「宇田川源流」 片方では「働き過ぎ」片方では「雇用がない」という日本で「雇用調整」ということを行う提案は何故ないのか?

「宇田川源流」 片方では「働き過ぎ」片方では「雇用がない」という日本で「雇用調整」ということを行う提案は何故ないのか?

 外出自粛をしているのでテレビを見る機会が増えた。そのテレビのニュースもなかなか面白いもので、自己矛盾を平気で垂れ流し社会不安を煽るようにしている。

「品川では外出自粛になる前と全く人が変わりません」=外出している人が多い

「新橋では客がいなくて店が悲鳴を上げています」=自粛をして外出客が来ない

もちろん完全な矛盾ではない。外出しながら外食をしている人が少ないということである。しかし、そのことはそのまま、「外に出ている人に対して何かアクセスをする」ということが残されていることを意味している。つまりは、「工夫の使用によっては少ないけれども市場が存在する」ということになる。それに対して「政府は経済対策で金を配るべき」という。

ちょっと待て。仕事をしている、つまり収入がある人が減っていないと言ったばかりで経済対策とは何のことを言っているのであろうか。もちろん、個別・業種別・または場合別などが違うからということになるのであるが、そのようなことまでしっかりと解説するテレビ番組や情報番組は存在しない。

単純に「外出している人」も全員であると思うし「店を開けていても客が来ない人」も全員であると誤解するような報道。

そのような報道姿勢に振り回されてネットで言論を展開している人々、そのネットの言論に左右されて国会を空転させている野党議員。まあ、「負」というよりは「無知と無責任のスパイラル」であるということになる。

さて、片方で「スーパーマーケットや薬局」などには客足が絶えない。それどころか働きづめでなおかつ、客からのクレームで「働くのが怖い」といっている。これは、牛丼店なども同じで、「コロナのクラスターの恐怖の中で働いている」などという。

ある意味で不安を煽るしかしないマスコミの犠牲であると思う。一方で「働く場所がない」という人がいる。もちろん、外食店の店主などは大変かもしれないが、そのアルバイトがどうこうということを言う。

アルバイトは、別に、外食店でやってもスーパーマーケットでやってもあまり変わらないのではないのか?


自粛で両極端の苦境 非常勤講師「働き先消えた」 スーパーは「仕事激増」

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府や自治体の要請を受け、休業した学校の講師や飲食店の従業員らが「十分な休業補償をもらえるか分からず、先行きが見えない」と不安な日々を送っている。貯蓄を取り崩す生活で「まさに身を削る思い」だ。それとは対照的に、外出自粛のため食料品を購入する客が集まるスーパーでは従業員らが「仕事が激増して体が壊れそう」と過重労働を訴え、両極端の苦境が生じている。

<休業補償国の対応「遅い」 知事、経営者ら苦言>

 「大学や専門学校など五つの学校で非常勤講師をしているが、3月中旬以降すべて休校になった」。大阪府熊取町の女性(57)はため息をつく。コンピューターの使い方や、留学生向けの日本語を教える。複数の学校を掛け持ちするのは、非常勤講師は立場が弱く契約を打ち切られることがあり、一部の学校で仕事がなくなっても収入を確保するためだ。それなのに「その働き先が突然全て消えてしまった」と肩を落とす。

 従来の月収は手取りで35万円ほど。25年勤務する大学は休校でも給与を出してくれそうだが、月額7万円程度だ。4月は通信教育の添削のアルバイトをして3万円ほど稼げそうだが、家賃や税金、年金といった社会保険料などを差し引くと5万円ほど赤字になる。独身で貯金は400万円あるが、老後への大切な蓄えだ。「緊急事態宣言の期間が延びて休校が続く恐れがあり、将来どうやって生活していけばいいのかと不安になる」

 一部の学校は派遣会社を通していたため、休業補償を問い合わせたが、先月末に「補償しない」とのメールが届いた。政府が減収になった低所得世帯に30万円を支給する話も一転してなくなった。「一律10万円の給付も大切だが、休業要請などで大幅に所得が減った私たちはどうなるのか。不公平さを感じる」

