「宇田川源流 日本万歳!」 マスク・消毒液・トイレットペーパーが品薄なのに値上げをしない日本の小売業の品性

「宇田川源流 日本万歳!」 マスク・消毒液・トイレットペーパーが品薄なのに値上げをしない日本の小売業の品性

 毎週月曜日は「日本万歳!」の連載を続けている。テレワークが進んでゆくとあまり月曜日という感覚が少なくなってしまい、曜日ごとの連載というのはあまり意味がなくなってしまうのかもしれない。

今回のコロナウイルスにおいて、土日は休んで、月曜日から金曜日まで働くというような習慣が改めて見直されるのかもしれない。ある意味で、様々なことが大きく変わってゆき、その変わっていった内容に合わせて、我々も変わってゆかなければならないのではないかという気がしてきている。

なんとなく、この働き方だけではなく、様々なことが変わってきそうな気がする。そもそも、多くの人が一堂に会して働くということが見直されるというような気がする。もちろんそうしなければならないような仕事も少なくないのであるが、一方で、実際にはそのような仕事が意外に多いのではないかという気がするのである。アメリカの研究機関の研究によれば、「テレワークでできる仕事は34%ある」というようなニュースが出てきている。逆に言えば、現在の4割の人々は、テレワークに移行し、通勤がなくなってしまうということになる。

この場合、場合によっては「専門家集団によるアウトソーシング」が可能になり、またここで例えば事務などの事業はほとんどが、専門家集団によるテレワークアウトソーシングというような感じになってしまうのではないかという気がするのである。

そのように働き殻が変わっても、曜日ごとの連載は続けるつもりである。なぜならばそのようなテレワークなどによる働き方であっても、実際は、人間は休みが必要であるし、また、その休みもある程度習慣化するような形にすべきであると思う。

海軍の船が、毎週金曜日にカレーにするという。これは曜日感覚がなくならないようにするためであると聞いたことがある。まさに、毎日海軍の船のように閉じ込められた空間であっても、曜日感覚、つまり人間のペースというのは必要なのではないか。特に日本人のような規律を守ることが習慣化した民族においてはなおさらのことではないか。


マスク、消毒液の「超品薄」を示す実売値の驚愕

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が止まらない。政府は4月16日夜に開いた対策本部で、東京など7つの都府県以外でも感染が広がっていることから、5月6日までの期間、対象地域を全国に拡大するこを決めた。

 恐怖が蔓延する中、マスクや消毒液、ハンドソープといった感染を防ぐ関連商品の需要がより高まっているように感じる。

  マスクはいまだに店頭で見かけない

 近くのドラッグストアに出向いても、いまだにマスクは陳列されていない。または、陳列されても、すぐさま売り切れている。

 筆者は3月上旬に5000万人規模の消費者購買情報を基にした、True Dataのデータベース「ドルフィンアイ」を使って、マスクや消毒液、ハンドソープといったコロナウイルス対策商品の売れ行きを調べた(「マスク、消毒液『実売値』で見る異常な売れ行き」2020年3月4日配信)。

 主要な全国のドラッグストアのPOSデータを基にマスク、消毒液、ハンドソープの売れ行きを抽出したところ、今年1月後半以降、これらの商品は異常なほどに販売が膨れ上がったことがわかったが、その後の状況変化についても調べてみた。

 直近ここ2年間における、消毒液、マスク、ハンドソープのドラッグストア1店あたり1週間ごとの売り上げ点数をグラフにまとめてみた。

(外部配信先ではグラフを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

(1)ハンドソープ

 このところ、インフルエンザ流行時期にも徹底されていなかった手洗いが実施されているように感じる。家族にも、手洗いを徹底するように伝える人たちも多い。また肌感覚として、会社でも、出勤時に手洗いを行う人たちは多い。

  ハンドソープの需要も依然として根強い

 ハンドソープの販売状況を見てみると、今年1月後半から販売量が増え、2月最終週に需要のピークを迎えている。1店当たりの売り上げ点数をグラフで追うと、昨年同週比4倍程度の売り上げ点数となった。そこから品切れを迎えたのか売り上げ点数はピークアウト。ハンドソープは1つ買ったら、それなりに長く使える。それでも、3月最終週では昨年同時期と比べて2倍程度売れている。需要が落ち着いたと見方もできるが、ドラッグストアでは品切れのところも多く、いまだに供給よりも需要が多い状況が続いている。

(2)殺菌消毒(アルコール消毒等)商品

 筆者の自宅でも、家族が使えるアルコール消毒液はいまだに不足している。ネットで探すと高額な商品のみは買えるようになってきたものの、まだドラッグストアに満足な量があるようには思えない。

 この殺菌消毒商品は、1月最終週に販売のピークを迎えている。その後に、需要を完全に満足させられず、品切れが続いている。どの時点と比べるかによって倍率は異なるが、おなじく前年同週比で約6倍。感覚としても、1月最終週に対して、殺菌消毒商品の需要が減ったわけではなく、供給量が少なく、買えない状況が続いている、と思ったほうがよさそうだ。

 ところで、殺菌消毒商品が買えなくなってから、ネットでは殺菌消毒用品の自作方法が喧伝されていた。これも、街なかのドラッグストアで買えなくなった事情を反映してのことだろう。

