っていたので、それなりに楽しかったのであるが、しかし、今回の内容は「小池都政の継続の是非」ということでしかない。そうであれば、小池都政が何が悪かったのかというような話になっている。しかし、残念ながら言及しているのはすべて「コロナ対策」ばかりである。これではなかなか盛り上がるはずがないのである。

ついでに言えば、盛り上がる候補もいない。まあ、結構白けた選挙になっているのである。


都知事選告示、コロナ・五輪争点…来月5日投開票

 首都東京の顔を決める東京都知事選が18日、告示され、17日間の選挙戦がスタートした。午後1時現在、立候補を届け出たのは計21人。新型コロナウイルスの感染が収束しない中で迎える異例の選挙戦では、4年間の小池都政への評価に加え、コロナ対策、開催が来年に延期された東京五輪・パラリンピックへの対応などが主な争点となる。投開票日は7月5日。

 立候補を届け出たのは、れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)、現職の小池百合子氏(67)、元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(73)、前熊本県副知事の小野泰輔氏(46)、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)ら。

 新宿駅南口で第一声に立った山本氏は、コロナで困窮する人が増えているとして、「困っている人の生活を底上げする」と訴えた。全都民への10万円支給や東京五輪の中止などを掲げた。

 小池氏は感染防止対策として街頭には出ず、ホームページで「第一声」の動画を公開。待機児童対策などの成果を強調し、「『第2波』に備え、都民の未来を守るために闘う」と訴えた。

 宇都宮氏は都庁前で演説。都知事選を「都民の生存権がかかった選挙だ」と位置づけた上で、職を失った非正規労働者らを救済するための補償の実現や、医療体制の確保などを掲げた。

 小野氏は新宿・歌舞伎町で第一声を上げた。熊本県副知事としての実績を強調し、「小池知事に勝てるのは私しかいない。新しい東京を作るためにがんばりたい」と訴えた。

 立花氏は都庁前で演説を行い、「『自粛自粛』とされたら、娯楽産業の人は死ねと言われているに等しい」などと述べ、飲食店やイベント事業者などへの支援拡充を訴えた。

 各政党は、自民が自主投票とする一方、二階幹事長が小池氏を支援する考え。公明は小池氏を実質的に支援する。

 立憲民主と共産、社民は宇都宮氏を支援する。国民民主は自主投票とし、日本維新の会は小野氏を推薦する。野党統一候補は実現しなかった。

 コロナの感染拡大防止のため、各陣営は、握手を避けたり、インターネットを活用したりするなど、異例の選挙戦に臨む。

 都選挙管理委員会によると、17日現在の選挙人名簿登録者数は1146万8938人。前回選から19万3549人増えた。

読売新聞2020年06月18日13時44分

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20200618-567-OYT1T50145


 まあ一応選挙であるので書いてみるが、結果に関してはあまり言うつもりはない。そんなものは投票日の7月5日を過ぎればわかる。まあ、これだけ争点がなければ、分裂しないのであるから選択肢は「実績にある方」になってしまう。

コロナウイルス関連で言えば「人命を重視(重症医療の充実を主張)」か「検査の重視(検査体制の整備)」なのか、あるいは「感染よりも経済が優先(給付金などの実現)」というように三つに分かれる。まあ、ある意味であれだけ人命が大事といっていながら、突然に給付金を配れと言い出す人々が多いのに興味深く感じる。単純に、「病人は投票に来ないから健常者だけに金を配って票を集める」というような内容に聞こえてくる。もちろん私がひねくれた解釈をしているだけかもしれないが、しかし、「10万円上げるから票をください」というような感じになっているのは興味深い。

また「オリンピック」「消費税」「原発」「米軍基地」など、国政と都政を完全に混同している人もいる。都知事になるのであれば、当然に都政を語るべきであり、国政を語りたいのであれば選挙が違うはずである。

そのように考えれば、当然に、消費税とか原発などを公約に出している候補は「公約が実現できない」ということであり、有権者をだましている候補としか言いようがないのである。初めからできない約束をしていて、マスコミの耳触りの良い話をするだけで、都政については何も語らない。

もっとひどい言い方をすれば「都政に関しては白紙委任で国政の苦情だけを言う」というような選挙をしている人を信用できるのであろうか。

このように考えると「まともに都政について語って、選挙を戦っている」候補のいかに少ないことか。まあ、それくらいで簡単に騙される有権者も多いので、何とも言えないが「民主主義が、簡単に衆愚になる」というような状況は現在の都政においては普通にありうることであるということになる。

まあ、あえて誰とは書かないが、あまりにもおかしな選挙であるので、なかなか面白い。

さて、選挙後であるが、いくつか注意点がある。

まずは「現職が何票取れるか」ということであろう。今回の選挙は国政の与党自民党が推薦候補を擁立していない。つまり、組織票の行方が見えてこない自主投票になっているということを意味する。これで現職のような都知事がゆくのか、より極右の候補に行くのか、リベラルな候補に動くのか、あるいは反体制ということになるのか、これは非常に興味がある。また、前回よりも票数が減った候補は、どのような言い訳をするのかも気になるところだ。

もう一つは山本太郎候補である。この候補、参議院選挙で100万票稼いだと豪語しているが、実際に今回どのようになるのか。つまり参議院選挙後にマスコミで言われていた「れいわ新撰組ブーム」はいつまで続くのかということも興味がある。もちろん、コロナウイルスで終わっているというような感覚もあるがいかがなものであろうか。

このように考えると、選挙前よりも選挙後にしっかりと解説した方がよいのかもしれない。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

0コメント

  • 1000 / 1000