 飲食店の従業員も深刻だ。大阪府内で喫茶店や居酒屋など21店舗を運営する大阪市の会社は2月末に一部を閉め、緊急事態宣言直後の4月8日には全店舗を休業とした。男性社員(54)は「社員には4月分の給与が支払われる見通しだが、約300人のパート、アルバイト従業員に休業補償が出るか分からず、みんな不安がっている」と話す。補償がないと生活できなくなる人もいる。「この状況が長引けば、社員の給与どころか、会社がなくなるのではないかとおびえている」と声を震わせる。

 一方で、緊急事態宣言による外出自粛を受け、業務量が増大したのがスーパーだ。関西圏に34店舗を展開する「サンプラザ」(大阪府羽曳野市)の従業員でつくるサンプラザ労働組合の上西順一執行委員長は「冷凍食品や加工食品が従来の倍近く売れ、店頭に商品を補充する作業などが大幅に増えた。だが、人手不足で従業員の数は変わらず、みんな疲弊している」と話す。

 週末には子どもを連れた家族連れらで混雑するといい、「利用客が3割ほど増えた店もある。対面で大勢の客に接するレジの担当者は常に感染しないかと心配しているが、感染を恐れて休めばシフトが回らなくなる。心身ともに過酷な状況だ」と述べ、「従業員への特別手当を出してほしい」と訴える。これに対し、会社側は「労組から要望は聞いており、対策は順次行っている」とコメントした。【桐野耕一】

2020年4月18日 19時30分 毎日新聞

https://news.livedoor.com/article/detail/18140891/


 本来であれば、例えば「外食店・居酒屋などのアルバイトを、薬局やスーパーマーケットに一時的(少なくとも緊急事態宣言の中だけでも)に雇用を回す」ということができないのであろうか。

なぜ工夫するということ、自力で何とかしようということができないのかは非常によくわからない。

まあ、期間従業員や派遣社員などに関しては、自民党・民主党・自民党というこの政権交代の中で完全にもてあそばれていた。昔は流動的に物事がうまくゆくようになっていたのであるが、残念ながら「派遣社員の権利」ということを言い過ぎて企業側の「労働力の流動性」ということが徐々に制限されることになった。

そのことによって流動性がなくなってしまった。その結果、流動性を盛る「外国人雇用」ということ。特に6カ月で原則ビザがなくなる技能実習生や1年ごとにビザが更新される外国人学生を使うようになってきた。

これは、「派遣従業員などによって雇用調整ができない(繁忙期と閑散期の従業員調整ができない)ために、派遣社員なども最小限にして足りないところを外国人を使う」ということになってしまった。

事の発端は、麻生内閣の時の「年越し派遣村」などという大げさなパフォーマンスから始まっており、リーマンショックによる「派遣切り」の被害者という人々が山ほど出てきて、派遣村の湯浅なる人物が鳩山内閣の参与になるあたりからおかしくなってくる。

もちろん派遣切りは憂慮すべきことであるが、そのことで、企業側の流動性がなくなるということはそれだけ雇用の全体の総数が少なくなり流動性がある場所に雇用が移る。

このことが、皆さんも感じているようにコンビニや居酒屋のアルバイトが外国人ばかりになってしまったという現象になり、片方で失業率は一向に下がらないということにつながるのである。

今回はそのことが大きく出てきている。少なくとも都市部におけるスーパーマーケットや居酒屋などの「労働力」として、二つの大きな柱がある。

一つは外国人、一つは学生であろう。その外国人に関しては、コロナウイルスの影響でそもそも入国、どころか母国を出国できなくなってしまっている。また、日本にいるはずの留学生も危険を感じて帰国してしまっている。

一方の日本人大学生も、休校要請による休校とテレワーク授業によって実家に帰ってしまい、都市部にはいなくなってしまう。もちろん田舎は、労働力が普段以上に余るのであるが、テレワーク授業があるので農業などに流動できなくなってしまう。

そもそも時間を拘束するということによる「管理」が学生で行われていることから、基本的にはその人々をこの緊急時に労働力の流動性がなくなり、そのために、一部の「日本人の東京にいる学生」に労働が集中し、片方で労働をしたくでもできない人間が出てくるということになる。

今回は、「雇用の調整」特に「アルバイトやパートタイマーの雇用調整」を行い、働きたい人はスーパーや薬局などの必需品販売のところで働けるようにする。そのための補助金を出すというようなことを政府は行わないのであろうか。暫定法でも構わないのでそのように行うべきであると考えられるのだ。

なぜ、そのようなことを検討せずバラマキばかりを行うのか。よくわからない。

宇田川源流

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