(3)マスク

マスクの状況も同様だ。

 これも今年1月下旬に販売量のピークを迎えて、それ以降、旺盛な需要に供給が追いついていない。マスクはそもそも約60億枚の年間需要がある。そのほとんどが中国からの輸入だった。その中国製マスクが入ってきていない。中国が、自国の需要を優先して振り向けたからだ。

 現在、国内のマスクメーカーが増産して、異業種からの参入も相次いでいる。さらには、政府が世帯に2枚のマスク配布を決めた。政府は月間6億枚のマスク供給を約束している(なお、この6億枚という数字の厳密さは必要ではない)。

   爆発的に増えた需要に対して供給量が全然足らない

 それでも、いまだにドラッグストアではマスクの品切れが生じている。概算で、かつて月間5億枚のマスクが必要だったとする(60億枚÷12カ月)。そして現在では、その5倍の需要があるとする。これは2020年1月下旬のマスク販売数が、昨年ピークの約5倍だったことによる。ただし、実際はもっと需要量は多いだろう。あくまで仮定として、控えめな数字を採用した。

 需要が5倍とすれば月間25億枚だ。全国民が1カ月に20枚ほど使う計算になる。そうすると、6億枚でも供給量としては足らない。卸売業者の中には通常の10倍を超える需要が発生しているとの見方もあるようだ。実際に、私は今年2月の時点で、4月になってもマスク不足は続くのではないか、とテレビ番組で予想したが、その不幸な予想は当たってしまっている。

 とはいえ、日本のドラッグストアを責めるだけではなく、最後に称賛もしておきたい。ドラッグストアの販売単価についてだ。True Dataのデータベース「ドルフィンアイ」を使って調べてみた。グラフ化したのでそれぞれ見てみよう。

<1>ハンドソープ

<2>殺菌消毒(アルコール消毒等)商品

<3>マスク

 リアル店舗で過剰な値上げは見られない

 結果から言えば、リアル店舗での過剰な値上げは見られない。これは非常事態宣言が発せられてからではなく、以前からの傾向だ。

 ハンドソープは平均売価が上がっているが、これは、比較的高額な商品に加え、当カテゴリにも一部含まれるハンドジェル等が売れて全体が上昇していると思われる。殺菌消毒商品は値を戻している。マスクも変わらない(微減しているが、これはたまたま販売されている商品構成が変わったレベルであり、無視できる)。

 そう見ると、日本の小売業者はこうした有事、緊急事態にかこつけて便乗値上げはせず、消費者にこれまでと変わらない価格で提供してくれている。これは、大袈裟だが、誇ってもいい事象ではないだろうか。いま、市民が全員で頑張るときだ。そんなときに、必要品の陳列がなかったくらいで店員に怒鳴ったり、詰問したりするのはいただけない。流通側も頑張っている。

 必要以上の買い占めはなしにしよう。いまこそ市民生活の倫理が問われている。

2020年4月18日 15時50分 東洋経済オンライン

https://news.livedoor.com/article/detail/18140119/


 本日は、少々記事が長かったので、その記事に関するこちらは短くしようと思う。

さて、コロナウイルスになって、一つ驚いたのが、相変わらず「買い占め」が起きたことである。ついでに買い占めを誘引するような書き込みをSNSに行い、それを商売にしているような、生協の職員がいたりと「コロナウイルスを商売利用」している人が少なくない。

まあ、最近のニュースでは安倍首相によって無料のマスクが配られるようになって「なんでこんなところに」と思うようなところにマスクが大量に販売されるようになったというようなニュースがあった。実際に新宿区大久保の韓国人街の韓国食材の店先にマスクが大量におかれていても、「その店の人が転売目的で大量に買い占めたのだ」というようなことしか感じない。

その前のニュースでは「アメリカ人には残すな」などといって中国人女性がアメリカのマスクを買い占めていたなどというニュースがあり、まあ、それらの人々の品性の問題というのがある。

実際に、彼らに関して言えば「経済」というような感じよりも「他人を思いやる誠実さ」ということに欠ける部分がある。そのことは、そのまま、相手から逆の立場に立った時に助けてもらえないということを意味するのである。

一方、日本はどうであろうか。

「日本の小売業者はこうした有事、緊急事態にかこつけて便乗値上げはせず、消費者にこれまでと変わらない価格で提供してくれている。これは、大袈裟だが、誇ってもいい事象ではないだろうか。」<上記より抜粋>

まさにこのようなことが日本人なのである。もちろん中には「他人が困っているのであるから無料で施して当たり前」というような話があるが、そこまで言うのはおかしい。今回のコロナウイルスで「金を配れ」というような話があまりにもすぎた内容はさすがに驚いた。

熊本地震でも3・11でもそのような話はなかったのに、いったい何なのであろうかと思っていた。

しかし、逆に「便乗値上げ」という方な他人が困っているところで足元を見るようなことはしない。資本主義であるから、本来市場原理として、「需要に対して供給が少ない場合は値上がりする」というのが普通であるが、日本の小売業はこのような時期にそのようなことはしないのである。

日本人のモラルということが、これほど素晴らしいと思えることはないのではないか。一方で、同じ日本国の中で「買いだめして全く扱っているようなところではない人々が転売で余ってたたき売りしている」姿を見て、日本人のすばらしさが改めてわかるのではないか。

日本人は本当に世界に誇れる民族であると思う。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

0コメント

  • 1000 / 1000